なんでファラオは男なの? | kanoneimaのブログ

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私的備忘録

書名:13歳からの考古学 なんでファラオは男なの? 古代エジプト女王の源流を探す旅
作者:山花京子(やまはなきょうこ)
出版:新泉社
内容:中学一年生になったばかりの佐藤美羽(さとうみう)は、自信がなくて引っ込み思案な女の子。春、母親に誘われた美羽は西山大学の日本語を教えるサークルでボランティア活動したことで、多くの留学生と知り合いになる。なかでも日本アニメ好きのエジプト人留学生・ヤスミーンとは、アニメの話で盛り上がり気も合って仲良しになる。サークルに参加するようになって二カ月ほど経った時、ヤスミーンから「アラブ・チャリティーバザー」に誘われて、美羽はエジプト大使館に出かける。会場ではヤスミーンに説明されながらエジプト文化にふれ、アラビア語を教えているというアブドラ先生にも紹介され、美羽は楽しい一日を過ごした。もともと家族そろって古代エジプトが好きなこともあり、美羽は夏休みの宿題のテーマにエジプトを選ぶ。七月中旬、美羽は大学の日本語サークルでアブドラ先生と再会し、エジプト旅行を勧められる。ヤスミーンが帰省する時に美羽も一緒にエジプトへ行けばどうかと言うのだ。アブドラ先生の提案をヤスミーンは快諾し、美羽にカイロに住む日本人考古学者を紹介するとも言ってくれる。美羽ひとりで決められる事ではないため、帰宅してすぐに両親と祖母に話すと旅行に賛成してくれた。それで一度みんなで話し合おうと、夏休みが始まると美羽は両親と一緒にサークル活動に参加してヤスミーンとアブドラ先生に会った。話し合いではヤスミーンが来年の春休みに帰省する予定なので美羽も一緒にエジプトへ行って、その際にヤスミーンの母親が校長を務める小学校でスピーチをしてくれないかと提案される。日本とエジプトの民間交流を実現させたいと言うのだ。さらにヤスミーンの友人でエジプトで発掘をしている考古学者の日本人女性・八十田良(はとだよし)こと通称ハトラ先生とオンライン・ミーティングで会うことになる。ハトラ先生によると「エジプトには遺跡がごまんとあるので、テーマを決めて遺跡巡りをしないと何処も同じに感じる」と言う。美羽は今まで読んだ古代エジプトの小説や漫画を参考にして、旅のテーマは「女性」に決める。古代エジプトの王には男性が多いけれど、女性も王になれたのは何故か?ハトラ先生にテーマを伝えてハトシェプスト女王の葬祭殿に行きたいと言うと、美羽のためにプライベートツアーを組んでくれた。ハトラ先生とのミーティングを重ねる一方で美羽は父親とお手製のガイドブックを作成するなどエジプト旅行の準備を整える。そして、いよいよ出発日を迎え、いざ初めての海外旅行へ……。美羽はハトシェプスト女王の軌跡をたどる旅を通して、女性と社会との関わり方に興味を持ち始める。
※2023年初版

「イスラーム教徒の女性のことをムスリマっていうのよ。男性はムスリムね」

クリスチャン・ジャック『自由の王妃アアヘテプ物語』3巻本

「実は、ツタンカーメンと呼ぶのは日本人だけなの。本来のエジプト語ではトゥト・アンク・アメンと表記するので、トゥトアンクアメンやトゥトアンクアムンと呼ぶのだけど、ちょっと前まで日本語では『トゥ』を『ツー』と発音していたので、ツタンカーメンになったのね」

見渡す限りの白っぽい大地
「日本人がイメージする砂漠とは違って、ナイル川の東側は石灰岩台地が広がっていて、正確には岩の砂漠、『岩漠(がんばく)』というの。だから、実際は白っぽい岩が露出しているのよ」