生実線の美化鉄塔を見ていると、海沿いの工業地帯付近にも面白い形の鉄塔があったので、立ち寄ってみました。
国道357号線の千葉火力発電所入口付近にあるこちらの鉄塔。
蘇我線No.2鉄塔です。

▲蘇我線No.2(1999/9,53m)
生実線と似た美化鉄塔ですが、偏心の腕金で、また個性的な姿になっています。

▲美化鉄塔で強い偏心腕金だ
架空地線の腕金まで揃っていて、面白いですね。
短い方の腕金は、長い方の鋼材とボルト接合部までは同じ部材でできているようです。

▲架空地線のアームも揃っている
この鉄塔は訓練センター内に建っていました。
変電所のような訓練設備が並んでいます。
研修生らは、蘇我線No.2も珍しい鉄塔の事例として見ているのでしょうか。
そのお隣、蘇我線No.3も面白い鉄塔なので寄ってみました。
こちらは4回線のドナウ鉄塔でそこも珍しいのですが、配列が上下逆になっています。
逆ドナウですね。

▲千葉中央線と近接する、逆ドナウの4回線
一般的には下に向かうにつれて鉄塔のシルエットが裾広がりになることが多いかと思います。
物理的に、上の方に部材が多くなると、重心を上げてしまうため、そうしていないのだと思います。
ドナウ鉄塔をイメージすると、上に1条、下に2条の支持の姿が一般的でしょう。
ところがこちらの鉄塔は、どういうわけか上下段の配列が逆になっています。

▲蘇我線No.3(プレート未確認)
ドナウの理由は千葉中央線/塩田線に近接しているためとみられます。
別に線下に潜る訳でも無いのですが、水平距離としては近いため、蘇我線の鉄塔自体に高さがあって両者が横並びになってしまった場合、塩田線と蘇我線で近接して離隔上問題となってしまうのでしょう。
このため、真下に潜るわけでもないものの、ドナウ配列にして塔高を抑えているのだと思いますが、どうでしょうか。
下の写真で見ると、それほど近くもないのかな、とも思ってしまいますが。

▲続く蘇我線No.4以降は一般的な外観だ
そういえば、大柄な鉄塔を「巨大ロボットみたいだね」とロボット好きな友人と話した記憶があります。
このダブルドナウはどうでしょうか。
個人的に、一番ロボット感があるのが、逆ダブルドナウのこの鉄塔かもな、と思います。
上側の腕金の張り出しが大きいため、まるで肩に見えませんか?
そして下段も腰回りの膨らみを表現していると思うと、くびれもあります。
まるでロボットとはこの形かな、と思います。

▲まるでロボットにも見えるダブルドナウ
片寄った美化鉄塔に、ロボットのような逆ダブルドナウ。
賑やかな湾岸工業地帯を彩る、蘇我線2基。
今日も潮風にめげずに頑張っています。


