人間のしっぽは退化して尾てい骨で面影を残している。
それで十分満足していた知識だったが、なぜ退化したかと聞かれれば、たいていの人が、人間(先祖)が進化して、樹から降りて、野原を歩くようになったからと答えると思う。
二足歩行で歩くときに邪魔だから、と教わってきた。
実は、二足歩行するずいぶん前から、しっぽはなかった、そうだ。
ヒト上科(ヒトと類人猿(テナガザル、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ))はしっぽがない。
この進化のなかで、最初に起きたのが、しっぽを喪失したことだという。
約3300万年前、先祖はまだ長いしっぽを持っていた。
約1800~1550万年前、もうしっぽを持っていなかった。
この間の約2000万年が、化石が見つからず、ミッシングリングと呼ばれている。
その、しっぽのない一番古い化石がケニアで発見され、奇跡的に全身の形だった。
〈ナチュラピテクス〉と名付けられたこの類人猿は、木の上を四足で歩いていたことがわかっている。
現在生きている類人猿のように、ぶら下がることは出来なかったという。
人間の妊娠期間40週のうち、
ヒトらしい体ができあがるまでが10週、
残りの時間はたっぷりあるのに、しっぽとして伸びた体節(5個もある)はわずか2日で、一気に消えてしまう。
「尾部退縮」という発見だった。
今までは、しっぽの長さは体の軸の成長がいつ止まるかで決まっていると考えられていた。しかし、それに加えて、「縮む」という現象があったのだ。
人間の背骨は約30個あるので、それと比べて5個はけっこうな数だ。
なんでだろう。
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小学生高学年の方を対象とした著書
著書:「なんで人間にはしっぽがないの?」
著者:東島沙弥佳
発行:新泉社 2025年9月発行
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補足
体節は、上から(首の方から)段々に伸びて、最後に尾部が伸びその後消えるのだと思っていたが、逆だった。
下の方から(尾の方から)体節ができて、順繰りに前に押し出して形成されていく。
頭に近い方が古い。
しっぽの喪失が直ちに二足歩行を可能としたわけではなく、二足歩行が可能な準備ができた、という。当然、生物としてのリスクもあるのだが、そのリスクを上回るメリットがあったということ。
どうして「神経管閉鎖不全障害」(二分脊椎)が起こるのか、がわかりやすい。
『遺伝子ジャンプが明かした!人間が尻尾を失った本当の理由と、その偉大な代償』 「月影」さんのブログ(2025/8/4)より
