『サハラ’98』(Sahara’98:雄大なサハラ砂漠を思わせる黄金色の薔薇)

写真は記事とは関係ない 植物園の薔薇(2025/12/9撮影)

 

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サヘル・ローズさんの名前は「砂浜に咲く薔薇」という意味だという。

イラン生れの彼女は、イラン・イラク戦争のさなか1989年空爆により町が壊滅し、4歳で家族をなくす。

家族の記憶はほとんどない。生年月日や名前は不明だった。

当時戦争孤児が多く集まっていた児童養護施設で暮らし、7歳のときに養母に引き取られ、新たな名前をもらう。

薔薇が好きな養母が「薔薇は砂浜に咲かないはずだが、自らの力で困難に立ち向かう力強さをもってほしい」という願いを込めてつけた名前だ。

 

その後、日本で暮らし、苦難の子供時代を過ごした話は、何度聞いていも辛い。

 

現在は、国内外で戦争や貧困に悩む人の支援活動もされている。

 

 

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2025年12月7日 読売新聞朝刊 文化欄「私を作った書物たち」シリーズの記事より

記者:待田晋哉さん

 

 

子供の頃日本語がわからず、日本語の言葉から体温が伝わってこなかったが、

漫画を見た時、言葉はわからなくても、感情が伝わり、感動したという。

(歯医者の待合室ロビーで見た漫画:矢口高雄「釣りキチ三平」)

 

好きな言葉は、寺山修司の〈ふりむくな ふりむくな うしろには夢がない〉だという。

 

”本棚に一冊ずつ自分の読んだ本を置いていく。そのとき、ひとりの人間の人生を映す大切な鏡になっていきます”というサヘルさんの言葉を受けての、待田さんの言葉が素敵だ。

 

心の棚は、置かれる本を待っている。

 

 

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