大阪市立東洋陶磁美術館「リニューアルオープン記念特別展「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」」 | 美術館大好き!大阪・兵庫・京都・奈良へのお出かけ日記

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リニューアルを記念して、世界的にも評価の高い東洋陶磁コレクション約380件を紹介する展覧会です。


本当に美しいコレクションだと思います

 

まずは高麗青磁の清らかさと透明感。高麗青磁とは、朝鮮半島で高麗時代(10-14世紀)に作られた青磁器です。

会場の説明には「翡色幽玄」とあり、翡翠のような青が本当に美しい。中国においても天下第一と評されたのだとか。うっとり鑑賞しました。


●「青磁 瓶」高麗時代、12世紀後半


●「青磁陽刻 菊花文 碗」高麗時代、12世紀


●「青磁象嵌 雲鶴文 梅瓶」高麗時代、12世紀


李朝(14-19世紀末)時代の白磁の品のある清廉な雰囲気も綺麗でした。

当時、国家の政治と倫理の中心を成したのは儒教でした。儒教の倹約を美徳する精神から白磁が好まれたようです。


 「粉青粉引 簠」朝鮮時代、15世紀


●「白磁陽刻 四君子文 角瓶」朝鮮時代、18世紀


時代と場所が大きく変わりますが、唐代(7-10世紀初め)の俑も素敵でした。

これらは死後の豊かな暮らしへの願いを込めた明器(冥器)と呼ばれる副葬品なのだそう。


「加彩 宮女俑」唐時代、7世紀


●「加彩 婦女俑」唐時代、8世紀

わずか1世紀ほどで美人の定義が変わった(細身ふくよか)のかも?


(10-13世紀)〜元(13-14世紀)時代の青磁をはじめとする陶磁器も美しい。

同じ青磁でも高麗青磁とは全く雰囲気が違い、緻密さや重量感を感じます。


「飛青磁 花生」国宝。元時代、14世紀。龍泉窯。


●「青磁 鳳凰耳付花生」重文。南宋時代、13世紀。龍泉窯。


また、茶道具の茶碗でお馴染み、景徳鎮窯の大作もずらり。曇りのない青が美しい。皇帝のための窯なんだなぁ、と納得。


「青花 牡丹唐草文 盤」重文。元時代、14世紀。景徳鎮窯。


「青花 蓮池魚藻文 壺」重文。元時代、14世紀。景徳鎮窯。


●「木葉天目 茶碗」重文。南宋時代、12-13世紀。吉州窯。


「法花 花鳥文 壺」重文。明時代、15世紀。


・・・とてもとても書ききれないし、載せきれない!重文や国宝の山です。


●六田知弘「壁の記憶#20

「白磁 壺」朝鮮時代、18世紀


第一室目の現代アート( 六田知弘 さんの写真)とのコラボ展示も素敵でしたし、思った以上に面白かったのが、油滴天目茶碗(国宝)をまるで触ったかのように体験できるコーナー。なんとなく軽いイメージを持っていましたが、ずっしり重い!驚きました。


●「油滴天目茶碗」国宝。南宋時代、12-13世紀。建窯 


次の展覧会のテーマは何なのでしょう。気が早いですが、今から楽しみです。