#167 西群馬開閉所 | 関東土木保安協会

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中之条ダムから見えた、西群馬開閉所に行ってみました。


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▲西群馬開閉所へ引き込まれる超高圧線


畑の中にある、素晴らしい立地です。
開けているのに超高圧電線路が低く迫ります。このアンバランスな圧迫感がたまりません!


最初の写真で、山側から2線路やってくるのが新潟原発系の新新潟幹線と南新潟幹線です。
山賊といいますか、何と言いましょうか・・・
原発系の超高圧送電線は2線路が並んで建っている事が多く、迫力があっていいですね。


山側の、少し右から来るのが南いわき幹線で、はるばる福島からやってきます。
以前は新今市開閉所までが同線名、新今市からは北栃木幹線でしたが、
現在はこちらの線路名に統一されているようです。


下写真は似ている2線路ですが、両者が100万V・UHV規格の
南新潟幹線と南いわき幹線です。
平均100m超の大型鉄塔が険しい山々を乗り越えて行きます。


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▲超超高圧送電線網


最初の写真左方向・西に抜けるのが西群馬幹線です。
こちらの西群馬幹線もUHVだとは何度も言っていますが、
上で述べた2線同様まだその電圧では運用していません。
なので、起点のこの開閉所では面白い光景が見れます。


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▲電線の導体数が異なる


写真左側が開閉所側、右側が線路側です。電線の導体数、碍子の連結個数が違うのがわかります。

中間の線路はある意味替えが利かないですから、計画通りの規格で竣工させ、末端は実運用に即した形態にしているようです。100万V運用が開始された時に張り替えるのでしょう。
面白いですね。



南側の畑側に抜けるのが新吾妻線です。


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▲新吾妻線。立ち上り部は1回線ごとに分かれている


この線路は、すぐ南の新榛名変電所に向かいます。
昭和後期によく建てられた、がっちりマッスルボディの超高圧鉄塔です。
あぁ美しい。

そういえば、赤白のマイクロ波用鉄塔はすっからかんです。
光ネットワークが発達するとマイクロが死滅するのは電力会社でも同じです。
ここも10年前くらいならまだまだパラボラアンテナばかりだったでしょう。


開閉所前の最終鉄塔で、片回線毎に分離するため、その前の鉄塔はユーモラスな垂直碍子の角度になっています。
なんだか間抜けに見えます。


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▲新吾妻線の回線分裂前の鉄塔


そんなまだまだ比較的若い吾妻さんですが、ここ西群馬を起点に新設される線路があるため、一部鉄塔を建て替えるようです。
新設される線路は西上武幹線で、中東京幹線の途中区間や安曇幹線の休止区間を建て替えている話題の線路です。
私も計画を現地で初めて知り驚いていますが、何本かが建て替え対象のようです。

下写真のように鉄塔移転予定地がちらほらと。


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▲新吾妻線建替え現場


完成すれば、様々な時代の超高圧線路の鉄塔が揃うスポットになりますね。


構内は間近でも見れますが夏場はそれなりの格好が必要でしょうか。
超高圧の、そして将来はUHV化されるかもしれない設備に対応する広い敷地は、遠くから見ると少し物足りないかもしれません。
それでも巨大な設備群は十分楽しむことができます。


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▲開閉所内部拡大。迫力だ


こういうところ出すと安全管理者に怒られますが、他の施設同様、配電線は予備を考慮し2回線入力です。
田舎のどこの回線を使っているのかは知りませんが、まあ変電所は同一でしょうから、大規模な停電ならすぐに所内の発電設備が始動するでしょう。

意外と面白いですよ、公共設備の入力線を調べるのも。


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▲開閉所用の配電線。重要性から2回線だ


そんなこんなのに西群馬開閉所です。
皆さんも温泉で遠赤外線を浴びた後は
大量の電磁波を浴びに是非お立ち寄りください。


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