1930年代から現代までのフィンランドの8名の著名なデザイナー・作家の「アートグラス」を紹介し、フィンランド・グラスアートの系譜を辿る展覧会です。
フィンランドは1917年にロシアから独立、近代化を進めました。ガラス産業では、万博やミラノ・トリエンナーレへの参加に向けて数多くの国内コンペティションが開催されました。そのため、優秀なデザイナーがガラス制作に関わるようになった、という経緯があるそうです。
国民のアイデンティティを回復することが重要視されたため、フィンランドらしさがキーワードになっているようです。自然や北欧の神話からモチーフを得て制作した作品が多く、ミニマムかつ繊細。ガラスごしの光の揺らぎが美しい✨
●アルヴァ・アアルト「サヴォイ」1937年
作品名はヘルシンキのレストラン「サヴォイ」に飾られたことから。
●アルヴァ&アイノ・アアルト「アアルト・フラワー」1939年
●グンネル・ニューマン「カラー」1946年
●カイ・フランク「プリズム」1953-1956年
●カイ・フランク「アートグラス、ユニークピース」1970年代前半
●タピオ・ヴィルッカラ「杏茸」1946年
●タピオ・ヴィルッカラ「ヘラジカ」1949年
●タピオ・ヴィルッカラ「ユリアナ」1972年
オランダ・ユリアナ女王にフィンランド大統領府から贈答された花器。
●ティモ・サルパネヴァ「蘭」1953年
金属のようなガラスのような不思議で美しい造形。
●ティモ・サルパネヴァ「ランセットⅠ」1952年
●ティモ・サルパネヴァ「スマイル」1994年
オシャレすぎるミッキー。
●ティモ・サルパネヴァ「夢へのゲートウェイ」1981年
氷のような作品。見れば見るほど不思議。
自然と共生する姿勢やすっきりとしたデザインは日本と共通するところがあるなぁと思いましたが、日本ではあまり見ないなと思ったのはきのこのモチーフ。繊細で神秘的だと感じました。
●オイヴァ・トイッカ「知恵の樹、ユニークピース」2008年
●オイヴァ・トイッカ「問題の森」1990年
●オイヴァ・トイッカ「アートグラス、ユニークピース」1971年
●オイヴァ・トイッカ「竹、ユニークピース」1966年
●マルック・サロ「フィリ、ヴェネチアン・ゴブレット」2016年、ヨーナス・ラークソ「傷痕」2015年、マルック・サロ「ウーバー、ヴェネチアン・ゴブレット」2017年
グンネル・ニューマン、ティモ・サルパネヴァ、オイヴァ・トイッカの作品が特に好みです。
以前にこちらの美術館で、北澤美術館所蔵のルネ・ラリック作のアール・デコのガラスを見た時も大感激したのですが、同じぐらい心を動かされました。
美しいものがいっぱいで幸せな時間でした💓
#「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展-食べること、共に生きること-」展が同時開催されています