2023/10/13~公開
実際の事件(小説原作:辺見庸)をモチーフにしている。
観る前に、ある程度の心構えはしていった。
高齢出産になる妊娠をし迷う、堂島洋子(配役:宮沢りえ)。
数年前、一人の子どもを生まれつきの心臓疾患で3歳で失っている。
産まれてくる子どもに、またつらい思いをさせるのではないか。
また失い、つらい思いをするのではないか。
出生前診断を受けることを迷うが、映画の中では答えを出していない。
高齢出産では、35歳以上で約35%弱、40歳以上で約60%弱が、
出生前診断を受診されているという。
(参考:「女性から見た出生前検査/2020年」河合蘭氏レポートより)
受診後については不明。
たぶん、もし、一生涯障がいを負って生きていく子どもが産まれても、
社会が、普通に受け入れ、親がいなくても、不安なく子どもが生きていけるのなら、
考え方はまた違ってくると思う。
経済的や、単独出産となり養育が難しい時などでも、出産を諦める時もあるので、
出産を望まないことをピンポイントで責めないで欲しい、と思う。
検査にもリスクは伴う。それらも含め、産む母親が最終的には決断することになる。
あるいは逆に、母親に決定権が持てない時もある。
出産を望むことも、責めないで欲しいと思う。
だれが、悩まずに、決められるだろうか。
きれいごとだと責められても、言葉がでない。
映画のなかの障がい者は、実際の障がい者の方々が演じているという。
観たかったのは、キャストの魅力による。
宮沢りえさん、オダギリジョーさん、この二人の俳優が伝えるものを観たかった。
そして、
事件を起こす、さとくん(配役:磯村隼人)。
TVドラマ『きのう何食べた?』で好演の磯村隼人が、この難役を演じきっている。
入所者の反応がなくても、なにかは感じているんだと、ひとりで紙芝居を作り、演じ続ける。
ろうあの彼女を愛し、結婚したいと思う。
施設での虐待やいやがらせを見続けて、それが続くことに耐えられない。
入所者のために自分ができることはこれしかないと考える。
自分の人生を犠牲にしても彼らのためにと、実行する狂気。
皆が結末を知っているこの役は、トラウマになっていなければいいが。
考える前に動く感情。
もし答えがあるとしたら、このシーンかもしれない。
事件が起こったことをテレビで知り「行かなきゃ」と駆け出す介護職の洋子(宮沢りえ)。
入所している自分の子どもが悲惨なことになり泣き叫ぶ母親(高畑淳子)。
*この原作は、2016/7/26に起きた知的障害者施設「やまゆり園」で45人が殺傷された事件をモチーフにしている。
入所者19名刺殺、入所者・職員合わせて26名重軽傷を負っている。
この事件後、知的障害者施設は、大型施設から、地域型小規模施設、5人程度のグループホームへと移行されていくが、
自傷や他害の恐れのある障害の重い人が暮らす受け皿としては積極的になれないだろう。
「重度の知的障害者のグループホームが特に不足している」のは今後も解消できないのではないだろうか。
参照:NHK福祉情報サイト「ハートネット」の2018/7発信記事「相模原障害者施設殺傷事件から考える 障害者の暮らしの場」
