関東土木保安協会です。
埼玉県は浦和区。前回載せた新浦和橋の近くに、大きな鉄塔があります。
NTT東日本常盤ビルです。
非常に大きな電話局です。その勇姿を拝みに行ってみましょう。

常盤ビルは日本電信電話公社時代に建てられた巨大な電話局で、1970年代中頃にできたようです。
NTT東日本が所有する電話局では、埼玉県内で一番大きいのではないでしょうか。
今ではすっかり他のマンションなども建ってきましたが、それでもその巨大な鉄塔と下部の建屋は目立つ存在で、建物の役割や重要性をその姿で表しているようです。

▲高層住宅も多くなってきた浦和駅周辺
あまり近くに行っても、巨大なためによく見えなさそうです。
少し離れたところから、ちょうどよく拝めました。

▲NTT常盤ビル遠景
常盤ビルの鉄塔は、プラットホーム5段で、正六角形のパイプラーメン構造です。
斜材が無いすっきりとしたデザインで、建設当時鉄塔にもこだわって設計されたのがうかがえます。
聞いた話では、鉄塔は60m超とのことで、7フロアはあるであろうその建屋の上に建つことで目立っています。
しかも電話局の一階分の階高は一般的なビルよりも高いため、数字以上の高さとなります。

▲鉄塔は6本の主柱からなるパイプラーメン型だ
昔は大型のパラボラアンテナが山のように搭載されていたであろう鉄塔も、今は寂しくドコモの基地局向け小型アンテナを搭載する程度になってしまいました。
お約束のアンテナ衰退の姿です。数年前までは小型のアンテナももう少し載っていました。

▲プラットホームは5段あり大きい
それでも、小さなアンテナはまだ搭載されており、電波塔の役割は終えていないようで、嬉しくなります。
一番最上段には複数が同じ方向を向いて設置された小型アンテナが確認できました。
30年前ならホーンリフレクタアンテナが載ってたことでしょう。

▲プラットホーム最上段にはアンテナが並ぶ
プラットホームから下側の塔体下半分には、基地局用のアンテナや送受信機器が設置されていました。
ここは螺旋階段と鉄骨しかないと思ったら、グレイチングになっているようで、機器が設置できるんですね。

▲塔体下部には基地局のアンテナが多い
建物の直下に来ました。
誇らしく輝くNTTロゴ。ダイナミックループ。
電電公社時代の写真を見てみたいものです。
非常用発電機の排気管が見えます。
大きい電話局にはやはり太い管がついており、発電機の大きさを物語ります。
そして窓がない無機質な姿。
まるで要塞や秘密基地のような雰囲気すらあります。

▲威圧感がある巨大な建屋だ
常盤ビルの入口です。
消されている部分はハイフン埼玉とでも入っていたんでしょうか。

▲表札
こちらは外構にあった近隣住民向けの看板です。
NTT埼玉支店というのが99年に分社してNTT東日本になる前のものと思われ、時代を感じさせます。
NTT埼玉支店のビルだったんですね。

▲NTT分社化前は埼玉支店だったのだろう
建物は非常に大きく、長方形の無駄の無い形状で、側面はブロンズ系の色味で、窓も横一列以外はほとんど無く、電話局らしい無機質な雰囲気です。
横長の建物に横一列のガラスが並んで、ワイド感が強調され、電話局の重々しい雰囲気を増させているようです。

▲電話局らしい無機質なファサード
モノクロ画像にするとよりその精悍さ、均一な表面からなる威厳が増すようで、こういう画もかっこいいですね。

▲モノクロにするとよりその威圧感が増す
建物東側を見てみると、車庫がありました。
お馴染みのNTT東日本の移動無線車や非常用電源車の車両群が並んでいました。
これだけ並んでいるのも珍しいかと思います。
災害時のインフラの維持をなんとしても繋げようとする、そんな社会的使命を担う電話局らしい一角です。こちらもかっこいいですね。
一番右の大型車は、停電時に電話局の非常用発電機が運転しますが、その故障の際に駆けつける非常用電源車で、荷台部分に発電機を搭載しています。
このサイズだと相当大型で、1000kVA以上はありそうです。

▲敷地内車庫の頼もしい緊急車両群
中央の車両は衛星通信移動無線車という車両で、車内にばパラボラアンテナを搭載し、通信経路が途絶された地域や公衆電話を臨時開設したい場所などにおいて、電話回線を衛星経由で確保することができる車両です。
この車はハイエースがベースですが、赤色灯などトヨタのハイメディックに似てるなと思ったら、2022年から導入された救急車ベースの車両とのことです。(文末リンク参照)
昔の同型車といえば、背の高いトラックで後ろからアンテナを出し入れしていた記憶がありますが、運用や免許の制約もあるため、車両更新に際して小型化を図ったとのことです。
機動力や居住性が良さそうですね。

▲万が一に備える、巨大要塞のビークル達だ!
SNSなどで、停電があった時に「普通に使えるのって実は凄い」と話をされたりしているのを目にしますが、停電時も蓄電池や発電機により通信設備が止まることなく動き続いているからこそ、SNSでの情報交換ができるのです。
その通信は、事業者各社が莫大な費用をかけて整備している、こういった特殊建造物の産物です。

▲今日も埼玉を見守る六角形の巨塔
止めてはならないものがある。
沈まぬ船がここにある。
日本電信電話公社こと電電公社。
国営通信事業が築いたその巨体は、半世紀の時を経てもなお変わらぬ存在感を放ち、通信網の縁の下を担ぎ続けています。
〈参考〉















































































































