リーディングセッション鉄輪(かなわ)~陰陽師 付喪神ノ巻より~ | ゆるりとしましょ

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日々のこと、遊びのこと、なんかいろいろ。
気を張らずにいきましょ。それがイチバン♪

出演:興津和幸 小野元春 高森奈津美 高橋伸他 木村亜希子
伊藤友馬カルテット 琴:沖政一志 笛:素川欣也
Percussion:野崎めぐみ 唄:merrow

会場:ニッショーホール

 

安倍晴明を興津くんが演じると知ってチケット取って行って参りました。

ステージにはスタンドマイクと椅子、演奏者さん達の楽器がセッティングされてて、キャストの
位置交代はなし。
ニッショーホールは舞台センターに花道が突き出た少し変わった会場なんだけど、
流石に花道は使わないよねって思って着席。
その予想が開演してすぐに覆されることに。

 

冒頭、おもむろにヘッドセットを付けた興津くんと元春くんが出てきて、花道で朗読が始まるというサプライズがまっておりました。
台本手に花道の真ん中あたりに腰を下ろして盃を持つような仕草の興津くん。
一方、元春くんはステージと花道の境目あたりにこちらも腰を下ろして、会話が始まります。
どうやら、清明の屋敷で庭に面した縁に二人はいるらしい。


そして、興津くんの声が放たれた時、ちょっと秘かに震えた。

第一声から、私の中でイメージしてた「興津くんが演じたらの清明」がそこにいたんですもの。

ドンピシャ過ぎる・・・。好み過ぎるわ。
高すぎず軽すぎず、でも僅かに「影」を帯びた「清明」の声。
キャスティングした人、本当にありがとうございます。

 

その清明の相棒とも言うべき「博雅」役の元春くん。くせなくすっと背筋の伸びた感じの博雅で
朴念仁感はそこまで強くないけど、素直っぽい感じに聞こえたし、興津くんとのコントラストも

イイ感じ。

 

会話の途中で、興津くんが式神に模した紙飛行機を客席に向かって飛ばすも
イマイチうまく飛ばず落ちてしまう一幕も。ぽつりとつぶやいた「うまくいかんな・・・」って声音が
なんか可愛く感じたり。

 

ヘッドセットでの演技は冒頭だけで、2人が立ち去った後は、亜希子さんが出てきて
本格的に物語が動き始めます。

語り役だった亜希子さん、凄い分量。状況説明も兼ねた役回りの為なんだけど、

一定の落ち着いたトーンで聴きよくて重厚感もあって素敵な語りを聴かせてくれました。

 

主題の鬼になった女役の高森さん。狂気の鬼に変じる様が悲しくて可哀想にも感じる雰囲気。
人の身だった時、博雅との交流時の雰囲気は儚げで、そのギャップがまた哀しさを誘うって感じ。

 

そして、女を鬼に変える切っ掛けを与えてしまった男役に高橋さん。恐怖におののく演技に
熱が入り、昼の部でもわりとアドリブ多かったらしいのに、夜の部でもアドリブ多めになったとか。
バックで流れる和楽器と洋楽器の演奏効果はすごいw

 

何処か達観したところのある響きのあった興津くんの清明。
その声で「博雅」って呼ぶんですよ。その声が良いんですよ。
 

生演奏と相まって、とても豪華な安倍晴明を楽しむことが出来ました。
他の話もまたしてくれるといいんだけどな、なんて思うくらいには充実した時間となりました。