ノーマライゼーション社会は、

障害者が変わるのではなく、周りが変わることによって実現される

 

事例紹介文より抜粋:

「より重度な障害を持つ人の自立と社会参加

ひいては誰もが暮らしやすい社会を作るために」

筆者:小森猛さん(NPO法人ソーシャルアクション・パートナーシップ理事長)

 

2001年京都大会に公演をしてもらうために、

カナダで人工呼吸器をつけて自立生活をしているという

ウォルト・ローレンスさんを紹介していもらい、会いに行く。

 

:バンクーバーの町では、

地域生活への通過地点であるグループホームや

その他の共同生活の場所を見せてもらったりしたが、

日本のそれとは違い、

共同スペースとプライベートの場所がちゃんと分けれらていて、

自由に友人や恋人を呼ぶことができると説明された。

 

:路線バスにも乗ったがほとんどがリフトバスで、

電車も段差がなく駅員がいなくても自由に乗降できるようになっていた。

 

:人工呼吸器で地域生活をすることのリスクについて、

バンクーバーでは救急車が来る前に、

ガソリンスタンドの店員でも近所の人でも、誰でもが

人工呼吸器の操作ができるような街づくりをしているのだ、

だから事故は一回も起こっていない、と後に聞いた。

 

:なるほど、

障害者が変わるのではなくて、周りが変わることによって

ノーマライゼーション社会が実現されるのだと

印象に残った経験であった。

 

:ウォルトさんは病院でカウンセラーの仕事をしていた。

彼は高位頚髄損傷で気管切開をし、人工呼吸器を使用していたが、

呼気を使って車椅子を操作し、体格も大きく

姿勢もしっかりして普通に喋っていた。

 

:当時の日本では外出するとなれば医師や看護師、介助者など4人ぐらいを引き連れて、

というのが精一杯で、体格はガリガリで外出もできずベッドに横たわってる、というのが

人工呼吸器をしようしている頚髄損傷者の一般的な姿だった。

 

:今では人工呼吸器を使用し、地域で暮らしている頚髄損傷者も

街の中で見かけるようになったが、

この京都大会が医療従事者や当事者達にも少なからず影響を与えたと

自負している。

 

抜粋/鴨治慎吾・宮野秀樹さんの文より)

:自らも学び、行動しなければ、自らの希望する生活は手に入らない。

今の我々の生活は、約50年前に自らの現状を訴え、それを改善するため行動に移した

先達による障害者運動に支えられている。

 

:今、我々頚髄損傷者による行動が、将来の頚髄損傷者の暮らしを変えることになるだろう。

 

:それらは、すぐに目に見えないことが多い。

しかし、諦めず、継続していかなくてはならない。

「自分らしくあるために」、自らが仲間と共に、さらに一歩

踏み出していかなければならない。

 

 

 

会誌「頚損解体新書2020~自分らしくあるために」

編集:全国頚髄損傷者連絡会

 

「頚髄損傷者の自立生活と社会参加に関する実態調査2020」調査報告書は、

調査票を3055通発送し、回答を得た562名分の集計による。

(もちろん、回答方法には配慮がある)

結果に本誌の約100ページを当てている。

 

表紙の写真のうち16点は応募により選ばれたもの