先日開発の危険性のお話で、私の1000倍くらいの恐怖体験をされた方のお話しを聞き、聞いただけで夢にでてきそうな想像をしてしまい、ぞくぞくっとしましたが、なぜか興奮している自分もいて少しドキっと・・・
それと同時に苦い思い出が3つよみがえり・・・
ここで1つそれまで誰にも話したことのなかったトラウマのお話しをご紹介します
昔装置開発をしていた時に、きちんと私が現場監督できておらず、工事した配管の取り付け位置のミスを見逃してしまった関係で、緊急退避警報を鳴らしたことがあります
会社で禁止されていた特殊ガスがどうしてもプロセスに必要で、いくつもの承認を得て、安全部を説き伏せて、一番最初のテスト運転のその直後ですひゃー
安全対策を講じて
何度も何度も安全確認をして
フェイルセーフのシステムを考えて
どれかが故障しても、電気が流れなくても、何かが大丈夫なようなつくりにして・・・
ウーーーーッ!!!!!
巨大なサイレンが建屋全体に響き渡りました
クリーンルームにある全ての装置と設備が緊急停止し
一面赤色のライトがビカビカと照らします
『爆発の危険があるため全員建物から外に避難して下さい』
音声ガイダンスが流れ、白装束の研究者と青色のお客様たち100名ほどがが退避していきます
自分のプロセスのスイッチを入れた直後です
どのセンサーがひろった?
どこから漏れた?
無害化処理のラインのシミュレーションは何度もやった
いやいや想定外なんだからもっと別の可能性を考えろ
違う装置から?
いや、タイミングてきにもガスの種類からもきっと私
この間きっと1~2秒だったかもしれません
位置的に一番危険な場所にいたので一瞬爆発のイメージがわきました
頭の中は
何がどうなったらこの赤いパトが反応したのか
今危険な状態なのか
退避する前にやっておくことはあるのか
損害額でかい
やってしまった
損害的にはこの時点で数百万は軽い
高級実験をしていた人がいたならプロセスがダメになるからもっといく
そもそも爆発でもしたらまずどこまでにいる位置の人が危険?
となりのシランが繋がってる装置も爆発する?
そしたら数億円分の施設がダメになる
そんなことでいっぱい
うん
きっと別の装置
と、自分を言い聞かせ、ガスの元栓が動力が落ちるとちゃんとしまる設計にしていたことを感謝しつつ後をさりました。
結果、
最初にのべたように私の装置の工事ミスが原因でした
安全だけは確保されていたのを知り、そこで初めて身体の力が抜けて、緊張していたことをしりました
原因も珍しくすぐにわかり、安全に再現性もとれて説明も出来たので始末書だけですみました
でもね
工事をし直して、安全チェックも石橋をたたいて壊すまでくらいの勢いで何名も使って行い
いざ、テスト再開の瞬間です
警報が鳴り響いた瞬間に居たあの場所と同じ動作
この瞬間の直前に身体がフリーズしました
そしてあの時いだいた爆発のイメージが鮮明によみがえり
完全に恐怖にとりつかれて停止してしまった身体とは裏腹に
心臓だけがとてつもなく早い鼓動を打ち始めました
PTSDというやつです
今、どこで、自分が何をしているのか
時間も空間もわからなくなりました
以前に記憶の戻らない交通事故を一度経験した後にも体験し
その時は薬を処方してもらい克服したことがあります
でも今回は少し思考が戻りました
え?私いまフリーズしてる?
これだけでも少し思考が自由になりました
大丈夫。前回も安全だった。爆発はしない。誰も死なない。大丈夫。
このままフリーズを許したら、もう開発の仕事は出来ないということも理解しつつ、
大丈夫。パトが万が一なっても数百万の損失だすだけ。大丈夫。
いっそ鳴ってしまえ!!!
いや、ダイジョブジャナイよ(笑)
最後の、いっそ鳴らしてしまおうホトトギス、を合図にテスト運転をすることが出来ました
なので、これはPTSDの数としては0.5回カウントです☆
それまで警報やヒヤリハットがやたら多い職場でしたが
これがきっかけとなり、クリーンルームの運営により積極的に関わり、
安全対策と問題解決に力をいれて
前年度からの警報・ヒヤリハット率を9割下げた実績を作ることが出来ました
今考えればこれが私の開発人生の中でどんな特許よりも、どんなコストダウンや売上げよりも、一番の成果だったのかもと思います
恐怖はムリに克服しなくてもいいかな、なんて個人的には思ってしまいますが、おびえる必要はありません。
これを読んでいてPTSDに苦しむ人がいるならこの聖書の言葉を贈りたいと思います
『恐れてはならない。わたしはあなたと共にいるからである。周りを見回すな。わたしはあなた
の神だからである。わたしはあなたを強くする。わたしはあなたを本当に助ける。わたしはわた
しの義の右手であなたを本当にしっかりととらえておく』と。』
イザヤ 41章10節より
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