「本に呼ばれて出会うんだよ」ど、誰かに言われたことあったなぁ。
昔は、手当たり次第、自分からガツガツ本を読みあさっていた時期もあったけど、
ここ数年は、
私の前にすーっと現れた本を手に取るようにしている。
こないだの入院で、
ちょっと元気になってきて、手持ちぶさたになったとき
本棚に行ってみたら、
普段は目にとまらない、これまでほとんど呼んだことのなかった作家さんの本が目に止まった。
他の本はくすんでたのに、あの本だけ、綺麗に見えたんだよね。不思議。
読むかどうか分かんないけど、とりあえずその本を借りることに。
病室で、パラパラページをめくってみると、
なんとまぁ、すごいタイミングで出会ってしまったなとびっくり。
何度も心震えながら、退院までに読了。
私、この本に出会うためにここに来たんじゃないか?と本当に思ったほど。
その本は、
吉本ばななさんの『キッチン』
私、そういえば、女の人が主人公の小説ってあんまり呼んだことなかったかも…。その気づきにもびっくり。
吉本ばななさんの本は、死と復活がテーマになっているものが多いそうで、
『キッチン』もまさにそういうお話。
死と向き合って復活していく人達の心がとても丁寧に紡ぎ出されている。
それで、読み終わった後に思い浮かんだ言葉が、「いっぺん死んでこい」だったのよね。
言ったことも言われたこともない言葉。なんでだろ。
でも、自分を生きるために、いっぺん死ぬことが必要だったのかも知れないなぁと思う。
そういえば、種市さんの本の中にもそんなことが書いてあったかな。
たぶん過去の私、いっぺん死んだんだね。
それで、癒す時間を経ていま復活に向かっている。
吉本ばななさんの本を読んで、あぁ私大丈夫なんだなぁと優しく背中を押してもらえた気がした。
本当に絶妙なタイミングで出会えたことに感謝!
これだから本との出会いは面白くてたまらない。
しかも、ジューシーで美味。
並んでる日本酒が気になり過ぎて…。次は夜に来よう。