#440 【マニアな一基】配電線鉄塔の雷電橋 | 関東土木保安協会

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関東土木保安協会です。

栃木県栃木市と壬生町。県央を流れる思川がその市町境目となっています。
この川に雷電橋という橋が架かっています。


雷電橋は1969年竣工です。
この橋は半世紀前の橋がゆえに配電線路を橋の下に収容できないらしく、配電線が架空で、しかも鉄塔で橋のすぐとなりを渡河しています。


上写真がそれです。
電柱の配電線路が鉄塔化によりロングスパンで飛ばせるようになっています。
前に長野は上田市でもこんなのを見ました。
あちらはドナウ型だったですが。

下写真が配電線側の拡大です。
こちらだけ見ると変ではないのですが、3相2回線装柱を独立した1回線装柱で並列に変える辺り、いかにも渡河します、といった感じでしょうか。
ごく一般な現在の橋ですと、この辺りかもっと橋寄りで地中からの立ち上り線へ繋がりますよね。


こちらは鉄塔です。
高さは25m程度はあるでしょうか。
結構立派な鉄塔です。

現在建てられる橋であれば、橋桁側に配管が埋め込めるようになっており、橋の下に配電線や電話線を敷設できるようになっているのですが、そうではないためこのような取り回しなのだと思われます。


こちらが鉄塔上部の拡大です。
GWは無しですね。
ダンパー付きとか何背伸び感ありますが、渡河でロングスパンな以上は振れ止めする必要があるのでしょう。
碍子は3個、ここいらは22kVの送電線のイメージですかね。


こちらは足元。
ブライヒ結構によりシュッと凛々しく立っています。
結界内もしっかり農業してます。
「あぶない」のオウム君看板もしっかりと掲げてます。
基本的には、送電線の鉄塔と装備などは変わらないように見えます。


こちらが鉄塔右下足元に掲げられたプレートです。
こんなところも通常の送電線と同じですが、プレート自体は配電線用のものを流用していました。
また、配電線の振り方なので素直に「鹿島線5号」ではなく「鹿島の5号柱」と思われ、線路名、高さや竣工年は未記載です。
それにしても今後希少価値が上がるのみの旧CIは泣かせてくれます。。


こちらが対岸の鉄塔です。
橋の長さが300m弱なので、塔間スパンでは350m程度でしょうか。
あちらでは配電線は回線毎に左右2つに振り分けられ、各方面へ給電されています。


橋の建て替えなどあれば無くなってしまうであろうこのスポット、いつも当たり前に見ているうちに記録と思ってやって来た次第です。

では、次の記事で橋の方も少しだけ紹介しましょう。