北戸田にキターーーーァァァ、トダーーーーァァァ
ということで、北戸田にやってきました。
何故かと言いますと、東北上越新幹線の車窓を見ていると、上野～大宮間の西側に、見慣れぬ鉄塔と通信施設が見えるからなのです。気になって仕方ないのでやって来ました。
こいつがそれです。東北上越新幹線高架橋脇にあるでっかいビルですね。
▲大型の鉄塔とビル。扉などにポップな配色がみられるのが特徴
はて、珍しく事前調査なしで突っ込んでいったため、どこの保有施設か全く分かりませんでした。
いや、徹底しているくらいに社名がないんです、この施設は。
各部を見ていきましょう。
まずは鉄塔です。
円形の架台が特徴的です。質実剛健な鋼管・Ｋトラス、建物からしても平成の頃にできたような鉄塔なのでしょう。
▲鉄塔。シンプルだが3段目の飛び出た架台が特徴的
ぱっと見、まずＮＴＴ系のものではないですと言い切れるでしょう。
もうひとつ言いきれるのが警備の厳重さです。正直、電電公社の流れをくむＮＴＴの通信ビルでは、こういう厳重な警備体制は敷きません。例えばこういう何台も乱立する監視カメラなどは。
▲ここだけでも3台のカメラがある。もう片方にはさらに複数台が設置されている
まあ、ＣＷＣを買収したコミュニケーションズのビルなどにはこれくらいのものもないことはないでしょうが、基本的にＫＤＤI系とＳＢＭ系などですよ、こういう厳重なものは。
凄いのは、外周にも赤外線式のセンサが確認できたことです。そこらの変な変電所よりよっぽど高規格な警備です。
受電系も2系統化されていて、しっかり対策されています。エンジンは一番上の写真を見る限り、屋上に低騒音型のガスタービンでも置いてあるのでしょう。
▲受電はもちろん2系統受電。電柱間にあるＬ字鋼の梁が御愛嬌
さて、これだけの武装で、扉などにみられるポップなカラーリングと言うのは、どんな会社なのでしょうか。
こちらの増築棟らしき建物にも、建物間のおびただしいケーブルが確認できます。間違いなく通信施設です。
みると、定礎がありました。2000年11月とあります。
▲単色使いの電電公社・ＫＤＤ系と比べると、別事業者だという感じが強い
建物の前には見慣れぬロゴのマンホールがあります。なんだか懐かしい・・・Ｄのマーク・・・デジタルホンですよ、これは。
ここでデジタルホンについて穿ってみましょう（私もよく知らないですが）。
デジタルホンってのは、現ソフトバンクモバイルなのです。旧国鉄系の流れをくむ会社で、鉄道のネットワークで用いられていた線路脇の通信線路を利用した会社として設立されました。で、電電公社民営化に伴ってＪＲも通信会社をやりだすって話です。
ここいらは、旧道路公団が高速沿いに通信線路を張っていてＩＤＯに肩入れしている感じと似ています。
その後紆余曲折があり、設立当時の鉄道通信株式会社から、日本テレコムへ、さらに懐かしのボーダフォンを経てソフトバンクと変化していきます。ベッカムのＣＭとか、懐かしいですねぇ。
上記のデジタルフォンは、日本テレコム時代に無線通信を行っていた会社名です。
ＮＴＴでいうドコモの通信ビルなんですね、ここは。
で、おさらいも程々に、ここで立地を考えてみると、新幹線の高架脇です。そう、そういうことなんですね。
新幹線網を主要通信線路として構築していた鉄道通信の流れをくむわけですから、新幹線高架脇に立地していたのは、同社なりの理由があったのです。
上記歴史から、この施設は本棟がデジタルホン設立後の91年から2000年までの間に建設され、その後増築棟が2000年11月にできるという流れの様です。
写メールの大ヒットを見越したような時期に増築棟ができている訳です。
ということで、後ほど調べた結果、ここはソフトバンク北戸田センターという場所らしいです。（グーグルマップ曰く）
さらに調べると、東京デジタルホン中央ネットワークセンターという場所だった模様で、元気にマイクロ波アンテナが設置されている往年の姿があります。今でこそスッカラカンな鉄塔ですが、数年前までは長距離ネットワークにマイクロ波を用いていた模様です。
社長のやりくちといい好きな企業ではないことは確かなんですが、ビルは案外気に入りました。
あ、そうそう、言ってはいけないですが憎さ余って言いますよ。
プランの安さが現場の品質にも表れているなんて言うと猛毒吐きまくりですが、重要ビルの作業中は通用口を開放なんてしていてはいけませんよ、ＳＢ○さん（苦苦）。。。。。