こんにちは。
漢方薬剤師のみゆきです。
別の記事で、咳の漢方薬について書いていたら、
市販の小青竜湯(しょうせいりゅうとう)の種類の多さに驚かされました!
これまでまとめて書いたことなかったので、
この機会に、市販の小青竜湯の違いについて記事にしてみました。
(2023年10月現在の情報です^^)
ちなみに、小青竜湯の効能効果はこちらです。
体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様のたんを伴うせきや鼻水が出るものの次の
諸症:アレルギー性鼻炎、花粉症、気管支炎、気管支ぜんそく、鼻炎、むくみ、感冒
それでは、市販の小青竜湯について、
メーカーごとに特徴をまとめました。
■ツムラの小青竜湯
ツムラの小青竜湯は顆粒(粉薬)タイプです。
病院で処方される医療用の小青竜湯の1/2量です。
(市販薬の方が成分含量が少ない)
【用法・用量】
次の量を、食前に水またはお湯で服用してください。
年齢・・・1回量・・・1日服用回数
成人(15歳以上)・・・1包(2.25g)・・・2回
7歳以上15歳未満・・・2/3包・・・2回
4歳以上7歳未満・・・1/2包・・・2回
2歳以上4歳未満・・・1/3包・・・2回
2歳未満・・・服用しないでください
■クラシエの小青竜湯
ツムラの小青竜湯には顆粒(粉薬)タイプと錠剤タイプがあります。
そして、なんと、小青竜湯だけで7種類もあるんです!!
そのなかから、クラシエの小青竜湯のうち、満量処方のものをご紹介します。
満量処方とは、「日本薬局方」などの基準で決められた量(処方の1日最大配合量)で作られた漢方薬のことです。
簡単に言うと、病院で処方される医療用漢方薬と同程度の量を含むというわけですね。
顆粒タイプです。
【用法用量】
成人(15才以上)・・・1回1包
15才未満7才以上・・・1回2/3包
7才未満4才以上・・・1回1/2包
4才未満・・・服用しないこと
■ロート製薬の小青竜湯(和漢箋)
あまり馴染みがないかもしれませんが、
ロート製薬さんは和漢箋という漢方シリーズを揃えています。
「キアガード」「ガチラック」のような小林製薬さんばりの面白いネーミングのものが多いのですが、
小青竜湯はそのまんまです。
和漢箋の小青竜湯は錠剤タイプです。
【用法・用量】
次の量を食前又は食間に、水又はお湯で服用すること。
成人(15才以上)、4錠/回、1日服用回数:2回
7才以上15才未満、3錠/回、1日服用回数:2回
5才以上7才未満、2錠/回、1日服用回数:2回
■コタローの小青竜湯(小青竜湯エキス錠Nコタロー)
ツムラさんやクラシエさんと比べると知名度は…ですが、
漢方の世界では超有名なコタローさんも市販薬の小青竜湯を販売しています。
コタローの小青竜湯は錠剤タイプです。
【用法・用量】
次の量を食前又は食間に、水又はお湯で服用すること。
成人(15才以上)、4錠/回、1日服用回数:2回
7才以上15才未満、3錠/回、1日服用回数:2回
5才以上7才未満、2錠/回、1日服用回数:2回
■ビタトレール小青竜湯
もしかしたらマイナーかもしれませんが、
ビタトレール漢方製剤シリーズにも小青竜湯があります。
顆粒タイプの小青竜湯です。
【用法・用量】
次の量を、食前に水またはお湯で服用してください。
年齢・・・1回量・・・1日服用回数
成人(15歳以上)・・・1包・・・3回
7歳以上15歳未満・・・2/3包・・・3回
4歳以上7歳未満・・・1/2包・・・3回
2歳以上4歳未満・・・1/3包・・・3回
2歳未満*・・・1/4包・・・3回*1歳未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場
合にのみ服用させてください。
実は、まだまだ他のメーカーからも市販の小青竜湯が販売されていますが、
有名どころをご紹介しました。
本当にたくさんありますねー!!
私のおすすめは、やはり満量処方のクラシエの小青竜湯です。
ただ、小青竜湯は酸っぱいというか苦手な人が多い味なので、
顆粒タイプが無理な方は、錠剤タイプを選ぶとよいと思います。