お歳暮 | 脳梗塞と民話語り

脳梗塞と民話語り

よう来なすったなあ~、ゆっくりしてきなっせ~





月・火曜日はブログ定休日だよ、

関東地方はもう暫く雨が降らずカラカラに乾燥していますね
  実効湿度は30%割る日もあります

だから火事も多いけれど
  風邪を引いている人も多くて医者様は超満員

私も今日は曾爺と曾婆連れて医者様に行ったんですよ
  普段は1時間くらいの所2時間も待たされちゃいました

お陰でウオーキングは中止と相成りました
  えっ!! なんでだってっ!

だってね、いつも決まった時間にウオーキングしていると
  タイミングが狂っちゃってね、調子が乗らないのですよ

そう言う訳ですから
  今日はブログを愛読くださっている皆様にお歳暮を上げようと思っています

これは隣町に伝わる昔話でね
  これを一年間の感謝のプレゼントします
    

【千本桜】

むかしむかし 茂木の茅場辺りはすすきの原っぱであったと
ロクな物が取れなくて 茅場の女達は大変な思いをしたもんだと

特に嫁達はナ 姑カカにいびられるんだと
「また」食う口が増えるんか?」

嫁達はでかい腹を抱えては 生まれてくる子のためにとナ
我が口詰めても働き通したと

そんなわけだから死産が多くてナ
命を落とす嫁様さえいたとサ

この茅場には取り上げ婆さんが住んでおったと
婆さまには この辺りの女達は代々世話になって来たんだと

ところが女達の苦しみを見るにつけ婆さまは
「俺ら~もう 取り上げ婆はやめた、」そう云ってたがナ

その婆さまが 見るに見かねて嫁を世話した家があってナ
矢吉と云う貧しい百姓の若い衆であったって
目の不自由な爺様を養う働きもんの優しい男であったと

世話をしたおみよが これまた働き者でナ
亭主と野良に出ては 日の暮れるまで仕事して
帰れば帰ったで こまごまと爺様の面倒をよく見たと

そんなおみよも やがて腹がでかくなってきてナ
日毎にでかくなる腹抱えて 爺様の面倒見たり
矢吉と畑仕事にと  肩で息をしながら働き通していたと

無事に生まれればいいが・・・・取り上げ婆さんは思っていたと
その晩は 春の嵐が吹き荒れていてナ 
桜の花を吹雪と散らしておったと

突然おみよが苦しみだして 
矢吉は息を切らして婆さんを迎えに走ったと

「おみよ頑張れ! おみよや頑張るんだ! 
   取り上げ婆さまが 今来るぞ 頑張れおみよ!」

傍らで爺様が必死で励ましたが間に合わなかった
婆さまは とうとうやや子を取り上げることは出来なかったと

「もうこんざい 取り上げ婆婆はやるまい!」
婆さまは おみよの形見の櫛を桜の木の下に埋めてやったと

ある日のこと 
婆さまは桜の木の根元に 若い芽が出ているのを見つけたと

「陽の目を見ることが出来なかった 
    やや子がここに生まれ変わってきた」

取り上げ婆さまや 土地の人々が見守る中で
その桜は代々命を受け継ぎ 千本桜と呼ばれてナ
人々の心を癒し続けているんだとサ

おしまい



  ※[ 取り上げ婆さま→産婆さんの事]


昔の女達は本当に苦労をしたんですね
  今の時代からでは想像も出来ないほど辛い悲しい人生を送ったんでしょうね。