仮面の大富豪 上巻 | kanoneimaのブログ

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私的備忘録

書名:サリー・ロックハートの冒険2 仮面の大富豪 上
原題:The Shadow in the North
著者:フィリップ・プルマン(イギリス作家)
出版:東京創元社
内容:1878年冬、22歳のサリー・ロックハートは財政コンサルタントとしてロンドンのシティにオフィスをかまえている。ある日、顧客のミス・ウォルシュという老婦人が訪ねてきた。2年前にサリーの薦めで投資をした海運会社アングロ‐バルト海運会社が倒産し、老後の貯えをすべて失ってしまったのだという。ミス・ウォルシュは海運会社の詐欺を疑い、サリーに真相を解き明かしてもらいたいと頼む。一方、サリーの友人ジム・テイラーは芝居の脚本家を目指し、劇場などの裏方で働いているが、出演者の奇術師マッキノンに助けを求められる。ジムは追手をまいてマッキノンが逃亡する手助けをし、私立探偵をしているフレデリック・ガーランドの所へ連れていく。マッキノンはサイコメトリーで殺人事件を知ってしまい、犯人に狙われていると告白する。サリーの調査と、フレデリックとジムの事件の調査は別々に進んでいたが、どうやらふたつの事件の背後にはヨーロッパ一の大富豪アクセル・ベルマンの姿が……。
※1986年初版
※前作『マハラジャのルビー』事件から6年後が本書。サリー・ロックハートは父親の遺産のおかげでガーランド写真店の共同経営者となり、さらにケンブリッジ大学の女子コレッジを卒業して財政コンサルタントになっている。6年前の事件で友人となったガーランド兄妹のうち、妹のローザは聖職者のニコラス・ベドウェルと結婚し、兄のフレデリックは写真技術を磨きながらも、私立探偵の仕事にいそしんでいる。

父親は男爵で、自身、〝オノラブル″という敬称つきで名前を呼ばれる身だ

牧師に結婚を公言されたとたんに、彼女の所有するものはすべて、(法的に)夫のものになる
『妻財産法』は、1870年に議会を通過した