福岡の弁護士|菅藤浩三のブログ

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 今井功(元裁判官)・古田佑紀(元検察官)・宮川光治(弁護士)・塚原朋一(元調査官)4名による寄稿が2013年6月号自由と正義に掲載された。

 市井弁護士を長年やっていると、最高裁まで到達する事件を何件か経験することになる。
 既にいろんな本で知られている情報も多いが、特に今井氏の寄稿はレジュメチックな内容で、改めてネットで簡単にアクセスできる状態を作っておく価値はあるのではないかと思い、とりまとめてみた。

第1、自分は5年間の在任期間に実質9000件に関与した。土日抜きで1日にならしても、毎日5件を休まず決着させていたことになる。調査官の経験をしている身でもまあ激務であった。

第2、最高裁の本来の使命は憲法判断(上告=民訴法312条1項・刑訴法405条1項。そのほか、特別抗告=民訴法336条・刑訴法433条)と、法令解釈の統一(上告受理=民訴法318条、許可抗告=民訴法337条、判例違反=刑訴法405条2号3号)である。
 具体的事件の適正迅速な解決は前記使命の過程で果たす。

第3、憲法判断や法令解釈の統一に形を借りながら、実質的には原判決の事実認定の誤りを不服とするケースが多い。
 事実認定の誤りは、それが重要な経験則に違反する場合には法令解釈の誤りとして原判決破棄の理由となったり(民訴法325条)、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するときは原判決の破棄につながる(刑訴法411条3号)けれども、原判決の事実認定に最高裁がどこまで踏み込むかはたいへん悩ましい
 
 なるほど、前記の最高裁の本来の使命との関連が薄いと、よほどのことが無い限り、原判決の事実認定を尊重すると割り切る立場もある。
 しかし、具体的事件の適正な解決を求めて「まだ最高裁がある」という叫びを無視することはできない。
 そのため自分はどうしても納得できない事実認定に介入していた。

第4、最高裁は下級審と異なり、裁判官が個別意見を付すことができる(裁判所法11条)。個別意見には、多数派の意見を補足する補足意見・多数派と結論は同じだが理由は違うんだぞという意見・多数派と結論を異にする反対意見がある。

 特に補足意見は、多数派の書いた判決本体の理由が過不足なく書かれている場合には書くまでのこともないのだが、判決本体の理由では言い尽くせない所や、多数派の考えをかみ砕いて説明したり、また、反対意見を採らない理由をさらに説明するために書いたりしていた。

第5、上告受理申立不受理決定について、誤解がまま見受けられる。
1、最高裁は、原判決の当否について何ら検討もしないまま、不受理としているようなことはない。ちゃんと原判決も記録も読んでます。
2、不受理決定が出ても、最高裁が原判決と同様の判断をしたというわけではない。最高裁は原判決の当否についての検討はしてはいるけれども、破棄する形式的理由がないというだけであって、原判決の当否についての判断を示しているわけではない。

第6、古田佑紀氏の寄稿の中で私の印象に残った箇所
 1、最高裁では、どうも背景事情がよくわからないとかより知りたいと思う場面があっても積極的に調べるわけにはいかない。だから、勢い何かしらの引っ掛かりを感じながらも、その点はえいやっと無視して判断している。
  引っ掛かりの箇所を推測で補充して判断したくなる誘惑に駆られることも時々あるが、主張や証拠が無ければかるがるしくその誘惑にのることはできない。
 
 2、一般性が強く特定の当事者を超えて広く影響する事柄が関係する場合、当事者の訴訟技術の巧拙に影響を受けて、法律論を展開することにはためらいを感じる。
  例えば、当事者が現に主張していない法律解釈を裁判官の裁量だからと採用して結論を出すことは慎重になる。
  この場合、何らの理由を示さずに上告でとりあげずに終局させるか、何らかの判断を示すとしても個別の事例判断にとどめようという方向におのずと気持ちが働く。

 3、特に、世の中が変化する速度がますます速くなっており、過去には考えられなかったようないろいろな活動や事態が頻繁に起こる時代になっているため、一般性が強くいわゆる射程距離が長かったり射程範囲が広かったりする判断を示すことがだんだん難しくなっており、それは事例判断が多くなっている時勢に影響している。


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