本郷恵子さん(元讀賣新聞読書委員)(現東京大史料編纂所長)

シャーロット・ブロンテ「ジェイン・エア」書評より

讀賣新聞 2023年3月5日 文化欄掲載 聞き手:清岡央さん

 

「ジェイン・エア」

著者が生きた19世紀イギリスの階級社会を背景として

宗教的な正当を装った抑圧も受ける主人公の女の子の最後は幸せになる物語

 

(以下抜粋)

主人公が、寒い道や暗い道を、

延々歩く場面が多いのも象徴的です。

抑圧された気持ちを外に出す手段として、

歩くことしかないんだと思います。

 

コロナで行動制限を求められていた間、

私たちも歩きませんでしたか?

 

むやみに近所を歩いて、

孤独や閉塞感を紛らすことって

ありましたよね。

 

現代はコミュニケーション能力が盛んに問われますが、

歴史を見れば、人間は

孤独であっても平気な能力が求められていた時代の方が長かったと思います。

「ジェイン・エア」の時代もそうだったと言っていいでしょう。

 

コロナの時代は、

コミュニケーション能力なり、孤独なりとの、

距離の取り方を試された時代、と言えるのではないでしょうか。

 

 

写真は、近郊(2023年3月撮影)