誰のための戦争か。
精神を追い詰められ、違法薬物を使う兵士たちを責められない。
いつか戦争が終わって、薬物依存からも抜け出したとしても、戦争の傷は一生続く。
(写真は記事とは関係ない 2026/8/8撮影)
2026/8/22 読売新聞 記者:倉茂由美子さん
『凄惨な前線 薬物侵食』より
4年半におよぶウクライナ侵略の前線で、兵士たちは心身の疲弊を回復できない。
戦場での凄惨な体験や極度の緊張状態を乗り越えるため、
薬物に手を出す兵士は少なくないという。
【キーウ郊外にある薬物依存からの回復を支援するリハビリ施設にて聞き取り】
■ある兵士の話(実名あり・41歳)
・「2年間、一度も休暇がなく、敵と対峙し、仲間が撃ち抜かれ、犬に食われる遺体を見続けていたら、薬を手にしない人はいるのか」。
・最初に手を染めたのは「初めて人を殺した後」だった。4人の露兵を射殺した。
・前線から宿舎へ戻ると親友から薬物を勧められた。「ソルト」違法合成薬物。
・国外に避難した妻が離婚手続きを始めた。息子にももう会えないかもしれない。
・前線後方の基地で約2年間使用した。
■軍所属の臨床心理士の話(実名あり・53歳)
・「民間人の寄せ集めで長期間戦い続けいていること」が薬物依存の最大の要因。
・兵士の交替がない、戦いがいつまで続くか見通せない不安。
・2014年のときは、大半が志願兵だった。
・2022年以降は、動員された兵士が多い。
・「戦う意欲が低い者を前線に送り込んでいるのに、軍は何のサポートもしなかった」
2026/8/24 読売新聞 記者:倉茂由美子さん
『捕虜殺害 それぞれの"正義"』より
■捕虜となったロシア兵の話(実名あり・54歳)
・2024/8軍に志願
一時金200万ルーブル(約385万円)
月給24万ルーブル(約46万円)*当時の職の月給の約2倍…1年契約
・2024/12派遣、塹壕掘りをする。
・2025/1ウクライナ兵捕虜2名射殺
塹壕掘りをしているときに、兵を見つける。
兵は非武装(武器やヘルメットを着用していなかった)
無線で報告すると、指揮官から「射殺せよ」と怒号がある
「ためらいなどなかった。あそこは戦場だったのだ」
・すぐに上空にウクライナ軍のドローンが飛んできて、露軍の仲間が3人即死した。
・翌朝、塹壕は包囲され、陸上特殊部隊が露軍3人を捕虜とした。
露軍の上司の命令に背いて捕虜を連れて帰れば、自分が射殺される。
「後悔もわびる感情もない」
「戦場は敵か味方か、生きるか死ぬかしかないのだから」
裁判で、終身刑となる。
■その射殺されたウクライナ兵の弟の話(実名あり・37歳)
「裁判なんて形式的な見世物だ。捕虜交換で帰国し、戦場へ戻ってまた人を殺す」
「兵士として理解できる。謝罪してくれればきっと許す」
裁判は終わったが、兄の遺体は戻らず、軍の登録上は行方不明となっている。
なぜ、あの日、兄の任務を上空で無人機が援護しなかったのか。
なぜ、露軍の捕虜は連れて帰れたのに、遺体は放置されたのか。
このままロシア領土内に放置されると、犬の餌食になるのを避けられない。
なぜ、故郷に”英雄”として埋葬されないのか。
ウクライナ軍に対する不信感も募る。
2026/8/24 読売新聞 国際面記事より
ロシアによるウクライナ侵略から4年半
露軍の戦死者は約24万人(最大53万人ともされている)
ウクライナ側の死者・行方不明者は約21万人(民間人の死者1万6800人、負傷者5
万1200人)推計
■ウクライナ軍による、
ドローンの飛行距離は、2500キロ。
大型巡航ミサイルの射程は3000キロ。
ウクライナによる迎撃成功率は、対無人機は約90%。対弾道ミサイルは約40%。
ロシアは弾道ミサイルによる攻撃を強化している。
■ウクライナによる「ドローン外交」
ロシアの侵略を受けるウクライナが、戦場での性能が実証された無人機(ドローン)技術を切り札とする「ドローン外交」を展開している。
ゼレンスキ大統領自らがトップセールスを繰り広げている。
