命を奪ってしまうボランティアについて考える。 | LOVE&PEACE ‐ NOA いぬ・ねこの里親募集

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team NOA(一般社団法人LOVE&PEACE)
大阪、関西で 捨てられた子たちの里親探しをはじめどうぶつ達が幸せに暮らせる社会にするための活動を行っています。

本題に入る前に事件のお話です。

 

四日市で4日前に行方不明になった猫ちゃんが、何者かにおぞましい虐待を受けて亡くなったのだそうです。なんて痛ましい。飼い主さんの写真を見るとすごくかわいらしい子。こんな子にそんな残酷なことができる者はもはや心を持たない悪魔なのでしょう。

 

猫が変死 鋭利な刃物で内臓えぐり取ったか 動物愛護法違反の疑いも 三重・四日市市

 

 

なんで行方不明になったのかとか、細かいとこは知りませんが、自由にお外に出入りさせることの怖さがクルマやケンカや病気など以外に悪い人間がいることも頭に入れておかないといけません。ほんとに犯人許すまじ!

 

まだまだ田舎のほうに行けば「猫は自由にさせておくもの」というのが当たり前という地域もたくさんあります。でも都会ではとにかく車に轢かれる猫が後を絶たないという現状、お外に出すということ自体が死と隣り合わせなのだということをもっと自覚してほしいものです。ある程度の年配の方々には昭和の古き良き時代の記憶がまだ残っているのでしょうか?3丁目の夕日みたいなのどかな風景は令和の時代にはないということを知るべきです。

 

 

 

それでですね。

 

最近、ボランティアのあり方についても色々と考えてて、このブログでも色々書いていますけど。

正直正解なんてないんですよね。

 

どうぶつ達を守るためのボランティアって、守らなきゃいけない子たちがいなければ存在する必要なんてないんだから。

 

乱繁殖している繁殖業(ブリーダー)

小さな子たちを販売し、売れ残った子たちを無碍に扱うペットショップ

ぬいぐるみのように飼い飽きたら捨てる非道な飼い主

あるいは、ちゃんとお世話をしなくなるような飼い主

 

そういう人たちがいなくなるだけでだいぶ変わると思うのですけど。

 

そして、最近問題になったボランティア宅で無残な死を遂げた子たちをたくさん出した問題。

これについては関わったことのある方はみんな心を痛めています。

さらに犬や猫を渡したことのある人は本当に苦しんでいらっしゃると思います。

 

NOAでは当該の本人が「クレートに入れる」と言ったので断ったのですが、もしそのワードが出なかったら預けていたかもしれない。

 

(普段は預ける場合でもおうちの中にお邪魔して預ける子についてもお話をするので変なことにはならないと思いますが、多くの信頼できるボランティアさんにも認められている人だったので、もし予定があるとか言いつつ任せといてと言われたら受け入れたかもしれません)

 

そう思うと本当に苦しくなります。かつて、うさぎの里親詐欺にあった時にその女からポルちゃんという子を希望されてお話をしていた時、SNSの中で、もう1匹の子のほうが「かわいい」の声が多かった。その女からポルちゃんではなく、その子を迎えたいという言葉が出た時に今だったら疑って突っ込んで聞いたと思うのですが、その時はそんなことを考えることもなかった。結果、その子を送り出してから4か月後に死亡。ポルちゃんも別の者の家に連れて行ったあと、一週間で不要と言われる。ポルちゃんは引き取ることができたけど、亡くなった子には何もしてあげられず。里親希望をしてくれる人の99%はちゃんと愛してくれる人だと思う。でもわずか1%だったとしても悪鬼羅刹がいることをその時に知ったのでした。その紙一重の命のやり取りがボランティア間でもあるとはさすがに思いもしなかった。

 

 
NOAの事務局の壁に貼っている子たち。
この子たち1頭1頭にそれぞれのドラマがありました。
 
優しい家族に迎えてもらって幸せになった子たちのことはもちろん、そうしてあげられなかった子たちのこともみんな大切に思っているんです。
 
クレートに入れっぱなしで死ぬまで放置?
まともな思考ではありません。
 
当該の人物に対しては、この問題が表に出るまでまったく疑う余地もありませんでした。
じゃあ、まったく怪しいところはなかったのか?
と考えると、ちょっと待てよ・・・と思い当たる節が出てきます。
 
でも、通常だとそんなとこでひっかからないよねってところです。
 
今更かもしれませんが、もうそんな悪魔が出現しないように、ひとつのポイントとして書き記したいと思います。
 
引っかかったところ。
 
ひとつは先日も書きましたが、譲渡会を主催している割にはその人自身が保護している子の参加頭数が極端に少なかった。NOAは犬と猫の両方で参加しましたが、他はほとんど猫ボランティアさん達のグループが参加していました。今思えばあんだけ保護してるのに何でそんな少ないの?っていうところが謎でした。
 
そして、もうひとつ。これは多分多くのボランティアさんが騙されていた部分だと思います。
 
『預かりボランティアがものすごくたくさんいる』
20年もやってるとそんなに協力してくれる人がいるんだ、すごいなぁ・・・
 
そんなふうに思っていましたが、冷静になって考えると継続してお任せできるような預かりボランティアなんてそんなにいるものではない。
 
LOVE&PEACE‐NOAも犬は預かってお世話をしていただくボランティアさんにご協力いただいています。NOAではフォスターさんと呼んでいるのですが、これがもう本当に大変なんです。

若くてかわいくて性格の良い子は預かっていただけるボランティアさんも多いのですが、老犬であったり、病気の子であったり、噛み癖があったり、無駄吠えのの多い子だったりといった問題行動の多い子だったりすると、なかなかお世話をしていただける方はいません。

 

一旦お預かりいただけても、すぐに連れて帰って!って言われるんです。

 

それでもすべてを受け入れてお世話をしてくださるフォスターさんもいらっしゃるんですよ。本当にありがたいことですが。

 

ただ、そんな方はほんとに少ないです。

 

いくら20年やってるからって言っても、そんな子達を引き受けてくれるボランティアさんがそんなにいるのか?考えてみればおかしいと思う部分です。

 

性格の荒い子だったり、病気の子だったり、聞いてるだけでも大変そうな子たちを数多く引き取るというのはいくら何でも無理じゃないかって思いました。

 

知っている大きな団体で100頭以上いるようなとこもいくつかありますが、そういうとこってともかく人手がいります。

 

お散歩するだけでも、ものすごい時間がかかります。

ごはんのお世話に清掃、病院にかかったり、少人数でできるものではありません。

 

人件費もきちんと計上してやっている団体さんも多いですが、そういうとこの予算は何千万円の単位になります。

個人のボランティアができる数ではないということはちゃんと考えればわかりますよね。

 

そこを突っ込まなかった。でも自分もそうだけど、何も後ろ暗いことをしているような雰囲気は微塵も感じませんでした。

 

誤解なくお伝えしたいのは、そんなことを書きながらも、本当に多くの子たちを引き取っている個人のボランティアさんもたくさんいます。

 

ただ、そういうボランティアさんの活動はすべてオープンになっていると感じます。ブログやSNSでこまめに発信し、そして譲渡会などもしょっちゅう開催しています。引き取った子が日々見える環境の中でお世話をし、里親募集をし、医療を受けさせている姿を見える形で公開している方はおかしなことしてる余裕もないと思います。

 

やはり、活動自体が見えないとこはちょっと注意して見といたほうがいいんだなっていうふうに感じました。