東京都美術館で開かれている

レオポルド美術館

【エゴン・シーレ展(-ウィーンが生んだ若き天才】に行った。

(会期:~4/9(日)

 

 

28歳の若さでこの世を去った天才画家・シーレ(1890~1918)

の波乱満場な人生を追ってみよう。


若干16歳で名門ウィーン美術アカデミーに史上最年少で入学。

(2歳年下のアドルフ・ヒトラーも

同アカデミーを受験するも2年連続で失敗した。)

17歳でウィーンにアトリエを構え、

師匠クリムト(1862-1918)

と肩を並べる存在になっていく。

 

1910年、美術アカデミーを退学したシーレは

画家仲間と「新芸術集団」を結成。

 

エゴン・シーレ「装飾的な背景の前に置かれた様式化された花」1908年

 

紫とオレンジ色の色使いが見事!

 

クリムトから金色の背景や「ウィーン分離派」が好んだ

正方形のキャンバスを使っているところに、

彼らからの明らかな影響が見られる。


4歳年下の実の妹ゲルトルート(愛称ゲルティ)とは、

妹をモデルに裸体画を描いた。

エゴン・シーレ「叙情詩人(自画像)」1911年

 

シーレの性への関心が強く感じられる作品

に驚いた。

 

 


20歳を過ぎたシーレは、クリムトのモデルであった、

ヴァリ・ノイツェルと同棲生活を始める。

 

ヴァリの存在はシーレにとって大きな影響を与えた。

ヴァリは彼の絵画にとってミューズだったのだろう。

 

《悲しみの女》1912年  油彩 板  レオポルド美術館

 

長年にわたってモデルを務め、シーレを支えた恋人のヴァリーを描いたもの。

背後にはシーレと似た容貌の男が顔を覗かせている。

 

彼女は泣き腫らしてアイメイクがとれそうで、

口角を上げて微笑もうとしているようだ。

顔は左右で異なる。

向かって左側はかなりの美人、

右側は疲労した顔になっている。

後の別離を予言しているような絵だった。

 

第一次世界大戦が勃発した1914年、

24歳のシーレはウィーンで

最も才能があり且つセンセーショナルな画家

として一世を風靡する。
 

シーレは突如ヴァリと別れ、アトリエの向かいに住む

中産階級のお嬢さんエディットと結婚する。

 

当時、戦争よりも多くの死者を出したとされた

スペイン風邪が大流行して、エディットは

シーレの子供を身籠ったまま亡くなった。

シーレもその後を追うように28歳の若さでこの世を去った。

 

 

奇しくもクリムト没年と同じ1918年。

そしてこの年に第一次世界対戦も終結を迎える。

(展示構成)

1章 エゴン・シーレ ウィーンが生んだ若き天才 
2章 ウィーン1900 グスタフ・クリムトとリングシュトラーセ
3章 ウィーン分離派の結成
4章 クリムトとウィーンの風景画
5章 コロマン・モーザー 万能の芸術家
6章 リヒャルト・ゲルストル 表現主義の先駆者
7章 エゴン・シーレ アイデンティティーの探求 
8章 エゴン・シーレ 女性像
9章 エゴン・シーレ 風景画
10章 オスカー・ココシュカ野生の王 
11章 エゴン・シーレと新芸術集団の仲間たち
12章 ウィーンのサロン文化とパトロン
13章 エゴン・シーレ 裸体 
14章 エゴン・シーレ 新たな表現、早すぎる死

 

会場で50点ものシーレ作品の作品を観ていくうちに、

彼の持つ独自の画風、裸体表現のポーズや激しい筆致、

卓越した線描など、だんだんと他では見られない画力に惹かれていった。

 

中でもシーレの独特な構図と輪郭、色遣いの風景画に魅せられた。

 

ヌードを多く描いているように感じられる展覧会だったが、

シーレは風景画の方が多く描いていた。

 

特に、母親の故郷クルマウ(現チェスキー・クルムロフ)を描いた

風景画が興味深かった。

 

 

 

 

私が行ったチェスタークルムロフは世界遺産となっていて、

明るくて絵になる風景とは思ったが

シーレのものは暗い雰囲気に感じる。

彼の心境が入っているのか?

 

 

私が行ったチェスタークルムロフのこと。

 

 

このドローイングが気に入った。

 

ドナウ川も暗い雰囲気だ。

 

よく見ると、窓のひとつ一つが同じでない。

繊細な描写だった。

 

世紀末の退廃的雰囲気を、華やかで官能的に描いたクリムトに対し、

シーレの作品は独特の陰鬱を漂わせる絵画だった。

 

衝撃が強い作品が多くって、立ち去り難く

ここで2時間近く過ごしてしまった。

 

その余韻を感じる、ミュージアムショップで買ったガイドブック

 

紀伊国屋書店でも売られていた。

通販でもあった。

 

おススメ本です。

 

 

このポスターの女性はヴァリーと思われる。「母と子」

 

 

公式サイト

 

レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才<オフィシャルHP> (egonschiele2023.jp)

 

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