日弁連が奨学金返済問題ホットラインをやる違和感 | 福岡の弁護士|菅藤浩三のブログ

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 2013年に入り、日弁連は、奨学金の返済問題に関する電話相談、全国一斉奨学金返済問題ホットラインを初めて実施した。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130130-00000306-bengocom-life

 経済的困窮者に対する110番は、これまで生活保護だったり派遣切りだったり繰り返されてきたので、動機は「経済的に困っている人を助けたい」という点で共通しているのだろう。

 だが待てよ´・ω´・日弁連って奨学金を半ば必要不可欠とするLS制度を絶賛してるよな!? http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51888267.html

 奨学金返済問題を救済しようとする者が、奨学金を必要不可欠とするLS制度の定着にやっきになる、これって明らかに自己矛盾はらんでませんhatena  
 「裁判長!証人の発言には明らかな自己矛盾があります、とうてい信用できません!」裁判を生業にする職種なのに、こんなツッコミ受けるぞ。


 それはそうと、せっかく行われたホットラインの第1、実施結果の概略を眺めてみよう。
 http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/committee/list/data/scholarship_hotline.pdf
 対応する弁護士数281名に対して相談件数453件。
 相談者の属性のうち借りた本人が32・8%、連帯保証人が28・5%を占めてました。
 なのに相談結果を見ると「(電話のみで)終了 303件」て、一体どういうことなんでしょう?
 気晴らしで電話をかけてみた途端相談者の3分の2近くも奨学金が返済できるようになって継続相談の必要が無くなったということん?

 あと、相談内容を見ると、LS生にも当てはまりそうなものが複数。
「大学院博士課程に在学。650万円の無利子奨学金がある。就職先がなく返済の見込がない」
「学校卒業後の就職先が決まっておらず、このままだと返済できそうにないが、猶予制度を教えてほしい」
「就職が決まったばかりで返済できるか不安
「毎月の返済額を減額してもらっているが、非正規職員のため、毎月の返済が苦しい」
「収入が減ったので毎月の返済額を少なくしたい

 第2ホットラインを実施するなら、ぜひ「全国一斉 放火炎大学院在学・卒業生、奨学金問題ホットライン」をやっちゃってください。現役の新人弁護士までたくさん電話をかけたりして
(_´Д`)

 こんなんブラックジョークでもなんでもないよ、日弁連は自分のウェブサイトに紹介したパンフレットの初っ端で奨学金の利用を推奨してるんだから、そりゃLSに奨学金負担者がいっぱいいるのはご存知でしょキャンドル
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/houkadaigakuinseishienseido.pdf
 
 パンフレット6頁でLS奨学金貸与者のうち、奨学金免除率が3割(うち半額が2割、全額が1割)を切っているんだから、残りの7割(もしくは9割)は、奨学金の多額債務負担者になってるんだからねえ。
 それとパンフレット7・9・31頁の利用体験談、全体の3割しかいない免除対象者ばかりじゃなくて、全体の7割を占める非免除者を載せようとしないのが何か狡いですよ。
 せっかく第1回ホットライン実施したんだから、LS生で奨学金非免除者で不合格者の意見とかあがってたら、ぜひ載せるのが公平でしょ。
 
 最後にパンフレット30頁のQ2、不合格者が奨学金返済リスクを抱えた場合の救済措置について、抽象的な制度の説明に終始し、具体的にどのくらいの割合で救済措置が適用されているか、触れていないのもQ&Aのをなしていないですねえ (-゛-)

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