美術館大好き!大阪・兵庫・京都・奈良へのお出かけ日記

美術館大好き!大阪・兵庫・京都・奈良へのお出かけ日記

大阪・兵庫・京都・奈良へのお出かけの日々をメモ。美術館・博物館や神社仏閣、舞台やクラシックにも興味あり。その他興味があることはなんでも。

Instagramの内容とほぼ同じです。

観劇する舞台の予習に、30年ぶりに再読。細部は結構忘れていました。そういえば昔、ケネス・ブラナーの映画も見たのでした。訳注と解説の量が多くて難しく、苦戦しましたがなんとか読了📚



本作の舞台は12世紀頃のデンマーク王国。シェイクスピアが生きた時代から400年ぐらい前の設定ですが、時代考証という概念はなかったこの時代、基本的にはハムレットの生きたヴィクトリア朝(イギリス・ルネサンス期)の雰囲気にのっとって描かれているようです。

#このへんの感覚、歌舞伎や浄瑠璃と似てる


この物語は実はデンマークの古い物語が雛形となっているそうです。驚くことに、王子が復讐を遂げて父を殺した叔父王を倒すという筋書きだけでなく、母が叔父と結婚したり、復讐のために王子が狂気を装うところも同じ。

#つまり、設定とあらすじはほぼパクリ


現在の価値観からするとびっくりですが、ヴィクトリア朝時代は「個性、独創性という観念はまだ存在していなかった」のだそう。シェイクスピアは他人の作品を堂々と焼き直して創作していたし、他の作家も同じだったようです。とはいえ、数多あったであろう類似の物語の中で突出して面白く、人々を感動させたからこそ、400年の時を超えて世界中で読み続けられているのでしょう。

 

主人公はデンマーク王子・ハムレット。短くあらすじをいうなら、叔父・クローディアスが王位簒奪したことを父王の亡霊から知らされたハムレットが復讐を誓う物語です。

 

物語ですが、詩のように韻を踏んだ箇所がたくさんあり、過剰なほどの修辞や言葉遊びがあります。読むための文学ではなく耳から言葉を楽しむお芝居のための作品なのだなぁと改めて感じました。ほんの少しだけ英文で拾い読みしましたが、耳に心地よいです。

特に面白いと思ったのは「シュ」という音が王妃ガートルードのセリフに多用されていること。訳注によると、イヴと蛇のイメージを重ねてのことだそう。

 

”To be, or not to be: that is the question”にあるように、ハムレットが迷い苦悩する姿が描かれますが、「復讐を遂げる」という一点において、ハムレットは最初から最後までブレることなく冷徹です。

復讐の途上で、重臣であり恋人の父親であるポローニアスを人違いで刺殺しますが、『早とちりの、お節介やきの道化め!』と言い放ち悩む様子は見せません。恋人オフィーリアへは母ガートルードへの苛立ちを重ねるように「尼寺へ行け!」と罵詈雑言を吐く。やがて父親を殺されて狂死した彼女の死を悲しみこそすれ、「私のせいだ」と後悔する様子は全くありません。かつての学友ローゼンクランツとギルデンスターンについては、自分ではなく叔父王クローディアスに忠誠を誓ったとして切り捨て、騙して他国で処刑させる😱 関心が亡き父親に異常なほどフォーカスしている印象を受けました。


なんとなく優柔不断な線の細いイメージがあったけど、今回読み直したことでその印象が大きく変わりました。攻撃的な言動からは直情的な性格を感じるし、着実に復讐へと進む姿からは冷静さや冷酷さを感じます。二面性があるような気がします。

 

一体ハムレットは何に苦悩しているのか?

ハムレットが一度クローディアスを殺そうとするが、彼が祈りの途中であることに気づき取りやめる場面があります。『悪党が父を殺した、それで一人息子のこのおれが、その悪党を送り込む、天国へ……なんだ、これでは盗っ人に追い銭だ、復讐にはならぬ。』


ハムレットの復讐はクローディアスをただ亡き者にするだけではなく、地獄へ送り込むものでなくてはならない。そして、おそらくは復讐を遂げた自身にも死後、安らかな眠りが与えられることはなく、苦しみ続けるという覚悟が必要だったのかも、と今回読んで感じました。

 

狂気を演じたハムレットが愛したオフィーリアは本当に狂って水死してしまう。兄王を毒殺したクローディアス王は兄から奪った妃ガートルードを毒によって失う。ポローニアスを刺殺したハムレットはポローニアスの息子のレアティーズに毒剣で倒される。ハムレットを毒剣で殺そうとしたレアティーズも毒剣で死ぬ。毒で兄と甥を殺したクローディアスは、自身が用意した毒剣と毒杯で死ぬ。

入念に張り巡らされた因果というものも色濃く感じました。

 

他にも、国を治める立場から考えるとハムレットは国を滅ぼした側でどうなんだろう?とか(デンマークはノルウェーに乗っ取られて終わる)、ガートルードは最後、毒とわかって飲んだのか?とか、ずっと頭の中でまとまりのない断片が巡っている感覚があり、そのまま舞台を鑑賞する日を迎えたのでした。


人間の業をちらりと覗いた気がしますが、意外に読了感は悪くなかったです。読んでみて良かったな、と感じています。

#名作の感想を軽くまとめられるはずもなく

#いまだに思考の渦の中

#シェイクスピア、難しい

 


こどもの頃にTVで観た映画「メリー・ポピンズ」のミュージカル。少し前に、叔母と母を誘って観てきました。



原作はP.L.トラバースによる小説と、ウォルト・ディズニーより1964年に公開された映画『メリー・ポピンズ』。2004年ロンドン初演のミュージカルで、あのキャメロン・マッキントッシュが制作に参加。日本では3度目の再演だそう。


調べてみたところ、小説は1934年から1988年にかけて執筆され8冊に及ぶのだとか。私の知っているメリー・ポピンズは小説のほんの一部のお話なのですね。

映画はジュリー・アンドリュースによる美しい歌声が耳に残っていましたが、ストーリーは断片的にしか覚えていなくて、新鮮な気持ちで見ました。

 


メリー・ポピンズ 濱田めぐみ

バート 上川一哉

ジョージ・バンクス 福士誠治

ウィニフレッド・バンクス 木村花代

バードウーマン/ミス・アンドリュー 島田歌穂

ブーム提督/頭取 コング桑田

ミセス・ブリル 浦嶋りんこ

ロバートソン・アイ 石川新太

ジェーン・バンクス 市川桃子

マイケル・バンクス 深澤 統

 


とてもいいお話です✨

大人になった今に見てみると、家族の成長の物語でもあることがわかり、心に響きました。

 


さすがディズニー社の制作、舞台装置がとても美しくて大がかりです。

舞台設定は1910年のロンドン。映画の名シーンを美しく再現していて、魔法やふわりと傘で浮かぶシーンはもちろん、バートに関してはびっくりのアクションもあり(ネタバレのため伏せますが、どうやって歩いてるの??)、とても楽しかったです。


「チム・チム・チェリー」を始めとした楽曲も美しい。早口言葉の不思議な呪文の歌「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」が懐かしかった〜。


ダンスも素晴らしいです。群舞の場面が特に好き。公園、銀行、屋根の上、バンクス家の中、とにかくダンスがいっぱい。



キャストも良かった。

メリー・ポピンズは濵田めぐみさんの回で見ましたが、なんというか、「背伸びしてるイギリスの中流階級にいそうな、ちょっと気取った感じの子守」なのです。独特の間で醸し出される「この世の人じゃない」感。風変わりで人間離れしてる魔法使いの雰囲気がすごく出てました。ジュリー・アンドリュースの朗らかなメリー・ポピンズとは違うアプローチでしたが素晴らしかったです。どんな早口でも歌詞が全てはっきり聞き取れる。文句なしに上手い!

 

別格ですごかったのが、島田歌穂さんのバードウーマンとミス・アンドリューの二役。ミス・アンドリューは怖い魔女そのもの。あの歌声を聴けただけでも見に行った価値がありました。

#ミュージカルの女優さんで一番好き❤️

 

上川一哉さんのパートは温かみがあり、メリー・ポピンズとは親子のような、親友のような恋人未満のような、いい雰囲気。

木村花代さんのバンクス夫人はとってもキュート。夫のバンクス氏が嫌なヤツなだけに、彼女の明るさに救われます。

福士誠治さんのバンクス氏、家族と仕事への向き合い方が徐々に変わっていく姿にじーん、としました。銀行員が似合う。ぴったりです。

そしてバンクス家の子どもたち、市川桃子さんと深澤統さん。子役とひとくくりにするのは失礼かなと思うぐらい、名演でした。

 

心がぽかぽか温まるすてきなミュージカルでした。見に行って良かったです💓

 

↓カーテンコールは一部撮影可でした




#たまたま終演後に、濵田さん・木村さん・福士さんのトークがたっぷり30分

#濵田さんと木村さんは元四季なのですね

#濵田さんのユニークさが際立ってました🤭



↓前に見たミュージカル 濵田めぐみさんを知ったミュージカル


↓前に梅田芸術劇場で観たお芝居



「神仏の山 吉野・大峯」の後に新館と仏像館を結ぶ廊下で見た展示が面白かったです。


お寺に行ったり仏教美術の展示に行って、だんだん興味がわいてきたのが仏様の種類。たくさんあるけれど、ぱっと見て見分けられるようになりたい。


そんな私にこのカラフルな立体展示は大ヒット。本を読んでもぴんとこなかったけど、立体になるとイメージしやすい。印相は全然分かっていなかったので、とても勉強になりました。わかりやすかったので記録としてメモします📝

※説明はパネルから。

 

仏像は、如来・菩薩・明王・天の4つのグループに大きく分かれる。

 

● 「天」のファッション


・ガードマンの役割を担うことが多い。

・よろいを着けた姿か、上半身が裸で筋肉もりもり。


● 「明王」のファッション


・首や腕、手首などにアクセサリー。

・不動明王は、三つ編みのように髪を結っている。他の明王は髪の毛が逆立つ荒々しい姿。

・悪を断ちきる剣などの武器を持つことが多い。


● 「如来」のファッション


・アクセサリーを着けず、体に帯を巻き付けるだけ。

・昔のインドのお坊さんの服装に由来。

・知恵がたくさん詰まっているので、頭のてっぺんが盛り上がっている。

・頭のつぶつぶは髪の毛。長い髪の毛が一本ずつくるくる丸まっている。

#つまり、パンチパーマ?😳

 

● 「菩薩」のファッション


・首や腕、手首などにアクセサリー。

・髪を結い上げて冠をのせる菩薩もいる。

・昔のインドの王子さまの姿がモデル、豪華なファッション。


不動明王が三つ編みヘアとは気付きませんでした。それぞれのファッションはなんとなく知っていたのですが、硬い彫像で見るのと柔らかい布で見るのでは印象が大違い。なかなかにオシャレです。


少し調べたところによると、日本の仏様のファッションは中国の唐代のファッションがスタンダードとなっているようです。

 

仏の手の形を「印相」という。

特に如来は手の形でさまざまなメッセージを伝える。


● 右手「施無畏印」畏れを取り除きましょう

  左手「与願印」あなたの願いを叶えます


● 「来迎印」西の彼方にある極楽浄土からお迎えに来ました


● 「禅譲印」「定印」心を平静にしてじっくり考えています


● 「説法印」ほとけの教えを説明します


● 「智拳印」素晴らしい知恵を持っています

 


釈迦如来は右手に「施無畏印」、左手に「与願印」が定番のポーズ。薬師如来はこのポーズの左手に薬壺が載っていることが多い。阿弥陀如来は定番ポーズのアレンジ、指で輪を作る。基本的に「智拳印」を取るのは大日如来だけ。

 

例外はあるそうですが、とても参考になりました。ちょっとずつ知識を増やしていきたいです。


● 千住博「遥かなる響き」 2025年


● 千住博「ウォーターフォール・オン・カラーズ」 2024年


奈良国立博物館の公式HP


↓開催中の特別展「神仏の山 吉野・大峯」