可視化されない冤罪事件の取調の実態の数々 | 福岡の弁護士|菅藤浩三のブログ

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 2013/7/31日弁連会館で開催された市民集会「取調がアブナイ!~可視化して防げ、罪なき人の罪~」の模様が日弁連新聞2013年9月号に掲載されていた。
 複数の冤罪被害者による取調の実態の数々が元被告人の実名を伴ってまとめて紹介されたケースは見かけたことが無いので、ここでまとめて当該事件とあわせて紹介しておきます。

★上田里美さんは2013/9/24放映されたNHKクローズアップ現代「可視化はどうあるべきか~取り調べ改革の課題 」にも出ていましたね。彼女のものではないですが、実際の取調の画像もチラリと流れました。逆に取調動画を有罪の証拠に使う動きも出ているとか。ただ取調は異常な空間ですから対等のやり取りを想定した議論は慎重であるべき。

1、北九州爪ケア事件~元被告人 上田里美さん
 http://blog.goo.ne.jp/jp280/e/320f11d6d2c8a34462b155c24662946a
『起訴されたころには、幾らでもサインに応じるから刑事さんが好きなように調書を書けばよい、と自暴自棄になっていた。しかし、自分で喋るようにと言われ、面接試験にこたえるような感じで、刑事さんの求める答えを考えながら、取り調べを受けていた』
・・・典型的な迎合型の自白ですね

2、(富山県)氷見事件~元被告人 柳原浩さん
 http://blogs.yahoo.co.jp/lera/55952425.html
『警察官から見たことも無い被害者宅への道案内をさせられた。その際、どこまでまっすぐ行けばよいのかなど暗に曲がることを示唆されながら連れて行かれた。(現場を見る前の素の状態でなく)現場を見せられたその直後に現場見取り図を作成するよう指示された』
・・・典型的な誘導型の自白ですね

3、(鹿児島県)志布志事件~元被告人 川畑幸夫さん
 http://jikenshi.web.fc2.com/newpage682.htm
『家族からのメッセージに見立てた紙を踏みつける踏み字を強要された。』・・・典型的な精神的に追い詰める型の自白ですね

4、(栃木県)足利事件~元被告人 菅家利和さん
http://jikenshi.web.fc2.com/newpage155.htm
『取り調べる机の下で足を蹴られた。録画するなら全身を録画すべき』・・・典型的な肉体的に追い詰める型の自白ですね

 取調の全過程録画に関しては、私も日弁連と全く同意見なのだ。
ないな可視化しかないな
(回文、大阪弁護士会発)。
http://www.nichibenren.or.jp/activity/criminal/recordings.html
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