#709 【一塔両断】 NTT東日本 所沢並木ビル | 関東土木保安協会

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関東土木保安協会です。
西友の小手指店跡に行った後に、NTT東日本の所沢並木ビルに立ち寄ってきました。
久々の電話局の記事になりますね。


埼玉県は所沢市。
航空発祥の地であるここには、航空公園があります。
航空公園は所沢飛行場の跡地に整備された公園です。
公園一帯の跡地は官庁街になっており、警察署や郵便局が並んでいます。
そんな一角に大きな鉄塔を載せているビルがあります。
NTT東日本所沢並木ビルになります。


所沢並木ビルも、航空写真を追うと70年代にできたビルのようです。
チャコール系の色合いで、スクエアな形状が当時の電電公社らしさを表すようです。
無機質が壁面が並ぶ物々しい電話局ではなく、公園などがある周囲に溶け込むような外観で素敵です。
遠目で古さを感じさせません。


鉄塔は昼間障害標識の紅白仕様。よく目立ちます。
プラットフォームは円形4段で、主材は鋼管です。
電電公社名称でパイプトラス型鉄塔というやつですね。


昔はアンテナが山のように積まれていたであろう鉄塔。
今は携帯電話の基地局だけが設置されているのは他所の事情と同じです。
ただ、開けた場所に厳格な雰囲気の建物と巨大な鉄塔とが構える姿は、往年の電電公社の威厳を知らしめるようで、それだけでただただ、美しいです。


さて、所沢並木ビルは元々営業窓口でもあったのでしょう。
同じ意匠の低層棟が隣接してありました。
ここが、所沢市役所をテナントとして貸出されています。


所沢並木ビルの看板です。
可愛らしいところんのイラストが描かれています。
この看板、元々はNTTのダイナミックループが書いてあったことでしょう。
そしてその昔は電電公舎のTTマークがあったのでしょうか。
よく他のビルでもこの形の看板を見かけます。
ダイナミックループに代わって描かれたゆるキャラ。
時の流れを感じます。


凛々しく立ち並ぶ官庁街の一角の、電電公社の遺産。
経年を感じさせるも、威厳がありつつ、古くさくなく格好良いその姿。
だいぶ軽くなった鉄塔と、優しいキャラクターの看板なども相まって、まるで若々しい団塊の世代のセカンドライフのようです。
その中には、大事な通信機械が収められていることでしょう。
姿を少しずつ変え今も残る、電電公舎の設備達。
きっと団塊ジュニアには譲らず、まだまだ頑張ってくれる事でしょう。