雪舟は教科書に出てきて小学生でも知ってる有名人。でも、どんな絵?って聞かれると「室町時代の水墨画」ぐらいしか分からず。。ちゃんと見たこともないし、そもそも何がすごいんだろう、と思っていた私にうってつけの企画では?と出かけてきました。
「画聖」と仰がれる雪舟への評価がいかにして形成されてきたのかを、雪舟の作品に加えて、雪舟の作品に学びながら新しい絵画世界を切り開いた後世の画家の作品とともに検証する展覧会です。
雪舟の絵は6点も国宝に指定されているそうです😳一人の画家としては最も多い指定件数なのだそう。
●雪舟「慧可断臂図」 国宝
●雪舟「天橋立図」 国宝
達磨を描いた「慧可断臂図」は知っていたのですが、「天橋立図」が雪舟の作品ということを初めて認識。
#どれだけ興味なかったんだ😅
この天橋立の構図、色んな画家の絵で見ますが、一番最初は雪舟だったのですね。遠近感もあってリアルに見えますが、実際とは異なる風景なのだそう。たしかに、あんなに高い山は近くに見えなかった気がします。公式サイトによると「複数の地点から眺めた広範な景観を美しくまとめ上げる構成力」が生かされた絵なのだそうです。
●伝雪舟「富士三保清見寺図」
雪舟の後世への影響の大きさを感じた絵がもう一つ。「伝雪舟」の「富士三保清見寺図」。この特徴的な形の富士山の絵、何回か見たことがあります。これも雪舟(と信じられていたが、今は別人とされている)が最初なのですね。この絵を狩野派や曽我蕭白がお手本にして描いているのを見比べるのが楽しかったです。
●雪舟「四季花鳥図屏風」右隻 重文
一番印象に残ったのは、他にないと言われる花鳥画「四季花鳥図屏風」。花鳥画ですが、岩や樹の表現がダイナミックで、左右の端から迫ってくるような気がしました。岩や樹に負けないようになのか、この鶴、眼光鋭くなかなか我が強い😆
●雪舟「秋冬山水図」 国宝
展示されている絵はどれも500年以上前のものなのに、その力強さがいささかも失われていないのに驚きました。そして、力強いだけでなく柔らかな雰囲気もあります。緩急が絶妙で、カッコいい。
雪舟の絵を後世の名だたる画家がこぞってお手本にし、その結果、ますます雪舟の評価が高まっていったことがよく分かりました。雪舟の後継者を名乗ったり、雪舟の絵をお手本にすることで、本格派であるという箔付になっていたようです。
●上 雪舟「四季山水図」部分 国宝
下 長谷川等伯「竹林七賢人図屏風」右隻
雪舟伝説を作り上げた画家達の顔ぶれが豪華!狩野派の絵も揃っています。長谷川等伯の作品を見れたのが特に嬉しい。等伯の力強い筆致が好みなのですが、雪舟の絵に影響を受けているのですね。
勉強になり、充実した展覧会でした✨行って良かったです。