監督:ヴィム・ヴェンダース(共同脚本)

出演:役所広司、三浦友和、田中泯、他

公開:2023/12/22~

 

*TTT(「THE TOKYO TOILET」 渋谷区内17ヶ所の公共トイレを刷新するプロジェクト)の一環、PRとして作製された映画。

公共トイレを作ってみて、メンテナンスの重要性を知ったことからだという。

プロジェクト:柳井康治

企画:クリエイティブディレクター 高崎卓馬(本作共同脚本)

 

 

スカイツリーの見える下町、

東京都墨田区押上にある2DK(風呂なし)の古い木造アパートに住んでいる。

公衆トイレを清掃する仕事をする平山(役所広司)が主人公。

無口で、姪が訪ねてくるまで、言葉がない。

毎日毎日同じ日々を過ごす。

 

日々を平穏に保つ。

満たされている。

 

自分を保つ強い心がないとできないことだ。

 

 

朝食は、玄関入り口にある自販機の缶コーヒー。

平日は、玄関脇に駐めている軽バン(清掃道具が積まれている)で移動。

昼食は、公園のベンチでサンドイッチ。頭上の木漏れ日を古いカメラで撮影する。

見上げた後、焦点を合わせず、手元で一回だけシャッターを切る。モノクロ。

トイレ清掃の仕事を終え、帰宅後、銭湯、立ち飲み屋で食べ、寝る前に古本を読む。

 

朝の路地を掃く箒の音。

移動中に聴くカセットテープ、アニマルズ「朝日のあたる家」、オーティス・レディング「ドック・オブ・ベイ」。

読む本は、幸田文、フォークナー、パトリシア・ハイスミス「11の物語」。

(このあたりが、かたくなに父親を拒否することと繋がるのだろうか?) 

 

趣味の良さと、端正な暮らし、丁寧な仕事ぶりと、

平山(役所さん)の佇まいは、

「トイレをきれいに使いましょう」などのキャッチコピーをこえ、

修行している僧侶のようでもある。

 

そして、昭和の昔、そうやって市井で庶民は質素に端正に自然のなかで、

生きていた気がする。ノスタルジーだろうか。

 

日本人ってこうだったよね、と監督から言われてるような気がした。