人というのは実に勝手なもので自分になびかなかったり
自分の意見に従わないとあいつは駄目だ~とか
人ばかり責め立てるんですね
自分を反省したり、直そうとはしない人が多すぎますね
昔話には人が生きていく上での知恵や教訓や
はたまた躾だったりと、笑いの中にもいろんな人生訓みたいなものが含まれています
下の昔話は日光に伝わる話で
面白い話ですが、考えさせられるものがあります
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昔のことだと あるどころにナ 仲の悪りい嫁と 姑かか様が おったと
そんでもって二人はナ いっつもいさかいが絶えなかったと
「また始まったナ」間に挟まった倅も よういなこっちゃねぇ
「これじゃ~子供のためにも良くなかんべナ~」って
さすが利口もんの嫁様でナ おっかさまに内緒で 聞いて貰んべと
知り合いのお寺へこっそりと 相談に行ったと
話を聞いた坊様はナ 「あのおっかさまではお前様も 苦労なこったナ~
それで なんとしたら 気が済むんじゃ んっ!」
「へ~出来るもんなら はぇ~とこおっかさまに あの世とやらに行って貰いてぇ」
「う~んそれはちょっと難しい 相談じゃの~
お~おそうじゃそうじゃ 良い薬があるぞ!
しかしな~,その薬をこしゃうには 三ヶ月がとこ 掛かるがの
どうじゃな その三ヶ月のあいだワシと 約束せんか! んっ!どうじゃな
これからおっかさまが 白を黒と云っても 今までみたいに決して
逆らわず 何でもハイッハイッと云って 辛抱できるかの?」
「そりゃ~三ヶ月の辛抱だぁ なんとか 頑張って見るべ」
そう言って 嫁さんは 約束して帰ったと
それからの嫁さま!!なに云われたって ハイッハイッと云っては 気配りしてナ
「おっかさま そろそろお茶にすんべ」 「あれっ!天気変わんねべか」
「おっかさま うんまいおかずが出来たで 飯にすんべ」
「あれっ毒でも入ってんでね~べか」
そんな憎まれ口聞きながらも おっかさま 段々良い気分になってきたと
ひと月も過ぎた頃嫁がナ 野良から帰ってくると
飯の支度が出来てるわ 風呂が沸いてるわ
夕立で吹っ飛んで帰ってくると 洗濯物が込んであるわ お茶が沸いてるわでナ
おっかさまが 変わってきたと
ほうして約束の 三ヶ月がと~に過ぎた頃 坊様がひょっこり 尋ねてきたと
「うちの嫁に 身体壊されちゃ 俺らが困るわい」
「な~におっかさまこそ 長生きして貰わねば 俺らが困るでナ~」
そんな二人の やりとり聞いていてナ 坊様にっこりして
「もう薬はいらんようじゃな」そう言って 懐から紙包みを 取り出すとナ
庭先の 菜っ葉の根本に パラパラと 蒔いたと
したれば コッコッコッコケ~ッココッ その白い粉めっけで鶏がナ
足でけっちらかしたり かっちらかしながらその薬を 食ってんだと
アレアレ なんてこた~ねぇ その白い粉は何処の家にもある
うどん粉だったとサ
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どうでしたか?
人を変えようと思ったら、先ずは己が変わらなければ
人は変わってくれませんね
嘘でも良いんです
相手に尽くしていると見せれば相手だってその人を可愛いと思ってくれるんです
自分の小さい子供だってそうでしょう
パパの顔を見るたびに泣いてばかりで懐かなければ可愛いと言う心は消えてきます
それどころか憎くさえ思うようになってくるものです
ところがパパの顔を見るたびににこやかな顔をして愛嬌振りまけば自ずと可愛いくなりますよね
可愛くなってくれば
何をしてやろう、かにをしてやろうとなるのが人なのです
自分自身を成長させるには
自分に同調する人ばかりでは駄目なんですって
自分が嫌いな人が自分を成長させてくれる1番の人なんですってさ
昔話を始めた頃は
子供だましの他愛もない話かと思っていましたら
とんでもなくて、その奥の深さに改めて今教えられています
台風で予定がキャンセルになりましたから
温泉に行って一人湯につかってぼんやりしていると
そう言ういろいろな考えが頭の中を駆け巡ります