#展覧会の前のお寺巡り
奈良・西ノ京エリアにある西大寺。唐招提寺・薬師寺に行った時に行けなかったので、ふと思い立ち展覧会に行く前にお参りしました。
●東門
西大寺は765年、称徳天皇が藤原仲麻呂の反乱の鎮圧を祈願したことに始まり創建されました。父・聖武天皇が創建した東大寺の対として建立され、780年頃には110あまりの堂が連なる大伽藍を誇り、南都七大寺の一つに数えられましたが、平安遷都後は衰退。鎌倉時代に叡尊が復興、真言律宗の道場へと変わりました。よって、宗祖は叡尊となっています。室町時代に衰退しますが江戸時代にほぼ現在の伽藍が整えられました。本尊は釈迦如来の真言律宗のお寺です。
●本堂 江戸時代、重文。
釈迦如来立像(鎌倉時代、重文)、文殊菩薩騎獅像ならびに四侍者像(鎌倉時代、重文)など。どっしりした構えの気持ちのいいお堂でした。
●本堂から東塔跡を望む
塔は七重で計画されたが、財政難により五重で建設された。室町時代に戦火で焼失。七重・五重両方の礎石や痕跡が残る。
●四王堂(観音堂) 江戸時代。
創建時に造立請願を立てた四天王像を祀る西大寺始まりのお堂。安置される四天王像(室町時代、重文)が踏む邪鬼は奈良時代創建当時のもの。京都白河十一面堂院から移された十一面観音立像(平安時代、重文)も安置されている。
この邪鬼の表情が「やっちゃった😝」みたいな可愛らしいお顔でした。また、称徳天皇が寵愛した道鏡像が近年、籔内佐斗司さんによって製作され奉納されています。美青年な道鏡です。
●愛染堂 江戸時代。
近衛家邸宅を御所より移築。叡尊の持念仏であった秘仏・愛染明王坐像(鎌倉時代、重文)、興正菩薩寿像(鎌倉時代、国宝)など。
初めて来たのに秘仏の愛染明王像を拝観(11/15まで)できたのはラッキーでした。横に模造仏(美しいお姿が間近で見れます)があったのですが、雰囲気が全然違い、仏像に魂入れがされているってこういうことなのかも、と感動しました。しばしお姿に見入りました。興正菩薩寿像は叡尊の生前に姿を写しとって造られたもの。
●鐘楼 江戸時代。
末寺であった川西市・多田院が明治時代に廃寺になった際に移築されたもの。
●邪鬼と愛染明王坐像
西大寺を創建したのが称徳天皇で、かつては大寺院であったというのは知っていましたが、国宝・重文の仏像や建物がこれほどあるとは知らず、正直驚きました。
静かな境内で、境内の幼稚園の子たちが遊びに来ていてほっこりしました☺️ 個人的には可愛らしい邪鬼像と、美しい愛染明王坐像に心惹かれました。
📝称徳天皇
聖武天皇→「孝謙天皇」→ 淳仁天皇→「称徳天皇」→ 光仁天皇
・聖武天皇と光明皇后の唯一の子
・譲位後再び天皇になった
・道鏡を寵愛→宇佐八幡宮神託事件
📝藤原仲麻呂の反乱
孝謙上皇・道鏡と対立した藤原仲麻呂(藤原恵美押勝)が軍事力をもって政権を奪取しようとして失敗した事件。乱後、淳仁天皇は廃位されて淡路島に流罪、孝謙上皇が天皇となった。
📝南都七大寺
奈良時代に平城京(南都・奈良)およびその周辺に存在して朝廷の保護を受けた7つの大寺。
東大寺、興福寺、元興寺、大安寺、西大寺、薬師寺、法隆寺