こんなふうに土器をのぞき込むだことはなかった。
 
この内側のザラザラ感。
ここまで本物を復元しているという。
大塚国際美術館の所蔵作品が、数点、この巡回展に展示され、そのうちのひとつ。
 
この複製は、すごい!
 
「火焔型土器」
この土器のすばらしさは今更だが、
触ってみて、はじめてわかることがある。
 
内部のざらざら。
器の厚み。
重み。むずかしい形状なので、丁寧に抱え込むのだが、持ち上げられなかった。
外観のうねりの力強さ。
 
大塚国際美術館の志は大きい。
 
本物が見れない人たちのために、筆のタッチまで再現した世界中の名画と空間。
今まで興味のなかった、陶板複製画だったが。
 

広瀬さんは、ゴッホの筆のタッチが体感できたと言う。

名画の大きさや筆のタッチを体感でき、

平面絵画を実感をもって楽しむことができる。

文化を共有できる。

このことに感動する。

 

もちろん、工業技術としての技術力も抜きんでているのだろう。

支える資金も並ではないだろう。

 

 

❖大塚オーミ陶業株式会社「さわる文化財~セラミックアーカイブ~」

(展示会説明文全文)

「絵画を陶板に焼きつける」豊富な経験を持つ大塚オーミ陶業は近年、3Dスキャンの最新技術などを積極的に導入し、微妙な色彩や表面の質感を忠実に表現できるようになった。やきものによる複製の展示は、温度・湿度・光などの厳密な管理の必要がなく、間近で見るのみならず、さわることもできる。破損や劣化の恐れが少なく、実物への理解と興味を引き出すきっかけともなる。文化財にさわって楽しむ場を創出することで、新たな美術鑑賞の可能性が広がる。今後、ユニバーサルな展示を普及させるために、セラミックアーカイブの活用が期待される。

 

(今回の展示作品 いずれも 陶による再現)

・「ヒマワリ」1945年芦屋市にて焼失/ゴッホ 2014年製作

・「火焔型土器」津南町出土 2013年製作

・「西壁女子群像」国宝・高松塚古墳壁画 2008年製作

・「キトラ古墳壁国天文図部分」国宝 2010年製作

 

 

 

展覧会名:巡回展「ユニバーサルミュージアム」さわる!”触”の大博覧会

会場  :直方谷尾美術館

期間  :2024/7/6~916