ひとりで生きている老婆が、町で娘を拾ってきた。

娘は老婆に教わり、とても美しい鳥籠を作った。

老婆は言う。売ってはいけないと。

 

(抜粋)

季節がめぐり、春がやってきました。

花の香がただようやわらかな夜でした。

老婆は小屋をでて森の奥へと入っていきました。

「最後は森で眠りたい」

そう言って、老婆は戻ってきませんでした。

 

 

 

 

 

 

著書:「鳥籠の小娘」

文:千早 茜   

*1979生 寺山修司の詩「てがみ」に影響を受け書いた小説「魚神」がデビュー作

絵:宇野 亞喜良

*1934生 イレストレーターとして、寺山修司の舞台や宣伝美術を手がけている

発行:KADOKAWA 2019/3発行