【メイクデビュー】週末開催デビューのクラブ馬たちの募集時レビューは? | カンパイ氏の一口馬主ライフ

カンパイ氏の一口馬主ライフ

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ライター。一口馬主ライフを楽しむため、2020年からブログ開設。これまで、クラブ誌や有名競馬ブログにも寄稿してきた。独自の分析方法を確立し、毎年主要クラブの募集馬を分析している。

みなさま、こんばんは。

カンパイ氏です。

 

 今週末はお天気が下り坂の地域もありますね。東京は何とかもちそうですが、小倉と京都は馬場が荒れそう。

 

 そんななか、クラブ馬がたくさんデビューしてくれます。いつものように、土曜、日曜デビューのクラブ馬も含めて、私が一昨年書いた「全頭完全評価(レビュー)」の内容をいつものように振り返っていきましょう。(*青字がレビュー部分です

 

■土曜京都4R(ダ1800メートル)

・キッドストン

26ドリーフォンテインの21 ▲右前腕節関節炎により関節洗浄

(スワーヴリチャード、牡、鹿、04/14、2,000万円、50万円、小笠倫弘)

【耐調教値】C

【血統】B

【早勝値】B

【潜在能力値】B

【総合評価】C

 血統面では豪州で活躍した母のスピードと、父の持久力がマッチしている印象。ただ、血統表を細かく見ると、ワンパンチ足りなず、Aランクとはしなかった。馬体面では両前肢の内向が非常に気になる。慎重に調教する小笠調教師に預けるのも頷けるくらい、ちょっと故障と隣り合わせの競走馬生活になりそうだ。一方で、後肢の踏み込み、トモの肉付きは秀逸。前後の落差が激しく、惜しい気持ちになった。故障なく順調に調整できれば、デビューがそこまで遅くなることはないだろう。

 

・ニューバラード

36バラダガールの21

(ニューイヤーズデイ、牡、鹿毛、1月31日、3,000万円、60,000円、尾関知人)

【耐調教値】B

【血統】A

【早勝値】C

【潜在能力値】A

【総合評価】A

 母は牝馬にしては珍しく長距離戦で堅実に走った。血統表は父のスピードと上手くかみ合っており、なかなか魅力的だ。かなりの大型馬で、馬体を見るとまだ大きくなりそう。脚元は一見丈夫そうだが、今後の馬体の成長を考えると些細な頓挫でも長引いてしまう。そのリスクも加味して耐調教値はBランクとした。かなり緩い反面、トモの容量は十分。牡馬でもあるし、じっくり鍛えて素質開花といきたい。この価格であればお買い得だとも思えるし、総合評価はAランクとした。

 

■日曜京都5R(芝1600メートル)

・グランスカーレット

40ダイワスカーレットの21

(ロードカナロア、牡、鹿、04/27、8,000万円、200万円、大久保龍志)

【耐調教値】B

【血統】A

【早勝値】B

【潜在能力値】A

【総合評価】A

 母の11番仔にして初の牡馬が出た。牧場側の期待は計り知れない。血統評価は敬意を表してAランクに。馬体面を見ると、左前肢の繫ぎの角度が少し心配。ただし、それ以外に目立った瑕疵はないようで、これであれば慎重にしつつも強い調教を課していけるだろう。躍動感のある歩様や、容量十分のトモは活躍を期待させるもの。もちろん値段は高いが、それでも夢が詰まった馬だと思う。少なくとも、全姉2頭よりは良い出来に映るので、資金的に余裕のある方、母のファンだった方は積極的にご検討を。

 

・スターリングアップ

64ソウルスターリングの21 ▲熊癖

(ブリックスアンドモルタル、メス、青鹿、04/16、5,000万円、125万円、松永幹夫)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】A

【潜在能力値】A

【総合評価】A

 オークスを制したのが記憶に新しい母の初仔。祖母のスタセリタ自身、小さな産駒が多かっただけに、ソウルスターリングの初仔はどうかな?と思っていたが、それなりのサイズ感がある仔馬が産まれてくれた。現状では小さいが、中サイズくらいまでは大きくなってくれそうだ。4月生まれではあるが、後肢の踏み込みは深く、緩さもさほど感じない。これなら意外と早めからいけるのではないか。サンデーサイレンスがまったく血統表になく、繁殖牝馬としての活躍を今から期待したくなる。値段は高いが、一発あっておかしくない良駒だ。

 

・リルト

53バウンスシャッセの21

(ロードカナロア、牝、鹿、3/16、安田隆行、5,000万円、12.5万円)

【耐調教値】B

【血統】A

【早勝値】C

【潜在能力値】A

【総合評価】A

 昨年も書いた気がするが、この繁殖には非常に期待している。本馬も非常に気品のある造りで、背中のラインなんかは本当に美しい。細かく見ると、右前肢を巻き込むように歩く父の産駒特有の歩様。個人的にはマイナスとする。トモの容量は素晴らしく、さすが血統馬と思わせるが、後肢の緩さが非常に目立っていた。距離の融通は意外と利きそうだが、あまり早めから能力を発揮するイメージを持って出資すると、少し違うかもしれない。この出来であれば価格は妥当。桜花賞に間に合うことを願う。

 

・ルージュチルル

46チルノ21

(シルバーステート、メス、黒鹿、02/02、2,400万円、6万円、音無秀孝)

【耐調教値】A

【血統】A

【早勝値】C

【潜在能力値】A

【総合評価】B

 母5歳時の初仔ということで、かなり小さく出てしまった。その点は非常に残念。ただし、血統は素晴らしい。母系はスピードが豊富で、ハーツクライ系の種牡馬なんて特に合いそうだ。前肢の角度は綺麗で、意外としっかりした造りに見える。強い調教にも耐えられるだろう。後肢の緩さが顕著なので、ハードに鍛えて、ぜひ変わり身を見せてほしいところ。馬体の感じからすると、芝の短距離でスピードを生かす競馬が良さそう。稼げるステージが限られそうだが、この値段であれば狙いは立つと思う。

 

・ワールズエンド

51リラヴァティの21

(ロードカナロア、牡、黒鹿、2/14、池添学、7,000万円、17.5万円)

【耐調教値】A

【血統】A

【早勝値】C

【潜在能力値】B

【総合評価】B

 現状は小さいが、もう少しは大きくなりそうだ。背中が短く、血統通り短距離向きの馬体に出た。四肢は綺麗に整っていて、これなら強い調教もこなしてくれるだろう。一方で、後肢の緩さがあるので、あまり早くから能力全開というイメージではなかった。トモの容量は水準で、トータルで考えるとこの価格は少し高いと感じた。ただ、これ以上安く出すわけにはいかないだろうし、難しいところだ。決して悪い馬ではないが、値段ほどの魅力を感じない。そういう意味での評価となった。

 

■日曜東京5R(芝1800メートル)

・アルドール

3ヒルダズパッションの21

(ロードカナロア、牝、鹿、2/28、手塚貴久、6,000万円、15.0万円)

【耐調教値】B

【血統】S

【早勝値】B

【潜在能力値】S

【総合評価】A

 母の産駒は毎年良く見せるが、この馬も出来は秀逸だ。マイナスポイントから先に言及すると、右前肢の外向が少し気になった。大きな馬でもあり、膝への負担が心配になる。後肢の緩さもあって、あまり早めから力を発揮するイメージはわかなかった。一方、血統面ではバランスが取れていて素晴らしいと感じた。意外にも父母のカップリングは初めてで、道の魅力にも期待したくなる。何よりもトモの容量がこの馬のストロングポイント。値段は高いが、ぜひ無事にいってほしいと願うばかり。オススメだ。

 

・ダイスアローリング

17サンタエヴィータの21

(サトノダイヤモンド、牡、鹿、01/31、3,600万円、90万円、古賀慎明)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】B

【潜在能力値】A

【総合評価】A

 血統面ではどうもパンチが足りない印象だったが、実馬は非常に良かった。前肢は整っていて綺麗だし、これなら強い調教も課していけそう。1月生まれにしては緩さが残っていて、あまり早くから力を発揮する馬には見えなかった。ただ、トモの容量は豊富。古賀調教師はじっくり調教を積みながら仕上げていくので、厩舎のイメージとも合致している。芝の中距離でコツコツ稼ぎつつ、年齢を重ねてからダートで更に賞金を積む。そんな競走馬生活が目に浮かぶ。コストパフォーマンスは良さそうな馬だ。

 

・ベトルス

44エスキモーキセスの21

(ハーツクライ、牡、栗、03/01、12,000万円、300万円、友道康夫)

【耐調教値】B

【血統】A

【早勝値】B

【潜在能力値】A

【総合評価】B

 今年の社台「友道枠」はこの馬。姉も高かったが、1億2千万円とは恐れ入った。ぜいたくな血統ではあるし、ハーツクライの良さも生かせそう。馬体面は前肢の出し方が好きじゃないが、故障のリスクが高いとまでは言えないと思う。トモが緩く、あまり早くから動けるタイプではなさそうだが、身のこなしの軟らかさは特筆に値する。値段が高いので、お得感がないという意味で総合評価はBランクとしたが、牧場側の期待が非常に高い1頭でもあり、注目はしておきたい馬だ。

 

 以上です。今週はすさまじい良血馬が何頭もデビューします。特に日曜日の新馬戦は、東西ともに大注目。この時期としては本当に珍しいくらいにメンバーが揃いました。芝の新馬戦も少なくなってきますし、どうしても集中してしまいますね。楽しみです。

 

 それでは、今週もとにかく全馬無事に。みなさま、ご武運を!

 

カンパイ氏