特別支援教育部門 第8位
さて、今日は久々に「発達障害の社会適応のカギ」シリーズです。
連載を始めて途切れてから、しばらく経ってしまっているので、
今回はダイジェストをご用意しています。
【自立した成人にとって大切な「判断力」】
このシリーズの(4)に続き、5つの要素のニつ目について具体的な説明に戻ります。
今日も、当事者さんには、少し厳しい内容になるかもしれませんので、
精神コンディションが悪い方は、
読むのを控えられた方がいいかもしれません。
さて、僕が、二つ目の要素として重要だと考えるのが、「判断力」です。
この要素は「自立心」とも関わりがあるのですが、
簡単に言うと、
1).自分の進む道を、正しく自分で判断して、
2).その結果を自分でしっかり受け止めること。
3)それに対して、正しく反省が出来るということです。
そして、
4).その反省を踏まえて、
自分が次に進む道を適正に修正していけるということです。
僕が知るところ、人に依存的で、
まず1)が出来ていない方が1/3くらい入る印象です。
そして、残りの1/3ほどが、
3)~4)に問題があるように感じました。
まず、自分で判断出来ない事は、
いつまで経っても、自立した成人に成れないことでもあります。
周囲からの信用も、いつまで経っても得られないでしょう。
では、何でも自分で決めればよいかと言うと、そうでもありません。
ここで大切なのは、「自分で判断する」だけでは、
それは「判断力」があるとは言えないということです。
自ら判断したことを、もう一度振り返り、
そこから起きてしまった結果をしっかりと受け止め、
良い結果であれば、何が良かったのか、
悪い結果であれば、その原因と対策を、
しっかりと考えることが出来て、
次の行動に、修正として活かしていくことが重要だと感じます。
意外と、この3)~4)が出来ない方が多いのです。
つまり、自分の考えにとらわれて、中々主張を曲げなかったり、
また、悪い結果が出ても、ひとのせいにばかりして、
一向に反省をせず、自分に活かしていけない人が、
発達障害の当事者さんには少なからずいらっしゃるようです。
(少し厳しいお話でごめんなさい。m(_ _)m)
発達障害を持っていると、状況把握に苦手もありますし、
結果を振り返るというのが、非常に難しいというのが、
背景にあるのだろうと感じます。
しかし、反省を次に活かしていくことこそ、
過去の経験から成長していく当事者さんに、
この「反省と次に活かす」は、とても大切なスキルであると、
僕は考えるのです。
「人のせいにせず、結果を自分でしっかり受け止める」
「反省をして次に活かす」
・・・は、発達障害の安定就労に、とても大切なことだと感じたのです。
【「信頼して、相談できる相手」をもつ大切さ】
あと、もうひとつ、「判断力」と高める為に欠かせないことがあります。
それは、「信頼して、相談できる相手をもつこと」です。
実際、定型であっても、自分ひとりで全ての判断をしている人は少ないです。
先輩や友達、親や兄弟といった家族に、
色々な相談をしていく中で、自己判断をしているわけです。
しかし、発達障害を持っていると、
こうした人間関係が希薄であることも少なくないわけで、
それがまた、判断力が高まっていかない理由となっているように感じます。
当事者の知人であっても、また定型の支援者であっても良いのですが、
信頼して何でも話せて、その助言を聞き入れる気になれるような、
そんな相談者を持つことはとても大切です。
世間には色々な人がいるわけで、
自分の価値観だけでは、物事ははかれません。
色々な人の価値観を広く聞いて、
その考えを受け入れていくことで、
人は自分の人生を豊かなものにしていくのだと考えるのです。
発達障害を持っていると、こうした「相談者」を、
中々見つけることが出来ずに、
自分の視野だけで判断していってしまうことに、
社会適応を阻害する原因があるように感じます。
第2の要素の「判断力」のところで、
「自分のことは、自分で判断する」
「人のせいにせず、結果を自分でしっかり受け止める」
「反省をして次に活かす」
「信頼できる相談者を持つ」
の4つは、とても大事な要素だと、僕は考えるのです。
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