卒業式の記録、後編。

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コロナ禍の卒業式は
人数制限もある中、
短縮バージョンで行われた。

卒業する子供たちを見ると
小学部の時からずっと見てきた子たちの
大きく成長した姿を見て、
もうそれだけで涙が溢れてきた。

モコも1人で歩き、
先生の少しの介添えで
卒業証書を受け取ることができた。

保護者代表挨拶も無事終了。
何人もの先生方から
感動したとのお言葉を頂き、
感謝の気持ちが伝えられたことに
ホッとした。

式が終わって最後の学年活動では、
ここぞ!の絶妙なタイミングで
行くことが叶った修学旅行の
スライドを放映してくださった。

スライドを見ながらの、
お喋りがまた楽しい。

先生方のお話を聞くと、
異口同音におっしゃってくださるのが、
「モコくんは学校中から
愛されています」という言葉。

特に途中から赴任されてきた先生方が、
モコを連れて歩いていると、
何処に行っても他の先生方がみんな
モコに話しかけてくれるそう。

そんな時にモコは、
みんなから愛されていることを
感じてくださるそうで、
この言葉を大変有り難く、
大切に受け取る。

「誰からも愛される力」は、
絶対この先の人生で、
社会に出た時も必ず必要だから。

だからその力を
自然と待っているモコは、
今日もとびきりの笑顔を
振りまく。




※朝の送迎に来てくださった
事業所さんが撮ってくださった
とびきりの、朝の笑顔。
満開(^^)

※そういえばモコは3年間、
なんと皆勤賞!
毎日ケラケラ愉快に笑い、
楽しそうに元気に通えることは
もうそれだけで、満点だ(^^)



それから実は、
こうしてこの卒業式を
晴れ晴れした笑顔で迎えられたのも
私にとっては的外れな、
大きな誤算だった。

本当はこの卒業式は、
泣き崩れるくらい号泣する予定だった。
3年前の入学式に、そう未来を見てた。

最重度の知的障害のモコは、
小学部高学年の頃から、
施設入所を視野に入れた方が良いと、
あらゆるところから、
そう提案されていて、
もうレッドカーペットを
敷いてくださっているようなくらいの。

多分、在学中に、
モコは施設に入所する。

それは小学部高学年かもしれないし、
中学部の入学と同時かもしれないし、
中学部在学中かもしれない。
それが1つ、また1つとクリアされ、
段々後延ばしになっていった。

私の覚悟が足りないだけのこと。
モコと離れる覚悟が。

そしてその、
次に濃厚なのは、
高等部入学と同時のタイミングだ。

3年前は、
もしかしたら
タイミング的にも
そこが一番理想で、
そうなる可能性が高いと見ていた。

もしそうなるとしたら、
中学部の卒業式は、
泣き崩れるだろう‥‥‥と。

そんな未来を覚悟していたから。

それがここにきて、
思い描いていた未来は
大きく変わりそうだ。

施設入所とは違う未来が
来そうな‥

だからこの卒業式を、
軽やかな気持ちで
臨むことができて、
いつかの覚悟は、
そう言っていたことすら、
もうすっかり忘れてるくらいな。

人生は
必要な時に
必要な人に出会う。

そこからまた、
何かが動き出したり、
全く違う未来に
導かれたりする。

とても有り難いこと。