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私的備忘録

書名:世界名作ショートストーリー モンゴメリ 白いバラの女の子
著者:ルーシー・モード・モンゴメリ(カナダ作家)
出版:理論社
内容:ジャネットを可愛がってくれている老人ローレンスが発作を起こした。ローレンスの見舞いに行ったジャネットは、去年の八月に彼から聞いた話を思い出していた。ローレンスは若い頃に恋人マーガレットを亡くして以来、ずっと独身を貫いてきた。ジャネットはマーガレットの兄の孫娘で、彼女に似ていると言われている。ローレンスは自分が死んだらマーガレットの肖像画をジャネットに受け取って欲しいと言い、さらに「マーガレットが息をひきとるとき、『あなたの死の床を安らかにするために帰ってきます』と約束したんだ。わたしは長いこと待っているんだ」と語っていた。そして六月の夜、見舞いを終えてローレンスの家を出たジャネットは、白いバラの咲く庭で白いバラの花を持った白い服の美しい娘と出会い……。
※本書に収録された作品は十編。出典は以下のとおり↓
 『Among the Shadows』から四編
  原題:The Girl at the Gate →『白いバラの女の子』
  原題:Davenport's Story →『ダヴァンポートさんの話』
  原題:The Man on the Train →『親切な人』
  原題:The Martyrdom of Estella →『エステラの幸せ』
 『After Many Days』から四編
  原題:The Prodigal Brother →『きっと兄さんが』
  原題:After Many Days →『歳月のプレゼント』
  原題:Elizabeth's Child →『エリザベスの娘』
  原題:The Story of Uncle Dick →『ディックおじさんのうつくしいバラ』
 『Along the Shore』から二編
  原題:The Light on the Big Dipper →『ビッグディッパー岬の明かり』
  原題:An Adventure on Island Rock →『ロックアイランドの冒険』

ビッグディッパー(北斗七星)岬 リトルディッパー(小北斗七星)岬
 

書名:さすらいの孤児ラスムス
原題:Rasmus på luffen
著者:アストリッド・リンドグレーン(スウェーデン作家)
出版:岩波少年文庫
内容:ヴェステルハーガ孤児の家で育った九歳の少年ラスムス。ある日、裕福な商人夫婦が養子をもらいに来る。けれど、この日のラスムスは失敗続き。結局、ちぢれ毛の可愛い女の子がもらわれて行った。そのうえ、翌朝は寮母のヒョーク先生に罰としてムチ打たれると知ったラスムスは、夜の間に孤児の家から逃げ出す。ラスムスが逃げた先で出会ったのは、アコーディオンをかなでる陽気な風来坊オスカル。ラスムスは自分をもらってくれる両親が見つかるまでと頼み、オスカルと一緒に旅をする。ところが、ラスムスがピストル強盗事件の現場を見てしまったため、二人は犯人から命を狙われてしまい……。
※1956年初版
 

書名:身がわり王子と大どろぼう
原題:The Whipping Boy
著者:シド=フライシュマン(アメリカ作家)
出版:童話館出版
内容:勉強嫌いで読み書きもできない、いたずらばかりのホラス王子は「あくたれ王子」と呼ばれている。国王や教師に怒られても王子が反省することはない。何故なら彼には身がわりがいるからだ。王子の身がわりとしてお城に連れてこられたネズミとりの孤児ジェミーは、事あるごとにむち打ちの罰を受けさせられていた。しかし、毎回ジェミーは歯を食いしばって耐え、泣き声も叫び声もあげなかった。そして、王子のそばでジェミーは読み書きと算数を覚えていった。ある晩、王子は「城を抜け出す」と行ってジェミーを連れ出す。いつも逃げ出すことを考えていたジェミーは、罰を恐れつつも付いて行く。ところが、濃霧のため道をはずれて森で迷子になった二人は、二人組の追いはぎニンニク・ビリーとカットウォーターに捕まってしまう。王子が持ち出していた荷物から王冠が出てきたため、子供の身分に気付いた泥棒たちは身代金をとろうと考えた。ところが、四人の中で読み書き出来るのがジェミーだけだったせいで、泥棒たちは彼が王子なのだと勘違いしてしまい……。
※初版1986年
※物語の終わりの著者の言葉によると、「むかし、王の城には、ほんとうに身がわり王子がいて、悪いことをした王子の見せしめに、むちで打たれていた」そうです。
 

書名:第九軍団のワシ
原題:The Eagle of the Ninth
著者:ローズマリ・サトクリフ
出版:岩波少年文庫
内容:マーカス・フラビウス・アクイラの父はブリテンで起きた反乱の平定に副司令官として出征し、指揮していた第九ヒスパナ軍団とともに行方不明となった。この事件後に母も亡くしたマーカスはローマの叔母夫婦のもとで養育されたが、官吏の叔父と相性が悪く、成人すると家を出て軍人になった。マーカスは消えた軍団の手がかりを得るためにブリテンに配属を志願する。そして、第二軍団附属大隊の筆頭百人隊長の地位に就いたマーカスは司令官として大隊を指揮して移動し、イスカ・ダムノニオルム(現エクセター)の守備隊と交代した。だが、ブリトン人の氏族が反乱を起こし、マーカスは戦闘で足を負傷して軍人生命を絶たれてしまう。失意のマーカスはブリテンで退役生活を送っているアクイラ叔父のもとで療養生活を送ることになる。鬱々としてカレバ(現シルチェスター)の町で過ごすマーカスは、叔父に誘われてサトゥルヌス祭の見物に出かける。そこで剣闘士の試合を観戦したマーカスは、敗者のブリトン人奴隷エスカを買い取る。やがて二人の間に友情が生まれる。ある日エスカがオオカミ退治の狩でオオカミの子を連れて帰り、そのチビを目当てに隣家の少女コティアがやってくるようになる。元気になってきたマーカスは漠然と将来の生活を考えるようになる。そんな時、叔父の古い友人が訪れ、軍団の象徴であり父とともに消えた《ワシ》の消息を語った。マーカスはエスカを奴隷の身分から解放したうえで、親友として共に行動してほしいと頼む。二人は《ワシ》を取り戻すため、ハドリアヌスの壁を越えて危険に満ちた北の辺境への旅に出る。ローマン・ブリテン四部作の第一作目。
※1954年初版
※紀元117年ごろ、エブラークム(今日のヨーク)に駐屯していた第九軍団が、カレドニア(スコットランド・ハイランド地方)の諸氏族を平定するために北に進軍し、その後消息をたつという事件が起きた。それから約1800年のち、カレバ・アトレバートゥムの町(今日のシルチェスター)があった緑の野原で、翼のないローマ軍団の《ワシ》が発掘された。その《ワシ》は今日レディング博物館でみることができる。なぜ《ワシ》がそんなところに埋もれていたかについては、誰にもわからない。これらふたつの出来事をひとつにして出来上がったのが、この物語である。ということが前書きされているが、著者サトクリフの生前はこの《ワシ》は第九軍団の旗印と信じられていたが、現在では否定され、もともとカレバの神殿に飾られたものであったことが明らかになったそうだ。
※サトゥルヌスの祭:農神サトゥルヌスを祭る十二月の収穫祭。
※ハドリアヌスの壁:ローマ皇帝ハドリアヌスが、北方のピクト族やスコット族を防ぐために、イングランドの北を東西に横断して築いた防壁。東のタイン河口から西のソルウェイ湾の間、百二十キロにわたる。

「アクイラ」はラテン語で「鷲」を意味する
 

書名:凛として弓を引く 青雲篇
著者:碧野圭(あおのけい)
出版:講談社文庫
内容:初段を取り、弓道を始めて一年が経った矢口楓(やぐちかえで)。三月の終わり、弓道会の練習を終えた楓は同期で同級生の真田善美(さなだよしみ)と一緒に呼び出されて、一歳年下の高坂賢人(こうさかけんと)と友人の大貫一樹(おおぬきかずき)に会った。二人は楓たちの通う武蔵野西高校に入学すると話し、これを機会に廃部になった弓道部を復活させないかと提案する。楓たちは賛成したものの、まだ正式なクラブでなく、校内に弓道場もないという悪条件のため入部希望者が現れない。そんな時に楓と善美のクラスメイト薄井道隆(うすいみちたか)を勧誘すると、条件付きで入部しても良いという。その結果なりゆきで部長になってしまった楓。部長なんて柄じゃないと考える楓だが、人数が揃い顧問の先生も見つかり、ようやく同好会として承認される。しかし、生徒会副会長からは弓道部が廃部になった理由を調べてほしいと頼まれたり、部活動での練習方法に悩んだり……次々と難題が降りかかる。
 

書名:五人と一匹見つけ隊 見つけ隊と燃える小屋のなぞ
原題:THE FIND-OUTERS    THE MYSTERY OF THE BURNT COTTAGE
著者:イーニッド・ブライトン(イギリス作家)
出版:ハヤカワ・ジュニア・ミステリ
内容:ある四月の夜九時半、ピーターズウッド村でヒック氏の作業小屋が火事で全焼した。火事現場に駆けつけた子供たちは、十三歳のラリーと十二歳のデイジーの兄妹、十二歳のピップと八歳のベッツの兄妹、それに村のホテルに宿泊している少年ファティと飼い犬のバスター。横柄なグーン巡査に「どいてろ」と言われて帰宅させられるが、翌日あつまった子供たちは火事の原因が放火だと知る。さらにファティが「火事のあった夜、ヒックさんの庭でホームレスを見た」と証言したことで、子供たちは犯人を見つけるために『見つけ隊』を結成した。五人と一匹は意地悪な巡査より先に手がかりを得ようと調査に乗り出すが……。
※初版1943年
※巻末の解説によると、事件は四月のイースター・ホリデーに起こっているらしい。イースター(復活祭)とは、イエス・キリストの復活を祝う祝日。おかげで子供たちは自由に事件の捜査ができた。

ラリーというのはローレンスの愛称
マーガレットの愛称デイジー
フィリップをちぢめてピップと呼ばれている
エリザベスの愛称のひとつがベッティ、さらに略してベッツ
「Frederick(フレデリック)のF、Algernon(アルジェノン)のA、Trotteville(トロットヴィル)のTだ。F、A、T――ファットだ。こりゃ、あだなになるぞ!」
「あんたの両親は、頭文字(かしらもじ)がFAT〔「太っている」の意味〕になるような名前をあんたにつけたりしちゃいけなかったのよ。かわいそうなファティ!」
これから自分が「ファティ」と呼ばれることになるとわかった
スコッティ(スコッティッシュ・テリアの愛称)

むかしふうの、ハーフ・ティンバー(木造の枠が外壁に見えている様式)のわらぶきの小屋
サマーハウスというのは、庭に作られた小屋のことだ

野原とむこうの小道の境にあるふみこし段(人はこせるが家畜は通れないようにした牧場などのさく)

「スメリー」というのは、「くさい」とか「におう」とかいう意味なので、
「それって、本名なんですか?」
「そうですよ。きたならしいじいさんで、靴下には穴があいたまま、服にはかぎ裂きができたまま、帽子はブラシもかけてない」

アフタヌーン・ティーは日本の「おやつ」とは少しちがって、午後三時から四時ごろに供される軽食で、それなりにおなかがいっぱいになる。
ハイ・ティーは食事のときに使うハイ(高い)テーブルで五時や六時ごろに供されるお茶のことで、夕ごはんに近いもの。(アフタヌーン・ティーはゆったりとした椅子にすわって低いテーブルで供される。)

 

書名:物語で読むシェイクスピア ヴェニスの商人
原題:The Merchant of Venice
原作:ウィリアム・シェイクスピア
著者:斉藤洋
出版:静山社
内容:金貸しのユダヤ人シャイロックに仕えるキリスト教徒の召使ランスロットは、仕える主人を替えようと考えていた。理由は主人に金を借りに来るキリスト教徒たちの酷い言動に嫌気がさしたからで、しかも彼らだけでなく裕福なキリスト教徒の商人アントーニオもシャイロックに出会うと罵って唾を吐くありさまである。ランスロットが新しく仕え始めた主人バサーニオは気前の良い美男だが、破産寸前の商人だ。バサーニオは若く美しい女相続人ポーシャに求婚するためベルモントへ出かけることに決め、支度金をシャイロックから借りるために友人アントーニオに保証人を頼む。シャイロックは利息無しで金を貸す代わりに、期日までに返済できなければアントーニオの肉1ポンドを切り取る契約をするが……。
※十六世紀末に活躍したイギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアによる戯曲(演劇のための台本)で、貿易で栄えた中世イタリアのヴェニス(ヴェネツィア)を舞台にした物語。本書は、その名作古典をベースに、著者が現代の読者のためにアレンジしたもの。
 

書名:死をもちて赦(ゆる)されん
原題:Absolution by Murder
著者:ピーター・トレメイン(イギリス作家)
出版:創元推理文庫
内容:アイルランド(ケルト)派カトリック教会とローマ派カトリック教会の間では、長年にわたって論争が戦わされ対立していた。紀元664年、ブリテン島のオズウィー王は自分の治めるノーサンブリア王国がどちらに帰依すべきかに関して両派の論争に裁定を下すべく、ウィトビア修道院で教会会議(シノド)を開催することにした。だが、会議の冒頭で、アイオナ(ケルト)派の首席弁論者である修道院長が殺害された。オズウィー王の命令で調査にあたるのはアイオナ派の若き修道女でアイルランドのドーリィー(法廷弁護士)である〝キルデアのフィデルマ″。公平を期するためと対立するローマ派から選ばれたサクソン人修道士〝サックスムンド・ハムのエイダルフ″。二人がともに事件を調べ始めると、犯人を捕縛したと知らされる。容疑者は会議の一日目に起きた日蝕と殺人を予言した物乞いらしいが……。
※1994年初版
※本書は『修道女フィデルマ・シリーズ』の長編第1作になる。日本語訳としては第6作目の出版。
※著者の本名は「ピーター・ベレスフォード・エリス」。有名なケルト学者。
※本作の時代において聖職者の独身制という観念は広く支持されてはいなかった。男性聖職者と女性聖職者が修道生活を共にする大修道院や僧院は、コンホスピタエ(男女共住修道院)、あるいはダブル・ハウスと称され、そのような宗教施設においては修道士と修道女は結婚し、子供を育てつつ、キリストの教えに身を捧げて暮らすこともできた。聖職者の独身制は、元来、一部の禁欲的な修行者によって守られていたものであった。それでも聖パウロを始めとする初期キリスト教の指導者たちがこれを是認したため、この時代には、広まりつつあった。しかし、西方キリスト教の聖職者たちに独身制を強制しようとの試みが始まったのは、レオ九世(在位1049~54年)の教皇在位中である。
※ノーサンブリア王国:ブリテン島北東部の古代王国。サクソン人によって建国された。

アブソリューション:赦し

男たちの髪は、前頭部が剃られていた。アイオナ派カトリック教会の修道士であることを示すトンスラ(剃髪)である。
左右の耳を結ぶ線まで前頭部を剃り上げたトンスラ(剃髪)の形

コロナ・スピネア:〝茨の冠″。受難のイエスに被せられた茨の輪にちなむ、ローマ式剃髪。

「クレプシドラ(水時計)は、ギリシャ語です」
「修道士が、東方から持ち帰ったものです。水の滴りの量で、時を計る仕掛けです」

イエロー・プレイグ(黄色疫病)は、激しい黄疸(おうだん)の症状を呈する悪性の伝染病であり、この数年間、ヨーロッパ中に猖獗(しょうけつ)しており、今やブリテン島やアイルランドにまで蔓延している
 

書名:吸血鬼ドラキュラ
原題:Dracula
著者:ブラム・ストーカー(アイルランド作家)
出版:角川文庫
内容:ヨーロッパの辺境、トランシルヴァニアの山中にそびえる荒れ果てた城の主ドラキュラ伯爵。イギリス人弁護士ジョナサン・ハーカーは、ロンドンの不動産購入について説明するためカルパティア山脈にある伯爵の居城を訪問する。道中に起きた不可思議な現象や地元民の奇妙な言動、そして全く飲食せず鏡に姿の映らないドラキュラ伯爵の異様な姿にジョナサンは恐怖を覚える。そのうえ、ジョナサンは自分が城内に監禁されたことを悟った。血に飢えたドラキュラ伯爵がイギリスに上陸することを阻止しようと、ジョナサンは決死の覚悟で城からの脱出を図る。一方、ジョナサンの婚約者ミーナは彼の帰りを待ちながら親友ルーシーと過ごしていた。夢遊病を患うルーシーは、ある夜ドラキュラ伯爵の毒牙にかかり……。衰弱するルーシーを救おうと未知の病の権威であるヴァン・ヘルシング教授が呼ばれ、吸血鬼との闘いが始まる!恐怖小説の古典。
※1897年初版
※著者が本作の着想を得たのは、ブタペスト大学の教授アルミニウス・ヴァーンベーリから聞いたトランシルヴァニアの吸血鬼伝承からである。
※ドラキュラ伯爵のモデルは十五世紀のワラキア公ヴラド三世で、彼の異名のひとつが「ドラキュラ公」である。これは「竜の息子」「悪魔の息子」という意味だが、本来は十字軍竜騎士団に所属していた彼の父が「ドラクル(竜)」と呼ばれたことに起因しているらしい。ただし、モデルとしたのはヴラド公のプロフィールであり、人物像についてはヘンリー・アーヴィング卿を参考にしたとされている。

屋敷は『Carfax(カーファックス)』という名で呼ばれているが、東西南北にきっちり面しているところから、元は『Quartre Face(クオーター・フェイス)』だったのが訛ったものに違いない。全部で二十エーカーにものぼるその敷地

ウィルヘルミーナ:愛称ミーナ
アーサー:愛称アート
ジャック:愛称ジョン

ホスチア(聖餅)

東欧で言う不死のノスフェラトゥ(吸血鬼)