こんにちは。
漢方薬剤師のみゆきです。
咳に使われる漢方薬といって真っ先に思いつくのが、
麦門冬湯(ばくもんどうとう)。
乾いた粘膜に潤いをあたえて、咳を改善します。
つい最近、私も知ったのですが、
市販薬では、この麦門冬湯にトローチもあるんですね!!
小太郎漢方製薬(コタロー)より販売されています。
成分量は医療用の麦門冬湯の半分(1/2)量です。
■使い方(用法用量)
・大人(15歳以上)、7歳以上:2錠/回、1日3回
・7歳未満5歳以上:1錠/回、1日3回
1錠で効果ありならば、7歳以上でも1回1錠でもかまいません。
麦門冬湯といえば、咳を改善する漢方薬ですが、
その潤すはたらきで、喉の痛みや喉の使い過ぎによる声がれにも使われます。
なぜ、麦門冬湯のトローチをつくったか?
についてはコタローさんのHPから引用させていただきます。
せき止めには口当たりがよく、
飲みやすい液剤が主流となりつつあり、
各社からいろいろと発売されています。
小太郎漢方では液剤ではなくトローチ剤を選択いたしました。
乾燥して過敏になったノドや気管・気管支は、
少しの刺激でも咳を発生しやすい状況にあり、
口中に入れ、なめればなめるほど、
その成分の働きで徐々に潤してくれる卜ローチが適していると判断したからです。
乾性の咳でノド、口、舌、鼻などが乾燥しやすいタイプには適した剤形といえるでしょう。
麦門冬湯の飲み合わせについて考えてみましょう。
トローチという形でも漢方薬です。
麦門冬湯には、併用に注意すべき甘草という生薬が含まれています。
(大人の1日量に相当するトローチ6錠中に1.0gを含む)
甘草は飲み合わせに注意が必要な生薬です。
とくに、すでに漢方薬をのんでいる方は甘草の重複リスクがあるので併用に注意が必要です。
あと、市販の風邪薬にもグリチルリチン(甘草の成分)として含まれていることがあります。
市販の風邪薬と併用する場合は、成分を確認するか、薬剤師さんに相談してくださいね。