刻音/ Enjil旗揚げ公演 | ゆるりとしましょ

ゆるりとしましょ

日々のこと、遊びのこと、なんかいろいろ。
気を張らずにいきましょ。それがイチバン♪

出演:新垣樽助 能登麻美子 山中真尋 各務華梨
ピアノ:furani ヴァイオリン:emyu: チェロ:菅野 太雅

会場:科学技術館サイエンスホール

 

ーあらすじー


人間国宝の父が死んだ──。
彫刻界を牽引してきた不破島羅山の死は、現代美術界に激震をもたらした。
羅山には二人の息子、輝と影勝がいた。
父は次期当主を決めずに急逝したため、弟の影勝は家を存続させるべく、
兄の輝に不破島羅山を襲名するよう迫る。
だが、輝には名跡を背負う覚悟も実力もない。
しめやかに父の葬儀が行われる中、一人の女、朝比奈聖がやってきた。
 
「初めまして、藤堂輝さん。突然ですが、私と結婚してください」
木を刻め、記憶を刻め、音を刻め、命を刻め──。
家族の崩壊と再生について。

 

樽さんが演出の江嵜大兄さんと立ち上げた「Enjil」の旗揚げ公演に行って参りました。

以前観劇した「ふたり芝居」企画の「シンキングブルー」でタッグを組んでた二人だし、

出演者にまっぴーの名前があったのも惹かれて席を確保。

最前のドセンター席という幸運にも恵まれ、彼らの演技と音楽を浴びてきました。

 

生演奏のある音楽朗劇って他でもあるけど、物語のキャラクター達もそれぞれ楽器を演奏する

設定だったので、いうなれば2人で1役を形作ってる感じ。

樽さん演じる輝の弾くチェロは優しくてちょっときちっとした印象の演奏だし、
能登麻美さんの演じる聖のピアノは本人の印象は淡い感じなのに意外と情熱的。
華梨ちゃん演じる奏のヴァイオリンは彼女その物って感じのアグレッシブな演奏スタイルって感じで
本当に三者三葉の雰囲気があって楽しかったですよ。

 

まっぴー演じる影勝だけが音楽をしないキャラクターだったんだけど、物語の途中で
聖からピアノを習うことに。
この話の流れを聞いて、観劇中に浮かんだ小さな疑問「なんで影勝だけ音楽しないんだろう?」の
理由をなんとなく察した瞬間でした。

キャストは4人。演奏者は3人。音楽をやらないキャラがいてもおかしくはないけど、
兄弟と姉妹の4人って配役で、音楽を絡めないのは不自然な気がしたんだよね。
 

思えば、突然現れた聖が輝に結婚を持ちかける。それを切っ掛けに彼らはそれぞれの縁を

結びやがて「家族」の形を作り出したお話だったのかな。
聖が不治の病でしんでしまう結末だったんだけど、ある意味では彼女の意思を影勝なりに
受け継いだのかな、とか思ったり。
 

そんな影勝なまっぴー、煙草を吸うキャラでして、「男性がタバコを吸うシーン」が大好物な
私としては、よきご褒美を頂いた気分。
私的に線の細いキャラを演じるイメージがあるまっぴーだけど、今回は標準体型の
少しガラの良くない弟って感じでこれはこれでまた良き感じ。
そこまでいっぱい彼の演技を聞いてきたわけじゃないけど、最近のまっぴー、
力強さも出てきてる感じで、人の変化は見てて楽しい限り。

 

能登麻美さんが今回は白いイメージ。おねぇちゃん、芯の通った女性って感じで
綺麗な人でございました。
 

聖の妹役、華梨ちゃんはカワイくて、お転婆って感じでニコニコして見守ってしまう感じ。
影勝とのやり取りが丁々発止で聴いてて楽しかったし、なんなら、影勝とくっついてしまえと
思ったですわ。

 

樽さんの輝が聖に好きって告げるシーン好きだなぁ。思い溢れて言っちゃう感じで。

だけど決してその気持ちに嘘はなくて。言ったあとから募る思いがどんどん表面化していく
感じがしたし。

 

演技も音楽も丁寧に作られてて、素敵な時間を過ごせました。
旗揚げ公演というくらいだから、次もいつかはあるはず。
その時、また違う景色を見れたらいいな、って思うです。