大きな展示室一室の展示なのですが、ぎゅっと情報が詰まっています。
展示されているものをまず目で楽しみ、資料名から文様の名前と意味をチェック。これが案外難しくて、解読に時間がかかる😂古文の文節分けをしているような気分でした。詳しい説明を読みながら、へぇ〜と驚くの連続で、初めて知ることも多かったです。
●「片身替松竹梅入菱つなぎ文蒔絵提重」
蒔絵の提重(手で提げられるお重)です。片身替とは、器全体を一つのデザインでまとめずに、場所ごとに区切って色や文様をほどこすこと。菱形の中に、四つ若松・雪持ち笹・八重梅が描かれている。全て家紋にも使われる文様のようです。
●「螺鈿地金魚蒔絵小箱」
美しい入れ子式の小箱です✨
螺鈿地に蒔絵で金魚と水草の蒔絵が描かれている。かつて廻船問屋を営む商家で子どもの遊び道具として保管されていたのだとか。
●「秋草蒔絵小鼓箱」
●「草花蒔絵熨斗形香合」
薄、桔梗、女郎花、野菊などの秋草が蒔絵、螺鈿、切金などの技法を使い描かれている。熨斗形は結び文形とも呼ばれる。
●「菊桐竹蒔絵溜亀甲形食籠」
漆の美、華やか✨
京漆器の象彦で制作された亀甲形の食籠(じきろう)。外側は菊文様を描いた上に溜塗り、内側は黒漆塗りに金蒔絵による桐竹文。身と蓋の口縁部に銀の覆輪が嵌められている。
●「会津椀」
会津椀は、割り菱や梅枝、松葉を描く特徴があるそう。
●「蓑亀螺鈿硯蓋」
蓑(みの)亀は、甲羅部分に藻が生えて蓑を着ているように見える亀🐢で、長寿の象徴。
●「金彩色絵染付鳳凰文蓋茶碗」
紗綾形、稲妻菱、唐松、隅切り角に唐松などの文様の背景に鳳凰が描かれる。
●「染付山水図重箱」
●「染付梅竹文重箱」
梅と竹の背景は氷かひび割れたような模様(氷裂文様)となっている。
●「桐文銚子(雲鶴蒔絵蓋付)」
●「扇面蒔絵櫛」
会場では年配の方々が「昔は家にあったんや。置く場所がなくて、今はないけれども。懐かしいなぁ。」と楽しんでらっしゃる姿をお見かけしました。明治から昭和の大きなおうちにはありふれた道具類だったのでしょうね。
器の他に、屏風・掛軸・着物・節句飾りもありました。
●「端午の節句飾り」
豪商・加賀屋伝来のもの。陣屋提灯、薬玉に白馬や大太鼓もあって、その豪華さにびっくり。
文様の美しさももちろんだけど、器の美しさも楽しめて、充実した展覧会でした。