佐渡裕さんプロデュース&指揮で毎年開催されているオペラ公演に初参戦🚩
オペラに興味の出てきた今、行くより他の選択肢はなし。
音楽 ジャコモ・プッチーニ
指揮 佐渡裕
原演出 栗山昌良
再演演出 飯塚励生
蝶々さん 迫田美帆
スズキ 林美智子
B.F.ピンカートン マリオ・ロハス
シャープレス エドワード・パークス
ゴロー 清原邦仁
ヤマドリ 晴雅彦
ボンゾ 斉木健詞
ケイト・ピンカートン キャロリン・スプルール
合唱 ひょうごプロデュースオペラ合唱団
管弦楽 兵庫芸術文化センター管弦楽団
本当に素晴らしいオペラでした💓
プッチーニの音楽の素晴らしさ、美しいストーリー、磨き込まれた演出に心動かされました。
蝶々夫人役・迫田美帆さん、素晴らしかったです。ボリュームがあり伸びやかなソプラノで心地よい声。歌いっぱなしでしたが、声量全く衰えず。そして、細やかなお芝居が素晴らしかったです。一幕の少し現実感のない蝶のようなふわふわした感じから、二幕・三幕の妻・母としての強さを秘めた姿への変化が見事でした。
迫田さんの蝶々夫人は、誇り高い武家の娘。ピンカートンは蝶々さんのことを、美しい無力な蝶のようだと考えるのだけど、それは蝶々さんを無力な娘と無意識に侮って出た言葉なのだろうなぁ、と観ながら思いました。
アメリカに帰国してしまったピンカートンをひたすら待ち続ける蝶々夫人。その姿はあまりにも一途で痛々しいほどなのだけど、最後、子どもは取り上げられ、夫のピンカートンが自分に会うことを望まないと知った蝶々さんは自害して果てます。
あらすじを読んだ時はそこまでしなくても、と思ったんだけど、迫田さんの蝶々さんを観ていると、己の矜持を傷つけられて武家の娘としてそうするしかなかったのだな、と納得してしまう自分がいました。
アリア「ある晴れた日に」「さようなら坊や」など、心揺さぶられる素晴らしい歌でした。
アメリカ海軍士官ピンカートン役・マリオ・ロハスさん。この方の歌には驚きました。出だしから声量が桁違い、そして華やか✨
ピンカートンはひと言で言うなら、軽々しく現地妻を持ち、すぐに捨ててアメリカで呑気に暮らすクズ男。なのですが、第一幕の彼は魅力的でした。結婚式前、可愛い蝶々さんとの結婚に浮かれて甘い言葉を重ねて振り向いてもらおうとご機嫌を取っている姿などは、傲慢さは覗かせるけど微笑ましさを感じるほど。
第二幕・三幕では一転、クズ男ぶりが明らかに。子どもがいると知り、罪悪感から蝶々さんに会うことすらできず、妻に子どものことを任せて「僕は卑怯者だ」と逃亡。ピンカートン、許すまじ。全観客が思ったことでしょう。
役柄はさておき、とても良かったです。今回、初来日とのことなのですが、また聴く機会がありますように。
アメリカ領事シャープレス役・エドワード・パークスさん。この方も良かった。声量が豊かで、渋みのある美しい歌声。そして、お芝居も上手い。ピンカートンの子どもで軽薄なキャラと対比を成す大人で誠実な人柄に少し救いがありました。
蝶々さんを支える女中スズキ役・林美智子さん。場面の端々に見える蝶々さんを気遣う姿、蝶々さんとの二重唱「桜の枝をゆすぶって」に泣けました。
女衒ゴロー役・清原邦仁さんの狡賢い軽妙なお芝居や蝶々さんの叔父ボンゾ役・斉木健詞さんの力強さも印象に残りました。
終わって二日経つけど、まだ余韻が残っています。
今回、チケット取りが上手くいって最前列でした。始まるまでは前すぎたなぁと心配だったのだけど、佐渡さんの指揮がはっきり見える良席でした。ハミングを挟みながらの指揮、迫力がありました。来年も最前列、狙ってみようかな☺️
#カーテンコール撮影可でした✨