今秋に奉納された、寛永寺根本中堂の天井画『叡嶽双龍』の阿龍の掌には、種字(薬師如来を一文字で表す梵字「バイ」)が青い色で書かれていて、ラピスラズリが使われているという。

 

映像や画像で見ることができるが、龍の手の中のラピスラズリの青は、小さいのに強い重い光を持つ。

 

ご本尊の薬師瑠璃光如来は、瑠璃光(青い光・清らかな光)で衆生の病苦を救う。

最澄が彫ったとされる。

 

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”フェルメールの青”が、ラピスラズリを使われているのは、よく知られている。

 

この青のウルトラマリンの絵具は、フェルメールが自分で作っている。

当時、金よりも高価だったラピスラズリの鉱物を、アフガニスタンから輸入し、自分で粉砕して作った。

この青をふんだんに使っている。

 

この青だけは300年の年月が経っても色褪せなかった。

そしてこの青こそがフェルメールの魅力だ。

構図や光粒や空気感、どれもが魅力だが、この青がなければ意味がない。

 

 

これらを可能としたのは、フェルメールが、芸術家としてだけでなく、

むしろ、科学者であったからだと、福岡さんは言う。

 

 

フェルメールに夢中になるその熱量に乗せられて、一気に読み、カラーで掲載された全37作品の絵を飽きることなく、日々ながめている。

 

 

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福岡伸一さんは、フェルメールの現存している全37作品を

リ・クリエイトし、年代順に並べ、展示するという、

「フェルメール展」を2012年、銀座で開催した。

 

 

*「リ・クリエイト」…デジタル技術によって現職・原寸大にフェルメールの絵画を完全再現し、それを特殊プリンターで、フェルメールが使ったのと同じような麻のキャンバス上に写し出したもの。フェルメールが描いたその時点の色彩の鮮やかさや、みずみずしい筆使いを正確かつビビッドに再創造した、ホンモノ以上にホンモノに近い絵画の再現となっている。

 

 

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37点という考察するにはちょうどいい数のせいか、フェルメールの描いた状態に近づけようとする復元修復が今も絶たないようだ。

 

色合いが違っていたり、塗りつぶされていた壁絵がでてきたり。

それでもフェルメールへの印象は変わらない。

フェルメールはフェルメールでしかない。

 

 

※参考

 

フェルメール展| B MUSEUM (リ・クリエイトによる37点/2012年) 

 

フェルメールの生涯と全37作品を徹底解説! 最高傑作はどれ? | ARTnews JAPAN(アートニュースジャパン) (『ARTnews』による37点/2023年5月)

 

フェルメールの作品 - Wikipedia (修復による37点/最終更新2025年11月) 

 

 


※フェルメール(1632~1675/オランダ)
 

 

著書:「フェルメール 隠された次元」

著者:福岡伸一

発行:木楽舎 2019年第一刷