民話の口演 | 脳梗塞と民話語り

脳梗塞と民話語り

よう来なすったなあ~、ゆっくりしてきなっせ~





月・火曜日はブログ定休日だよ、

今年の紅白歌合戦の曲目が発表されました
  出場する歌手自体が私の意図する人があまり出ていないので興味がないが

北島三郎は今回の紅白でこの先は出ない事を宣言した
  紅白の曲目を見てみると、最近のヒット曲ではなくて懐メロっぽい感じですね

それにメドレーで歌っていくんだそうだ
  紅白がどんな形になろうとも私には関係がない

見たい人が見ればいいだけのことですね
  そのために私は、ビデオをとっているんです

紅白も確かに難しいところですね
  若い人からお年寄り、あるいは海外の人なども対象に入っているとか

いろんなジャンルを入れておかないと
  それこそ見向きもされなくなってしまいますものね

 

今年の最後の民話は
  28日にちょっとしたところで公演があり

その語るのを覚えるのが当面の課題です
  昔話には狐が良く出てきて人を化かすというクダリが多いです


キツネと角豆腐

むかしあるところに
    名前をカンさんと云って 腕のええかやで職人がおったと
このカンさん 酒と女と来たらもう 目が無くてナ
たとえば酒屋の前なんか通ると 
 勝手に足がスルスルーって 暖簾くぐっちまうんだと
そこに ええ女でもいればもう
デレデレ デレデレしながらついて行ってしまう程であったと

そんなある日のこと
いつものように仕事を終え 振る舞い酒をよばれてナ
 酒屋を何軒か はしご酒して 鼻歌混じりで家さ帰る途中

魚屋があったと
藁包みいっぱいの秋刀魚 買って ほうしてカカアの待ってる家へと急いだと

ちょうど峠に差し掛かるとナ
 後ろから若い女が カンさんに寄り添ってきたと

見てみっと これがまた ええ~女
 酒でええ~気分になってっとこへ ええ女「こりゃ~こでらんね~な~」って

鼻の下「でれ~」っと伸ばしながら 
 なんだね~かんだねって 
  くっちゃべりながら歩いてっとナ

庚申塚の辺りまで来たら 辺りが急に暗くなって来たと
したれば 今まで寄り添ってた女が 
  ス~っと離れて何処っさ 行っちまったと

「なんだいあの女 人にさんざっぱら気ィ持たせるだけ持たせておきやがって
  なんだっちゅうんだ あの女?
   俺ら~はぁその気なってきてたんだどー 
    なんだっちゅうんだ あの女! ったぐもう~」

ブツブツ ブツブツ言いながら 家さ帰ってきたと
 「お~い今帰ったぞー ほれっ生きの良い秋刀魚買ってきたぞ」って
女房に渡すなり バタンキュって寝てしまったと

女房が藁包みを開けてみっとナ 腐った秋刀魚が23匹
  残りは頭としっぽが 入ってるだけだったと

次の朝亭主にナ その話をすると
「そんな馬鹿なこどあっかおめー おめーがちゃんと閉まっておかねぇから
  猫でも喰っちまったんじゃねぇのか?」そう言って怒り出してしまったと

ところがその日の女房 機嫌が悪くてナ
「お前さんなにを云ってんですか! 毎晩毎晩飲んだくれて帰ってくるから
  女狐にでも馬鹿にされたんでね~のけ
   稲荷塚辺りは 狐が出るっちゅう話だからナ」
「キツネ??そう言えば夕んべ あの辺りで ええ女に会ったな~ 
もしかして あの女・・・」

ビックリしたカンさん 村の年寄りに 相談に行ったど
「お前な カミさん貰ったばっかりだっちゅうに
  そんなに 飲んだくれてばっかしじゃおめぇ
   女房が可哀想だと思わねぇかい! んっ!   

これから真面目に帰りますって 
  御寿田稲荷様に油揚げでもお供えして お参りして見ろ」
そう言われたもんだから 早速豆腐屋に行ったと
だがな油揚げは売り切れてて 無くなってたと
したら豆腐屋がナ「油揚げの元は豆腐だー豆腐だって同じ事だんべ」
そう言われたもんだからナ 豆腐をお供えして お参りしたと

すると 仕事でどんなに遅くなっても
狐にバカされることは無くなったと
それどころか、可愛い子供まで授かってナ 幸せに暮らしたと 
それからのことだと この御寿田稲荷様に四角い豆腐をお供えして願を掛け
願い事が叶ったら油揚げをお供えするという習わしが出来たんだと

        おしまい


こういう良い女の狐なら

  一度は騙されてみるのも・・・・良いかも知れませんね

こう云う狐はどうでしょうか

銀キツネ
  昔ナ 赤羽が赤ハギ(埴)と呼ばれていた頃のことだと
  今の小学校の西側辺りには 赤埴城と云うお城があったと

  その頃は戦国時代であったもんだから 戦ばかりしていたと
  ところが、そこのお殿様は戦が大嫌いでナ
  敵に攻め込まれる前に
    奥方やお姫様を連れてどこかへ逃げてしまったと

  主のいなくなったお城は見るも無惨でナ
    時が経つにつれて朽ち果てていったと

さて、それから何年かして
  お城の辺りにお姫様が現れるという噂が立ったと

  それも一人ではなくて 
    何人もの人がお姫様を見たんだと
  「そういえばお姫様には好きな人がいたからナ 
      その人に会いに来たんでねーべか」

  「その人って もしかして俺らに会いに来たんでねーべな」
  「馬鹿云うもんでねぇ 
     おめえ見たいな面してちゃゴキブリも寄りつかねぇ」

  そう言って 村中大騒ぎになったてだと
お姫様が現れるのは 決まって
    春の夕もやが立ちこめる頃だと
  大人達は
   「なにか祟りがあっかもしんねーかんな
     触らぬ神に祟りなしっちゅう例えがあるぞー・・おー怖っ!」

  それを聞いていた子供達
  「よーし俺たちでお姫様の正体暴いてやるべ」
  そう言って鹿島神社に向かっていったと

  鹿島神社の参道の辺りは
   大きな杉の森に囲まれて昼間でも薄暗かったと
  「こんな薄気味悪りい所に本当にお姫様が居んのけ~」
  「そうだな こんなとこに居んのは化け物だけだんべな~」

  そう言いながら あっちこっち見つけていたら
  「おーい みんな来てみろや ここにでかい穴があるぞ~」

  駆け寄って見ると、杉の木の根本にぽっかり空いた穴があったと
  一人の子供が中をのぞき込むと
    銀キツネの子供が5匹もいるんだと

  1匹を取り出して見ると
    銀キツネの子供はぶるぶる震えておったと

  残りの4匹も穴から出すと
    よっかだまってぶるぶる震えておったと
  「こりゃええもんめっけたんべ」

  そう言って子供たちは 子狐を棒で突っついたり 尻を叩いたり
   頭をこつき回したりしてふざけたいたと
  すると一人の子が
  「可哀想だから穴に戻して上げたらいがんべ」
  「なに云うだ キツネは悪さするって云うべ お仕置きじゃお仕置きじゃ」

  一人の子が止めるのも聞かね~で
  みんなで子狐をいじめていたと
  「死んじまうから止めろって!」

  そう言って両手を広げて みんなの前に立ちはだかったと
  すると、キツネをいじめていた子供達が
  「なにを邪魔する!こいつもやっちまえ!」
    止めに入った子供まで棒で叩き始めたと

  「子ギツネだって、お母さんキツネがいるべ~
    子キツネが居なくなったら心配するべ~
     死んでしまうから 止めろってば!やめろ―」
     そう言うなり、グッタリとしてしまったと

  ビックリした子供達は
    子キツネを持って逃げてしまったと
その後夕もやが立つ頃になると

   前にも増してお姫様が現れるんだと
    それもいつもと違ってナ 涙を流しているんだとサ

  大人達は「これはただごとじゃね 災いが起きなければ良いんだが」 
  そう言ってナ 村の長に相談したと
  そしたら、子供達が子狐を持ってきたことを知り

  すぐに穴の中に戻して上げたと
  それからしばらく経って
   村人たちが穴蔵を覗きに行ったら
    もうそこには銀キツネの親子はいなかったと

  村人は思ったと
   銀キツネの母親は子供を守るため
    巣穴から遠く離れたところで
     お姫様に化けてみんなの気を引き
      巣穴に近づけまいとしたんだんべな
        おしまい

狐だけでもたくさんの話がございます

  面白く楽しいお話を混ぜながら進めていきたいと思っています