2023/11/25~公開

誰もが知っている「本能寺の変」をどう見せるか?

 

 

役者冥利に尽きるというか、

役者さんたちは、

役者としてこの映画に出演したのは楽しかっただろうと思う


 

土埃 地面の振動 戦い走る勢い 血のしぶき(眼をそむけたが)

脂汗の匂いと汚さ 男の臭さが溜まっているような地面

時間のスピード感 女のいない男の世界 狂わす秘めた情(衆道・男色)

 

 

誰がえらいでもなく

誰もがタガがはずれている

 

誰が天下を取るか?

「首」を取ったら?

誰もが頭をよぎる。ばらばらと誰もが。

 

だけどそんなことはどうでもいい、と思う農民も戦場で命を賭ける。

 

かなりな過激な戦場と、加瀬亮演じる信長の狂気。

 

西島秀俊演じる光秀は他でみる秀麗理知冷静な存在だけではない。

情があり世を取る欲もある。

 

光秀の、誠実で高潔、正義の人の世間のイメージが最初からあるのが前提で、

そのイメージそのままなのに、普通に、狂っている。

やはりその時代の人なのだ。

 

他の役者さん達も一流で、達者なさりげない存在感で、そこにいる。

 

秀吉演じるビートたけしが”演じない”ことで、

俯瞰した位置から、現在から役で時代に入り込み、時代『劇』にはしていない。

 

黒幕秀吉のしたたかさは、ビートたけしがそこにいるだけで十分で、

観る者を求心する。


北野武監督は当初出演するつもりはなかったという。

そして、はなから演技をするつもりもなかっと思われる。

興行として要請があり、秀吉役を選んだという。

もともと誰を配役として考えていたのだろうか。

もし秀吉役が誰かになっていたとしたら?

 

 

北野武がビートたけしとして、秀吉役に出演していなければ、

この映画はドタバタと散漫に終わっていたような気がする。

 

 

これだけの人数が出演し戦い暗い画面が、汚く不快にならなかったのは、

衣装によるところもあるかもしれない。

衣装デザインは、黒澤和子さん。

信長の狂気を煽っている。

美しい。