#181 【一塔両断】ホワイトロケット・NHK平野原送信所 | 関東土木保安協会

関東土木保安協会

Kanto Civil Engineering Safety Inspection Association

~ 土木の迫力 機械の技術 礎となった名も無き戦士達の魂 ~
関東土木保安協会は、鉄とコンクリートの美学と保全活動を追求します。


協会管轄のタワー・電波塔部を分割し独立した新組織としました。
電波目的で建設されたなら電波塔扱い、展望台が主であればタワーとします。独断と偏見ですが、検索しやすいように変えてみました。


さて、部の独立後初の記事となる電波塔取材ネタですが、今回は見た目も美しいNHK平野原送信所をご案内いたします。


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こちらも新幹線の車窓からみえる物件です。
その外観はロケットの様です。と思ったらマニアにもロケットと多数紹介されています。いや、これは確かにロケットです。

この古臭いような、けれども先鋭的なデザインは1971年竣工の時代背景でしょうか。かれこれ40年経過しているとは思えません。ここいら辺り、電電公社の仏向石崎辺りと似たセンスを感じます。好きですね、こういうの。
うーん、工事中なのが残念であります。

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▲タワーは8角形の主塔を足が支えるタイプである


白色の航空障害灯なので、昼間障害標識の紅白塗装は不要なのですが、まるでロケットを意識したかのように赤の帯が入ります。センスがいいです。


珍しい鉄塔です。恐らくは鋼板を八角形に組み上げて積んでいったのでしょうが、何度も言いますが仏向のようです。現代の風力発電なんかもそうですが、下である程度長いスパンの筒になるように組み上げて、それから積み上げていったのでしょう。


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▲残念ながら足元が修繕中であった

塗装がきれいなのは、恐らくこの工事のせいでしょうか。別に補強ってわけではなく、単なる再塗装工事の様ですので、また完了後に取材に伺いたいと思います。
よく眺めていると、発射前のロケットのようにも見えなくもない・・・いやこれはこれでいいのかもしれないですねぇ。


拡大すると、写真では銀色に光るレールがあります。これは送電鉄塔で言うエスコートレールでしょうか。写真上部の架台が最高層の作業スペースですのでここからアンテナ類を上げるのでしょうね。

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▲塔中央部拡大

ユーザーはNHKのFMとテレビ埼玉です。
地デジの放送もここから行っています。



▲送信所建屋

河川敷ですが、特に水防板的なものは見られませんでしたが、どのような対策をとっているのでしょうか。と思ったら、入口に全て階段がありました。近くの新開(後述)送信所も中二階なので、おそらく水没を想定したフロア高なのでしょう。
発電機がどちらかは確認忘れなんですが、一階だとしても、まあ水没の際にはそんなこと言っていられない、っていう話ですかね。。


で、送信所系はどこも決まって昭和の40~50年代の竣工なんですが、看板を直していないところが結構ありまして。
ここ平野原はNHKは新しい看板になっていましたが、テレ玉の方は例に漏れず赤錆仕様です。

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▲読みたくても読めないのが赤錆仕様

まあ何とか読めるのでいいですが、「どうかこの施設を大切にお守りください~」の旨が書いてある割には、と思ってしまいます。たかが看板一つ、地デジ化でだいぶ出費があった地方局には言いにくいですが。。。


ここの近くにはもう一つ、予備の送信所として新開送信所があります。こちらは設備的には菖蒲久喜送信所
のバックアップ施設です。おまけで紹介しておきます。
味気ない普通のラジオ電波塔ですが、2つの異なる塔が織りなす景色は、またいいですねぇ。
なお、こちらはAM、平野原はFMのため、アンテナや周囲の敷地が全然違うのにお気づきでしょうか。

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▲手前に新開、奥に平野原を望む


あと1年前なら、40周年記念としてお祝いできたのに、と少し残念です(笑)
でも、こういう単なる塔でない、シンボリックな塔は土木の存在としても大切だと思います。


河川敷ということもあり、小学生達が自転車で遊びまわっていましたが、「あっちが近道だよ。」「よし行ってみよう」なんていう声が聞こえました。
そうそう、小さい頃ってのは自転車でちょっと遠出するだけで新しい発見があって面白がっていた記憶があります。なんでも物珍しく見えたあの時代、懐かしいな~と感慨に浸ってしまいます。

まあ、土木マニアの方ってのは皆そうでしょうが、対象がほとんどオンリーワンの設備達だけに、見るたびに新しい発見があるんです。で、結構極秘な部分なあるから自己調査をして苦労してその情報を調べる、それが面白くてマニアのサイクルに浸かってしまう方が結構いると思います。


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▲謎の塔と思われているのかな、と子供達を見守る鉄塔なのでした


子供が無邪気に初めて見る物を見て面白い!と思う純粋な好奇心、これを大切にして取材をしていきたいですよね。
土木の真髄、本日もここ埼玉が誇る永遠のロケットに見させてもらいました。




ここまで感じられての、受信料なんですかね、N○Kさん?(笑)