監督:青山真治(北九州市出身 1964/7/13ー2022/3/21 享年57歳)
原作:田中慎弥
出演:菅田将暉(1993/2/21 生まれ) 光石研 田中裕子 他
公開:2013年
上映:小倉昭和館 2023/12/14・12/16(「北九州市国際映画祭」一環として)
極まった最中に「殴ったり、首を絞めたりする」性癖の父(光石研)を持つ、
高校生の一人息子の冬馬(菅田将暉)が自分の中に流れる血に嫌悪し、
自分を恐れながら生きている。
そして、自分は父とは違うと思いながらも、気が付けば父と同じことをしていた。
川の流れのように、循環しても、その血は自分にとどまっている。
菅田将暉さんの俳優の原石の姿が瑞々しく輝く。
仮面ライダーのような、アイドル的な役が多いなか、事務所の反対を押し切って、
この映画のオーディションを受け、19歳で主演出演した映画。
この映画の女性たちの生き方は強い。
母親の仁子(田中裕子)は、父親と知り合う前に、戦争で左手を無くし義手だが、
「どうして逃げなかったの?」と聞く息子にこう答える。
「腕がないからとは一度も言わなかった」と。
父親の愛人は、仁子が妊娠している間は殴られなかったと聞き、
するりと自分を守る。
冬馬の同級生の恋人は、
「あなたの手は私を痛めつけるためにあるの?かわいがるためではないのか」と言い冬馬の手を紐で縛り、仰向けの彼にまたがる。