むかしむかしナ、あるところにじいさまがおったと
じいさまがは、山仕事しながらナ、
まきを町へ持っていっちゃ銭っこに変えてナ、
その日その日を暮らしておったと、
明日正月様だちゅうときにナ、正月の用意もせねばなんね
町でまきうりあるったんだが、だ~れも買ってくんねかった
とぼとぼ、とぼとぼと、帰る途中でナ、橋の上から
、
「家さ持ってけえんのもほねだわい!」 っつて
まきをザンブと川ん中へうっちゃっちまったと
さて、帰るべとしたらナ、「じいさま待って!」
「ン?」 振り向いたら川ん中にきれいな女の人がたってんだよ
なんと、竜宮の乙姫様であったと、
「じいさままきをありがとう、なにか、お礼をしたいのですが
欲しい物はありますか」 じいさまはナ、「おら~ハア年だ~、
なんも欲しいもんなんぞねー、その日のマンマが食えればええ、
だけどおら~一人でマンマ食うのがつまんなくてしゃんね、
せめてなぁー、子供の一人もおったらナ~、」
「じいさまそりゃ簡単だがナ、」
乙姫様が、袖を振ると、じいさまの手に男っ子が抱かさってんだと
その男の子、ズルッと青っ鼻たらした子であったと
「じいさま、これだけは守っておくれ、その子に日に三度
なますを食わしてやっとくれ、そうすればその子はじいさまの願いを
叶えてくれるであろう、必ず守っておくれよ、」
じいさまはナ、家に帰ると帰ると早速その子にまなすを食わたんだと
そして、「夕飯のマンマ出してくれや!」
すぐ目の前に夕飯がでんだと、 それからじいさまナ、
酒を少し、夕飯を少し、少し少しって言いながらたのんでおったと
そのたんびそのこがナ、青っ鼻をズルッとすすると
じいさまの頼んだもんがでてくんだと、
ところがじいさまナ、「床の間の置物が欲しいな、戸障子がガタピシャするナ
新しい家が欲しいナ、」
そう言ってナ、その子にまなすを食わしちゃ物を出して貰ってたんだと
ある日、じいさまはナ、寄る年波でなますこしゃうのが
面倒くさくなっちゃってナ、
[子ぞうさんよ、子ぞうさんよ、もう、帰って貰いてえな」
じいさまがそうゆうとナ、
その子は、青っ鼻をズルッとすすると、家を出て行ったと、
そして、その子が向こうの角を曲がった途端
じいさまの廻りがグルングルン回って
ハッと気がついたらじいさまはナ
山ん中の木こり小屋にポツンとかっちやゃがんでたとサ
お し ま い
昔の人というのは、実にユーモラスなことを考えるもんだ
ギィクシャクしている今
そういうユーモラスなことを考えて
余裕を持って 生きて行けたら
なんぼほど 幸せだろうか???
ホームレスの人を襲ってお金を巻き上げ
挙げ句の果てに 殺してしまう。
なんと残酷なことであろうか、
弱い人は助けてやる、
やるんだら(やれとはいわないが??)
自分よりも強そうな人に向かっていくぐらいの
気迫は欲しい物だね
ひとむかしまえの ヒーロー 『少年ジェット』は
弱きを助け、強きをくじく
正義の味方 少年ジェットだったように記憶してます
kanya-suzu