#410 マイナーコンビニ さいたま市 マイショップ | 関東土木保安協会

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Kanto Civil Engineering Safety Inspection Association

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関東土木保安協会です。
 
少し前、テレビの情報番組で「学校にゴキブリが出たら、逃がすか退治するか」という旨の議論を出演者らが逃がす派と退治派に分かれ議論しておりました。
逃がす派の主張は「命の大切さを教えなければならない」「ゴキブリとはいえ生きている」というような主旨の主張をしており、対して退治派は「命とはいえ不衛生だ」「バイ菌が移ってしまう」などという主張をしていました。
面白い企画だなと思って見ておりましたが、そもそも建築物衛生法、建築物衛生管理基準では、ゴキブリは防除対象の昆虫の一つとされています。
ですので、見方によればこの2論の闘いは、生物への道徳心と、法的根拠に基づく対処との対決です。
法令順守の下、淡々と処理をするか、愛護精神による保護を行うか。あなたはどちらでしょう。
私個人は、法の下淡々と処理する派ですが。

法の話ついでで、最近いろいろと知る度に法の整備とはとてつもないものだ、と感じます。
土木の世界は、石1つからボルト1本まで、元を辿れば全て法律で定められているではないですか。
土木ではないですが、脱法行為なども話題になるときもありますが、あれだけの枠組みとその詳細をまとめようものなら、作るのも直すのも簡単にはできません。
古い法律のまま現代まで引き継がれているものも納得できます。
勿論、時代に合わせた改正は必要なのですが。 
 


さてさて、今回は土木ではないですが、商業施設の遺産ネタを。
 
埼玉県はさいたま市。片側3車線の大きな国道16号を逸れ、長閑な道に入ると、マイナーなコンビニの看板が現れました。
マイショップというようです。
 
▲初めて見る看板に思わず視線を奪われる

あまり見ないデザインですが、調べてみると全国にあったチェーンらしく、埼玉県にも全国からすると多めに残存しているようです。
他には桶川にも2店舗ほど残っているようです(2017年12月現在)。
 
▲マイショップ「すみよし」外観

思わず車を停め、ふらりと立ち寄ってみました。
オーナーさん曰く、マイショップの本社は京都にあり、今から十数年前まではそのフランチャイズとして営業していましたが、倒産に伴い今はそのままのに営業しているとのことです。
母体がなければ看板はそのままでも問題ないですし、何せその呼び名で呼んでくれていたお客さんがいれば面倒をかけてしまいますものね。
 
▲マイショップ「すみよし」の入口上の看板

いいですね、このオンリーワン感。
マイショップの主戦略は存じませんが、このような大手でないコンビニチェーンでは、店名を見る限り元々は酒屋の個人商店がフランチャイズチェーンに属しているお店が多数みられました。
セブンイレブン、ローソン等の大手のコンビニチェーンもあり、そこに属す店もあるのですが、やはりフランチャイズに属すとなると縛りがあるのでしょう。
縛りが緩ければ、24時間営業ではなく既存店舗のままの営業時間で、現在の暖簾と商品ラインナップを少し変えるだけでチェーン網に属す事ができるマイナーなフランチャイズは魅力的だったのだと考えられます。
このようなチェーンでは、飲料、酒、弁当、パン、日用雑貨等などをメインに販売しているのをよく見かけましたが、フランチャイズの方針や元々の商店の暖簾で、精肉鮮魚などの生鮮食品を置いている場合もありました。
まだまだ日々の消費活動において大規模な移動が少なかった時代、いつものお店として地域に根づいていたことでしょう。

▲クリーニング窓口も併設しているスタイル

時代は平成。本格的な人口減がこれから始まる中、共働き、郊外大規模SC/SMの競争、インターネットの普及など、戦後日本が歩んできた消費購買活動は大きく変革を強いられました。
結果として、弱小少数派のみならず、かつてはあり得ないとされた大きな暖簾までも、高付加価値と結果を伴わなければ、吸収合併を余儀なくされています。
コンビニ界でも、AM/PMやCOCOストア、そしてサークルKサンクスまでもがファミマに吸い込まれ、今まで以上の3強時代へ進んでいます。
メジャーなところではセイコーマートとポプラ、デイリーヤマザキくらいしか残っていません。
 
コンビニの店内を見れば、日本の経済がわかると聞いたことがあります。
確かに、商品やサービスなど、流行や技術の最先端に触れることができますね。
一方で、なくなっていくコンビニの店舗に目を向けると、こちらからも国内経済が歩んできた歴史がわかるのではないでしょうか。
古きを知り新しきを知る、などと言われますが、このようなマイナーコンビニが存在した痕跡は貴重で、様々なことを考えさせてくれます。
 

先日も某所にてマイナーなローカルコンビニチェーンの現在を追おうとしましたが、店舗はあるものの看板は撤去されていました。
経年による劣化もあるため、改装などすればすぐに鉄橋対象となるのは避けられません。
このすみよしさんなどは状態もよく、貴重ですね。

それでは、今はなきコンビニチェーンの看板がこれからも1つでも多く残ることを願って、菓子パンとコーヒーでも買いますか。
まいどありっ。