捨てられた子たちに携わってから今年で13年。
長いなぁ。
年齢を重ねるのは自分だけじゃなくて当然のことながら周りの人たちも年齢を重ね、初期に里子に出た子は天使になった子も多くて。ちょうど今日、里子に迎えて幸せにしていただいている子が心配な病になってしまい、緊急手術を受けてしばらく入院することになったというご連絡をいただいていましたが、メールの文章の中にあるその子の年齢が9才、あんなに小っちゃかった子がもう9才なんだぁってあらためて年月の速さに驚きました。
保護に携わって13年の間にお世話をして子たちのほとんどが正確な生年月日もわからず、過去がまったくわからない捨てられた子たちでした。その1匹1匹、1頭1頭に名前をつけてきました。
適当につけた名前なんて1頭たりともありません。
いろいろ考えてつけたんですよ。
みんなかわいい名前って言っていただけることが多かったのですが、名前なんていうのは人それぞれ感じ方は違いますしね。
自分はけっこうカタカナの名前が多いのですが、知り合いのボランティアさんの中には和風な名前を好んでいる方もいらっしゃるし、ドラマやアニメなどの登場人物などから引用される方もいらっしゃいます。中には里親さんに名前はつけてもらうものだと番号とか記号とかっていう方もいらっしゃいましたね。
みんなそれぞれこだわりがあったりするのですが、NOAではどんなふうに考えているかっていうことを少し書いていきますね。
まず、過去の名前がわからない子がほとんどなので名前を付けるんですが、さっき書いた里親さんにつけてもらうのでイメージをつけさせたくないっていう方針の方の思いもわかるんですが、NOAにいる間も「保護犬」とか「保護猫」という扱いをしたくないっていう思いがあります。
保護犬なんだから贅沢は無用!と栄養管理もへったくれもなく食えるだけありがたいと思え、みたいな扱いをしている団体さんを見るとちょっとやな気分になります。縁あってうちに来た子たちなのだから、ここにいる間はおうちの子と同じようにおいしいごはんを食べて、一緒に遊んで、きちんと病院にもかかってっていうふうにしています。だからうちにいる間は家族同様に過ごさせてあげたいということでお名前をつけています。
フォスターさんに対しても家族同様にっていうふうにお願いをしていますが、なかなか思いを同じくしてくださるご家庭はありません。当然ご家庭ですからだんなさんがいるし、お子さんがいることも多いです。家族のみなさん全員が同じ思いでっていうのは簡単ではありません。
今年に入ってからたくさんの卒業生からのお写真をご紹介していますが、保護当時の名前をそのまま引き継いでくださっている里親さんもいらっしゃいますし、新たな名前をいただいて幸せにしていただいている子もたくさんいます。
名前がころころ変わって戸惑うじゃないかって思う方もいらっしゃるかもしれませんが、新しい家族に新しい名前で呼ばれる子たちもその愛情感じてくれていますので、嫌な感じでは受け止めていないと思います。
色んな名前をつけてきましたけど、意外とめちゃめちゃ気に入ってる名前の子は里子に迎えていただいた時に名前が変わっている子がけっこういます。そのままのお名前でっていう子も多いんですけどね。
けど、幸せにしてもらえればいいんです。
幸せになった子たちの表情を見るのって本当にうれしいものなんですよ。