美術館大好き!大阪・兵庫・京都・奈良へのお出かけ日記

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大阪・兵庫・京都・奈良へのお出かけの日々をメモ。美術館・博物館や神社仏閣、舞台やクラシックにも興味あり。その他興味があることはなんでも。

Instagramの内容とほぼ同じです。


 

昼の部を見に行きました。

格調高い演目あり、派手な立ち回りあり、笑いありのとても好みのプログラムでした。




↓松竹座ロビーにかかるベルナール・ビュフェの「暫」


 


一、寿式三番叟

 三番叟 歌昇

 三番叟 虎之介

 千歳 米吉

 翁 又五郎


たぶんこの演目を観るのは初めて。すごく良かった!千歳の米吉さんが厳かに場を清め、翁の又五郎さんが格調高く神の舞を踊った後の三番叟の二人のダイナミックな踊り!

歌昇さんはシャーマン的な憑依感がありキレッキレ、対する虎之助さんは、はんなり柔らかに。東西の違い、個人の持ち味の違いが合わさって、面白かったです。

ふだん、最初の舞踊はざわついてることも多いですが、しーんとしてました。



二、源平布引滝 義賢最期

 木曽先生義賢 愛之助

 下部折平実は多田蔵人 隼人

 待宵姫 壱太郎

 進野次郎 虎之助

 九郎助 松之助

 葵御前 吉弥

 矢走兵内 亀鶴

 九郎助娘小万 孝太郎

 

愛之助さんの義賢を見るのは二度目。この演目をきっかけに歌舞伎が好きになったので、今回の上演は嬉しかったです。前回に通しで見れたのは今思うとラッキーでした。断然、物語の解像度が上がります。

 

愛之助さんの命を賭けた大技は大迫力。カッコよかった!客席から「おぉ〜っ」「うわぁ」と悲鳴混じりの声多数。私も戸板倒しや仏倒れの場面では思わず声が出ました。事故からよくぞ・・・!の想いです。どうか千秋楽まで怪我なく務められますように。

 

孝太郎さんの小万は安心感あり。隼人さんの折平はとにかく美しく、スポットライトが当たっているかのよう。愛之助さんと二人での立ち回り場面はいかにも歌舞伎!の華やかさで、ため息ものでした。松十郎さんもいい声を響かせてました。

 


三、鰯賣戀曳網

三島由紀夫 作、二世藤間勘祖 演出・振付

 鰯賣猿源氏 勘九郎

 傾城蛍火実は丹鶴城の姫 七之助

 博労六郎左衛門 歌昇

 傾城薄雲 壱太郎

 傾城春雨 米吉

 傾城錦木 虎之助

 亭主 扇雀

 海老名なあみだぶつ 鴈治郎


映像でしか知らなかった演目を生で。予想通りの大笑い、とても楽しかったです。

 

勘九郎さんと七之助さんの口跡の良さ✨勘九郎さん、さりげなく馬の上で乗り換えたり身体を反らしたりしてたけど、すごいです。

勘九郎さんの猿源氏はもちろん、身振り手振りでなんとかして猿源氏に伝えようとする歌昇さんの博労六郎左衛門が面白かったです。傾城の女形も七之助さんを筆頭にずらりと華やか。

そんな馬鹿な、の世界観だけど可愛いハッピーエンドで幸せな気分になりました。

   

一緒に見た友達と感想を言いつつ劇場を後にしました。楽しかった💓

松竹座での観劇は夜の部を一回残すのみになりました。閉館も間近。。。

 


↓美しい舞台写真がいっぱいのサイト


 


 ↓御名残四月大歌舞伎





ゴールデンウィークに気になっていた映画を見てきました。



マギー・オファーレルの2020年の同名小説が基になっていて、監督はクロエ・ジャオ。脚本はジャオとオファーレルが共同で執筆したそうです。小説は未読で見ました。


タイトルから連想する通り、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』誕生に深く関わる内容です。

1580年イギリスの農村。貧しいラテン語教師ウィリアム・シェイクスピアは、森を愛するアグネスと出会う…というところから始まる物語。いかにして『ハムレット』が生まれたのかを、家族のドラマを中心に描かれています。

 

とっても良かったです!

ネタばれになるので詳しくは書きませんが、『ハムレット』誕生の裏側には、もしかしたらそういったことがあったのかもしれない、と思うような説得力がありました。

 

16世紀末イギリス(イングランド王国、エリザベス1世からジェームス1世)は西欧の国の中では遅めのルネサンス開花時期なのだそうですが、画面から伝わる地方の風景は自分のイメージしていた中世に近い。まだ魔女が人々に広く信じられていた時代で、人々の間には神秘性に対する畏怖があった時代のようです。


暗く湿っぽくて、生き物のように蠢く森は人々の住む集落と近接しているけれど、両者の間にははっきりとした境界がある。アグネスは明確に森の側の人で、ウィリアムは森ではない側の人なのです。


アグネスを演じるジェシー・バックリーが圧巻でした。喪失の慟哭や芝居を見ての感情の変化に引き込まれました。

全然知らなかったのですが、この演技でアカデミー賞を獲得しているのですね。納得です。

ウィリアムの母を演じたエミリー・ワトソンも素晴らしかったです。

 

ウィリアム・シェイクスピアの家族構成や生い立ちも興味深く、フィクションではありますが、今後シェイクスピア作品を読む時のヒントとなりそうです。

 

ハムレットを題材とした、家族の喪失とその先に続いていく日常の物語。見応えがありました。


 


↓前に見た映画


西洋絵画を見た後は、夫と別行動でこちらの展覧会へ。



志村ふくみさんの作られる草木染の染織作品が好き。少し前の滋賀での展覧会を逃して後悔していたので、今回はどうしても行きたかったのです。


 

志村ふくみさんは1924年滋賀県生まれの染織家、随筆家。紬織の重要無形文化財保持者でもあります。


『源氏物語』や「紫」、石牟礼道子原作の新作能『沖宮おきのみや』の装束など、近年の特徴的なテーマを中心に染織作品を紹介する展覧会です。

 

紬の繊細な美しさはもちろんなのですが、作品タイトルもすてき。言葉と作品のイメージがぴったりだなぁと感じるものもあったし、言葉から広がるイメージの違いを感じるものもあって楽しかったです。


源氏物語をテーマにした作品では「橋姫」の情念を感じるような緋色や「朧月夜」「夢の浮橋」などの淡い紫が印象に残りました。

また、1958年に発表された「秋霞」は志村さんにとって始まりともいえる作品なのだそうですが、さまざまな青や紺が複雑に入り混じる織りの美しさをしみじみと感じるとともに、作品名にも日本の美を感じてうっとりでした。

#秋霞とは、秋にたなびく薄い霞(霧や靄)のこと

#今回初めて知りました




 

志村さんの世界観を何か持ち帰りたくて、小さな香袋を購入。取り出して眺め、香りに触れては展覧会のことを思い出しています。

草木染の優しい色と紬の温かさを感じた素敵な展覧会でした。

 

  



↓前に細見美術館で見た展覧会