CD2枚組;

反田恭平『Triumphal Concert』

2022/7発売

レーベル:NOVA Record

 

2021/10 第18回ショパン国際ピアノコンクールで、第2位入賞。

2021/12~2022/1 帰国後、全国6会場で記念コンサートを行い、

最後のサントリーホールで行われたライブをCD化。

 

(参考)

ショパン国際ピアノコンクールは、

ポーランド・ワルシャワで、1927年に第1回が開催され、

現存する国際ピアノコンクールの中では世界最古とされている。

 

2020年開催予定だったが、コロナ禍のため2度にわたって延期された。

*2020/4予備予選 2020/10予選・本選

→2020/5に延期が決定し、一年後の同日程となる

→2021/1に延期が決定し、2021/7予備予選 2021/10予選・本選となる

 

5年毎に行われており、出場の年齢制限があり16歳以上30歳以下。

反田は1994/9生まれ。

 

ピアノ演奏:反田恭平

 

【コンクール演奏曲目】(CD収録曲と同じ)

一次予選(10/4 11:00)

ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1

エチュード ハ長調 Op.10-1

エチュード ロ短調 Op.25-10

スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31

 

2次予選(10/9 20:50) 

ワルツ第4番 ヘ長調 Op.31-3

マズルカ風ロンド ヘ長調 Op.5

バラード第2番 ヘ長調 Op.38

アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22

 

3次予選(10/14 17:00)

3つのマズルカ

  マズルカ ロ長調 Op.56-1

  マズルカ ハ長調 Op.56-2

  マズルカ ハ短調 Op.56-3

ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調「葬送」 Op.35

ラルゴ 変ホ長調 Op.109

ポロネーズ第6番「英雄」変イ長調 Op.53

 

ファイナル(10/18 19:50)

ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11

 

このCD収録曲は、コンクールに沿っているが、ピアノソロコンサートなので、

コンクール本選ファイナル曲は入っていない。

 

また、アンコールとして、シューマン=リストの「献呈」が最後に入っている。

 

 

 

華麗で哀愁あるショパン、ではなく、

しっかりと重みのある鍵盤の音が深く共鳴している。

 

会場でこの音を聴きたいものだ。

ピアノが弦楽器で打楽器だということを楽しませてくれるこの響きを体感したい。

 

気迫のある華やかさ。

哀愁を現代の空虚さで表現した満たされなさ。

 

まるで、村上春樹の小説を読んだときのような印象。

社会人として、青年として、完璧なのに、満たされていない。

自分の内側を真空のように保っている孤独。

 

 

この音作りのために、肉体改造した話も有名。

ピアノの音がオーケストラに埋もれないように、

筋肉を付けたが音が堅かったので、更に脂肪を付けたという。

そして、その印象を増すように、髪の毛を侍ヘアーにし、イメージを作ったという。

 

 

 

反田さんの言葉として

子供のころ、サッカーが大好きだったこと。

骨折しなければ、ピアノに向き合ってなかったこと。

ショパンコンクールの番組を観たこと。

そして、

練習は大事だけど、それだけでは何も届かないこと。

消えないように、最後まで自分の灯を守ったこと。

そして、

夢を持つこどもが一人でも増えてもらえたらと。

 

 

以前テレビで、将来留学しなくても箔がつく音楽学校を作りたいと語っておられた。

音楽をやり続けるには経済負担が大きいので、少しでも緩和できる環境を作りたい。

日本に音楽留学しに集まってくるような環境になればと。

そのためにも、ただ学校を作ればいいのではなくて、

名前のある音楽家がいて、そのもとに集まってくるようでなければならないと。

 

 

 

実業家としても才能を発揮されている。

2018年 管弦楽団(現名「ジャパン・ナショナル・オーケストラ」)創設

2019年 クラシック音楽レーベル「NOVA Record」設立

 

 

参考:コンクール本選ファイナル曲(ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11 )

 

反田恭平さんの演奏

 

 

 

第4位となったが、小林愛実さんの演奏もすばらしい。

気品のある一音一音の華やかさと繊細さで、より”ショパン”を楽しめる。