御三家筆頭の尾張徳川家に伝わる大名道具や、家康の遺品、歴代当主や夫人たちの遺愛品などを通して、尾張徳川家の歴史と華やかな大名文化を紹介する展覧会です。
尾張徳川家は徳川家康の九男・義直が家祖。冒頭、家康と義直愛用の武具がずらりと並んでおり、「武家」を意識させる展示です。刀剣、弓、火縄銃、甲冑、陣太鼓などが並びます。弓の大きさに驚きました。あの弓を引くのにどれだけの力がいるのでしょう。
三つ葉葵の家紋が施され華やかではありましたが、質実剛健、といった印象を受けました。
茶道や香道のお道具が豪華です。
●「織部筒茶碗 銘 冬枯」 重文、桃山時代(17世紀)。
織部の茶碗「冬枯」がかっこよかったです!織部は武家にしっくりくる茶碗であると再認識。なんだか、公家に織部は似合わない💦
●「青磁香炉 銘 千鳥」 南宋時代(12-13世紀)。
香炉「千鳥」はこの美術館の所蔵なのですね。なんといっても美しいし、石川五右衛門が秀吉の寝所に侵入した時に鳴いたという逸話や、武野紹鴎→秀吉→家康→義直という来歴も楽しいです。
尾張徳川家の歴代夫人達のお道具は圧巻です。合貝のお道具は、貝の中に描かれたやまと絵の美しさもさることながら、収納している貝桶の豪華さ、大きさにびっくり。
#お城まで運ぶの大変だっただろうなぁ
●「初音蒔絵旅櫛箱」 国宝、1639年(江戸時代)。
今回の展覧会の目玉である「初音の調度」はもう眩い、としか✨ 前期は「初音蒔絵旅櫛箱」が出ていました。
初音の調度は、尾張徳川家二代・光友の正室・千代姫が二歳で輿入れしてきた時の花嫁道具。千代姫は三代将軍・家光の長女で、幕府の威信をかけ用意されたようです。
この展覧会を見た友達と話していたのですが、千代姫、お道具はしばらく触らせてもらえなかったでしょうね。二歳児に渡したら、舐める・齧る・投げるの三択。そんなことを思い、なんだかほっこりしてしまったのでした☺️
千代姫の場合はお嫁さん側がお道具を用意していますが、豪華なお道具を揃えられる家ばかりではありません。歴代夫人のお道具の中には、数代前のものを再利用しているものもあるそうです。
もう一つの目玉、「源氏物語絵巻」もさすがの美しさ。文化財保護のため、私が見た時は「竹河(一)」のみの展示でした。四期に分けての展示のようですので、お目当てのものがある方はご確認をお忘れなく。
徳川美術館のオールスター、楽しく鑑賞しました。